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■著者 東野 圭吾
■星 ★★★★★
手紙 (文春文庫) | |
![]() | 東野 圭吾 文藝春秋 2006-10売り上げランキング : 644おすすめ平均 ![]() ![]() ![]() ![]() |
■説明
兄は、強盗しようと思った。父と母を亡くし、弟と二人きりの兄、剛志は金に困っていた。成績の良い弟を大学に進学させたいのに、生活費にも事欠く毎日。おまけに、学歴がないために就ける仕事は肉体労働くらいしかないのに、腰を痛めてしまい収入の道も閉ざされそうになっていたのだ。
■感想
映画公開当時gyaoの試写会に当選して映画を見た後の本。「もう筋を知っているからどうかな?」と思いつつ読み始めたが、しっかりと最後まで読んでしまった。映画と多少設定が違う場面もあったけれど、ほぼストーリーは同じ。
一言では感想が書けない考えてしまうストーリーだ。私は世の中の不当な差別はするべきではないと考えているのだが、この本を読むと差別の難しさを痛感する。 たとえば、差別をすまいと意識するがあまり、却って通常ではありえない対応をすることはないだろうか。 常々噂で人を判断すまい、自分の目でみて自分の感覚で判断しようと思っているけれど、そうすることによってたとえば自分の家族にも被害が及ぶようになったらどうするだろう?
やっぱり最後は家族を守るしかなくなるのではないか?
悪いのは差別をする世の中だとわかりつつ迎合して生きていくしかないのだろうか。 などと考えたりもした。 結局結論は出ないままだ。いや、結論を出すことが怖いのかもしれない。だから出さないままにしているのかもしれない。
手紙 スタンダード版 | |
![]() | 山田孝之 玉山鉄二 沢尻エリカ 日活 2007-04-27売り上げランキング : 3648おすすめ平均 ![]() ![]() ![]() ![]() |
映画の方の感想は、その時の記録から転記します。
最初に満開の桜からはじまります。今から秋・冬を迎えるのに、なぜ?今の公開?と不思議な気がしました。 桜が意味するテーマに 物語の中盤以降にやっと気づきました。白石由美子役の沢尻エリカの力強さがとても印象に残り、前向きの力を与えてもらえるような気がしました。かわいいけれど、明るく強い視線が頼もしかったです。
竹島剛志役の玉山鉄二(良く知らなかった俳優さん)が、すごく上手い。ラストが印象的でした。
その時の記憶で 映画を見たときにこの動機に現実味が感じられないと思っていたことを思い出した。 映画の場合、シーンを実際に映像として目で見てしまう。その画像を見て「古い」「昔っぽい」と私は判断していたのだと思う。ずいぶん昔の話を見せられているような気がした。 目で情景を見たとき、まず「いつごろの話だろう?」などそのシーンをもとに人は無意識に言葉で語られない部分を補完しようとする。そういう点で 映画は映像でイメージを固定してしまうので印象が変わる場合もあるなあなどと思ったりした。
本の場合、はその時間の判断は使われている言葉で行われることが多いように思う。「公園デビュー」など、いまの世で使われている言葉を見ると現在に近いことなのだと私は判断しているようだ。
■原題 Crimson rivers
■監督 マチュー・カソヴィッツ
■星 ★★
クリムゾン・リバー | |
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■説明
ロッククライマーが見つけた奇妙な死体は、どうやら拷問をうけていたらしい。捜査に訪れた刑事(ジャン・レノ)。 調べれば不可解なことばかりが出てくる。
■感想
雰囲気は少しおどろおどろしいし、死体は出てくるわ、猟奇的だわの映像はあるんだけれど、なんだかちっとも怖くないし、おまけに 謎解きされても なんとも納得のいかない結末でいま一つの映画でした。 どうやら、映画は説明不足で原作本を読んだ方がわかりやすいらしいです。
注意)多少のネタバレ
この記事は ネタバレを含む感想です。映画の冒頭のみ知りたい方は、下の ■説明 の部分のみお読みください。
■原題 Finding Neverland
■監督 マーク・フォスター
■星 ★★★
ネバーランド | |
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■説明
劇作家の ジェームズ・マシュー・バリー(ジョニー・デップ)の新作初演の日。落ち着かない様子の彼を探す妻がいた。そうして演目は始まるが、観客には退屈極まりなかったようだ。ガッカリとしたマシュー・バリーは、妻を散歩に誘うが、どうせ、劇のことしか考えてないのでしょうからとひとりで行くように言われる。
■感想
暖かい気持ちに包まれるという前評判が悪かった。映像は確かに美しいのだけれど、どれも一歩突っ込み不足な感があり、中途半端な思いが残った。 たとえば、友達としてサポートしていたシルビア(ケイト・ウィンスレット)に対して、世間一般でいうような関係は無かったにせよ、彼の中には恋愛から愛情に変わってきた思いがあって、それでも「友情」だと認識しようとする葛藤などが本来あったと思うのだけれど、その辺があまり出てなかったみたいなんだよなあー。と。というか、別にシルビアに対する愛情でなかったとして、息子ピーターに対する愛情(これについては、中で語られているけれど)だけであったのだとしたら、そちらも中途半端。なんだか画面のこちら側に伝わってこない。
ジョニデのファンの方からすると、日ごろのアクの強い役でない役をみることができて満足度は高いかもしれないけれど、その辺がきちんとこちらに伝わらないのは今ひとつだなあと思ったのでした。 私から見ると、ジョニデの出演作の中ではいまひとつではないかという思いが強いです。
※エピソード自体が良い話というのと、映画が良くできているというのは別の問題だと思うので。
■原題 LA MARIEE ETAIT EN NOIR
THE BRIDE WORE BLACK
■監督 フランソワ・トリュフォー
■星 ★★★★
黒衣の花嫁 | |
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■説明
自分の部屋であろう場所で何かに嘆いている女性。衝動的に窓から飛び出そうとする女性を、年配の女性が引き止める。
場面が変わり、トランクに荷物を積め、旅支度をしているような女性。洋服は黒い洋服ばかりなのが目につく。彼女は何者なのか?
なぜ嘆いていたのか。 窓から飛び出そうとしたのは、何をしようとしていたのか。 観客は映画のしょっぱなから、沢山の疑問を持つことになる。そうして、なぞめいた女性のことが少しずつあきらかになってゆく
■感想
フランソワ・トリュフォーは、随分有名な監督だ。私も名前くらいは聞いたことがある。でも、どんな映画が彼の映画なのかということは知らなかった。 主役のジャンヌ・モローも名前だけは聞いたことがある大女優。 そういう昔の名作も見ておきたいと思ってエアチェックした。 アマゾンで検索するとDVDは見当たらなかった。
この映画を、何の前提知識もなく見たことは大変ラッキーだったと思う。 ジャンヌモローは、この当時40歳くらいで、ちょっとふけていてヒロインにするには、ちょっと。。と思う場面も多かったが、良く見ていると、相手役の男性も皆老けていて、「今の映画界の若年化が進んでいるだけかもしれないな」などと思った。
映画撮影のテクニックなどはよくわからないけれど、このストーリー展開の巧さが印象に残った。 バラバラにつなぎ合わされた場面が次第に意味をもったものとして観客に捉えられる。 たぶん、物語の中の相手たちも、なぜ自分がターゲットになるのか気づかない人も多かったと思う。 彼らに共通するものは何なのか。彼女目的は何なのか。 そんな疑問とそれに対するヒントで 観客は少しずつ彼女の目的を知ることになる。
映画を見る者たちは性別も学歴も国籍もetc.全て違うそういう広い範囲の人たち全てに、言葉で直接的に説明するわけではなく、少しずつ物事の糸口を見せ、それを解き明かしたいという気持ちにさせることができるということは、何気ないことのようでとても難しいことだと思った。
私も、最初退屈だと思っていたし、フランス語でさっぱりわからないし(字幕はついていました)で、なかなか入り込めないのではないかと思ったけれど、最初の事件が始まったあたりで、この映画が気になって気になって、最後までじっくり見てしまったひとりだ。
注意)多少のネタバレ
この記事は ネタバレを含む感想です。物語の概要のみ知りたい方は、下の ■説明 の部分のみお読みください。
■原題 BUGSY
■監督 バリー・レヴィンソン
■星 ★★
バグジー | |
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■説明
バグジーという呼び名はベン・シーゲルのこと。バグ(虫)からきている蔑んだ呼び名のようだ。ぶちきれたときには何をするかわからないようなギャング。その彼が出先で出会った女優に一目ぼれをしてしまった。 ベン・シーゲル(ウォーレン・ベイティ)には妻と二人の娘がいるが、その女優のことで一生懸命になるが、彼女は相手にしない。 ベン・シーゲルが バージニア・ヒル(亜ネット・ベニング)のあだ名であるフラミンゴ を名前とするホテルをラスベガスに建てるお話。
ベン・シーゲル、バージニア・ヒルは実在の人物だが、映画は虚構の部分も多いようだ。
■感想
アカデミー賞のノミネートが随分多かったことで記憶に残っている映画。予備知識なしで見始めたのだけれど、私としては中途半端な思いが残った。
セットなどを見るかぎりでは大作だと思えるのだが、「バグジーとバージニアの純愛物語」というのが、なんだかうそ臭い感じがしたのではないかと思う。映画の中で バグジーがなぜバージニアにそれだけ惹かれるのかという部分がきちんと語られていないからではないだろうか。
バージニアにしても、最後の最後あたりで、以下ネタバレ
マウス反転して読んでください。
資金を自分の口座に大量にストックしていたことがばれてしまい、それがもとで物語のラストへとつながっていくのだけれど、バグジーに問いただされても 知らぬ、存ぜぬで、誠意が感じられないところにもってきて、ラストでは 「ヤッパリ好きでした」という感じ、なんだか理解できないなあ。
映像的にはとても美しいし、興味深い話ではあるけれど、物語としてうまくつじつまが合っていないような気がしました。
以下チョットネタバレです。
もう一点、気になるところ。ラストが尻切れトンボなんです。
最後にその後どうなりました。。というのが出てくるわけですが、自分のちょっとした気の迷いが引き起こした結果について、バージニアの放心した表情は良い。しかし、その後、文字で泣かせるのはちょっと。。映画としては残念な気がします。
恋愛映画を目指すのであれば、その辺を描ききってほしかったし、ラスベガスを描きたいのであればラスベガスに焦点をしぼってほしかった。
検索していたら、面白いページにヒットしました。もちろん、映画は映画、本当はどうだったかということと、映画の出来は無関係です。
みみちゃんねる・<ラスベガス発展の歴史的背景と、ベンジャミン・シーゲル(通称バグジー)>
注意)ネタバレ
この記事は ネタバレを含む感想です。物語の冒頭のみ知りたい方は、下の ■説明 の部分のみお読みください。
■原題 父と暮らせば
■監督 黒木和雄
■星 ★★★★★
父と暮せば 通常版 | |
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■説明
1948年夏。原爆ドームが見える。広島だ。雷雨の中瓦礫の間を走る足。怖い怖いと悲鳴を上げて走りこんできた娘(宮沢りえ)に父(原田芳雄)が話しかける。
■感想
以前から見たいと思っていたのだが、なかなか見る機会がなかった。8月にテレビでやっていたものを録画してやっと今頃観た。
静かに淡々と進む映画。最初から引き込まれて見てしまった。場面はほとんどが 宮沢りえが住む家で進む。主要な登場人物も父と娘二人。場面のほとんどがセリフで進み、第三者のことも二人の会話の中で推し量る。 「この雰囲気は、劇場の劇を見ているみたいだ。もしや」と検索してみると、
父と暮らせば(Wikipedia)
井上ひさしによる戯曲であり、今まで数々の劇団が上演している有名な芝居である。2004年、 映画化された。
とのこと。やはりそうだったか。 宮沢りえ、原田芳雄がうまい。原田芳雄の広島弁はほとんど広島の人と変わりないように聞えたので、もしや出身が広島か?と検索したけれどまったく広島とは関わりのない人のようで、役者というものはすごいものだと驚いた。
宮沢りえもかなり上手い。多少イントネーションが違うような気がした。方言自体は、純粋に広島弁だと思えないものがあり、九州弁っぽく聞えたり、関西の方の言葉に聞えたり、四国の方の言葉に聞えたりした部分もたまにあったのだけれど、そんなことはどうでも良い。
ほのぼのと暮らしているかのような父娘の姿はとてもうらやましく、私は父とこういう風に過ごすことなく父が亡くなってしまったことが少し悲しかった。 少しネタバレなのでマウス反転して読んでください。
今からでもこんな風にときどき父が出てきてくれたらどんなに楽しいだろうと思ったりもした。
映画のテーマは広島の原爆。血や死人はほとんど映像に出てこないのに。私は 二人と一緒に原爆におびえ、原爆に泣いてしまった。終盤の娘の告白ではつらくてボロボロに泣き、つい嗚咽まで出てしまった。(映画館や劇場で観てなくてよかった) いや、本当の原爆はこんな綺麗ごとではないだろう。もっと恐ろしくもっと悲しいものだろう。
大幅ネタバレなので色を変えます。
中盤で娘が友達の母に会いに行ったとき、最初はよく来てくれたと喜んでくれた友の母が、「なんであんたが生きているんだ。なんで私の娘じゃなくてあんたが生きているんだ」と面と向かって言ったという話があった。 そういわれた娘は 生きていることが申し訳なくて幸せになるまいと思った。 あまりの不幸は人を人でなくしてしまう。そういう不幸な人を 一瞬にして大量に作ったのが原爆。
広島弁になじみのない人には 言葉がなかなか分かりにくいという感想もいくつかネットで見受けられた。私は偶然ながら広島弁がわかってよかったと思った。最初から最後までのめりこんで見ることができたから。
もし、一度見て広島弁が分からなかった人も、二度目にはきっとわかるようになると思うから、もう一度見て欲しいと思った映画だった。
下に冒頭の部分で分かりにくいだろうと思われる言葉を抜き出して見ます。そのまま抜き出しているので、筋が多少分かってしまいます。
雷におびえる娘に防空頭巾をかぶった父が戸棚の中から声をかけて
「はよう 戸棚の中へきんちゃい」= 「はやく戸棚の中に来なさい」
父の声を聞いて娘、父に
「おとったん、やっぱおってんですか?」=「お父さん、やっぱりいらっしゃったのですか?」
「おらんでどうする」=「いなくてどうする?」
「おまえがおりんさいゆうたらおるで...」=「お前が居ろといえば居るよ。」
娘の雷のあまりの怖がりようのことを父が
「そげえふってえさわぐようになって」=「そんなに大層さわぐようになって」
「いつからそげえになったん..」=「いつからそんなになったん...」
「ねんねのころ」=「赤ちゃんのころ」たぶん。(私の知っている広島弁はねんねと言わないのですが、後半赤ちゃんのことをねんねと呼んでいたのでたぶん赤ちゃんの頃だと)
「しっとる」=「知っている。」
「まじめにきかにゃあいけん。」=「まじめに聞かないといけないよ」
「おとろしゅうて」=「おそろしくて」たぶん
「こたえるようになったんじゃ?」=「耐えられないようになったんだ?」 こたえる=堪える 骨身に堪えるなどと同じ使い方。
「どんどろさん」=「かみなり」たぶん
「しとりんさる」= 「していらっしゃる」(私の知っている広島弁は しとってんだったけれど、+敬語の「さる」でしていらっしゃる)
娘が 麦湯があるんよ。飲もうか。と出し、父はそりゃええのお。と答えるが、「これしか ようのめんのじゃけん」= 「これだけしか飲めないから」 よう は 動作を表す否定語とくっついてやろうとしても出来ないことを表している。じゃけんは だから という意味。
ひと段落ついて、思い出す父
「あー。ことじゃ!」=「ああ、大変(な事)だ!」 ことは「事」 「そりゃあ、ことじゃ!」となると「それは問題だ!」となる。
まんじゅうについて父
「あれ、まさかつぶれとりゃせんかったろうのう」=「あれは、まさかつぶれたりはしてないだろうねえ」
娘もらった饅頭のいきさつについて聞いた話しを
「どがーしてもその前を」=「どうやってもその前を」
「こがあいいなさったんよう」 = 「こんな風におっしゃったのよ」
「そいじゃけわしは、よう食えんのじゃって」=「だから、わしは、食べられないんだって」
「ピカの年」= 「原子爆弾が落ちた年」(これは方言ではなく)
「戻りんさった」= 「戻られた」
父が饅頭をくれた主のことをイロイロと楽しげに憶測するので
「なにゆうとってですか?」= 「何をおっしゃるの?」
「ばからしゅうて、もうやっとられん」 = 「ばからしくて、やってられない」
「おとったんは、まだおってん?」= 「お父さんはまだ(ここに)いらっしゃるの?」
こんな感じに話が進みます。
注意)ネタバレ
この記事は ネタバレを含む感想です。物語の冒頭のみ知りたい方は、下の ■説明 の部分のみお読みください。
■原題 THE TALENTED MR. RIPLEY
■監督 アンソニー・ミンゲラ
■星 ★★★★
リプリー | |
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■説明
リプリーが内緒の代役で出たピアノ演奏をきっかけにリプリーと知り合いになった富豪ハーバート・グリーンリーフは、リプリーの上着を見て、自分の息子の出身校と同じだと親近感を抱く。話をしているうちに、リプリーの性格をみこんで 旅費などは出すからイタリアに行ったきりの息子ディッキーを連れ戻してくれと頼む。
■感想
太陽がいっぱい(アランドロン)で有名な パトリシア ハイスミスの THE TALENTED MR. RIPLEY 邦題リプリー が原作だということです。 私は太陽がいっぱいを見ていません。 だいたいの筋は知っていましたが、映画の感想を検索してみると、「太陽がいっぱい」を観たことがある人、とりわけ思い入れが大きい人にはこの映画の評価が低かったように感じました。その点では 太陽がいっぱいを未見であったことはラッキーだったと思います。
機会があれば、太陽がいっぱいも見てみたいとも思いました。
映画は、リプリーの内面にせまることなく外側から彼の行動を描いています。ですから、映画を見ている私の立場からは いつから彼が罪を犯そうと思い立ったのかさえも不明確です。
題にあるような、リプリーの才能は他人を真似る才能でしょうか。実際、あちこちで人の言葉をそのまま真似てみせる場面がありました。ピアノもそつなく弾きこなし、何事もそつなくそれなりに片付ける才能かもしれません。
以下少しネタバレなので色を変えます。 マウス反転してお読みください。
夫と一緒に観たのですが、夫は悪事が発覚せずに逃げおおせるこのラストをどうも生理的にうけつけないようで、かなり後味がわるそうでした。 私の方も後味は良くはないのですが、映像美が印象に残り、役者たちも上手くて、ナゾに感じる部分も多く、妙に見終わったあとも気になる印象深い映画でした。
どうやら本を検索すると、もともとが後味の悪いお話のようです。ラストも同じく、リプリーが逃げおおせて、続編もあるということ。作者を検索してみると、あまりにも気持ち悪い話なので途中で読むのを辞めてしまった「11の物語」と同じ作者だということがわかりました。
マットディモンが少しずつディッキーのいろいろな部分を自然にコピーしていき、ある日突然「あなた随分変わったわ」という部分では、登場人物と一緒にあらためて驚いた人も多かったのではないかと思います。
なんとなくアランドロンの面影のあるジュードロウのわがままで皆を魅了してやまないな富豪の息子も上手い。
お嬢様役とくれば。。の グウィネス・パルトローも、とにかく力演が印象に残る映画でした。
映画中「キミはゲイか?」と何度もたずねられるシーンがあったのは、原作には無かったものではないかと思います。もしかしたら、相手のことが好きになれば段々嗜好やしぐさまで似てくるということで、リプリーも他の皆と同じように ディッキーに惹かれ、そのうちに好きになってしまい、ディッキーからひどい言葉をあびせかけられたからの犯罪という可能性を示唆していたのかな?
彼の才能で、イタリアに渡る前にジャズの猛勉強をするシーンがあります。マイファニーバレンタインでの声を聞きながら「男か女か」のように独白が入り、ディッキーと一緒に演奏する場で見事にマイファニーバレンタインをコピーして歌うリプリーというシーンがあるので、やはりそれを示唆していたのかもしれないな。。。と思いました。
原作はこちら。 太陽がいっぱいと下の原作、それから続編を読んでみたいと思いました。
リプリー | |
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注意)ネタバレ
この記事は ネタバレを含む感想です。物語の冒頭のみ知りたい方は、下の ■説明 の部分のみお読みください。
■原題 My Life Without Me
■監督 イザベル・コヘット
■星 ★★★(よくできているとおもうけれど、日本語題名、日本語訳に??で★一つ減点)
死ぬまでにしたい10のこと | |
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■説明
アンは、娘二人と夫とともにトレーラーハウスに住んでいる。失業中の夫の新しい職も決まりそうで喜んだのもつかの間、家で倒れてしまい、病院に運ばれる。
■感想
ネットで感想を検索してみると、評価が二分している映画。
私はといえば、録画したものを観たのだけれど、最初の最初から躓いてしまいました。何に躓いたかというと、字幕で「私」と出ているのに映画の中では[you]とナレーションが入っていて、しょっぱなから「アレ?」と疑問がわいて映画に入り込めなかったのです。 頭の中には、「それじゃ、この映像は 『貴方がこうだと想像』というところを「私はこうだ」ということにすりかえられているのかな?などと考えながら、「映画の翻訳って難しいだろうけれど、意訳が激しいと、本来の映画の作り手の狙いまで変わってしまうのではないだろうか?」と思ってしまったりしました。
This is you. Eyes closed, out in the rain.You never thought you'd be doing
something like this.
You never saw yourself as,
l don't know
how you'd describe it, as...
のyouが全部 「私」と訳されていたら 「あれ?なんか違うんじゃ?」と思いませんか?
同じく、題名の「死ぬまでにしたい10のこと」これも原題の「My Life Without Me」とはゼンゼン違いますよね。 たしかにこの題だからこそ 「どんな映画だろう」と見てみたいという思いが強まったことはたしかで、私なしの私の人生。私がいない私の人生。などだったら果たしてこの映画を見たいと思ったかどうか?
夫に話してみて思ったのですが、私も夫も邦題の方が「見たい」という気持ちはかきたてられるという結論でした。ということは、たくさんの人に見てもらってナンボの映画としては、この日本人ウケしやすい題名は成功しているのかな?と。
しかし、たとえ「つかみはok」だったとしても、違う内容を予測するような題だと、映画に失望して面白くなかったと感じる人も多いのではないでしょうか。
<以下完全ネタバレなので色を変えます。マウス反転して読んでください>
「死ぬまでにしたい10のこと」にしてしまうと、この映画は
ただの不倫映画になりさがってしまう。 ただの主人公のワガママ映画の印象が強まってしまう。
「だって、死ぬまでにしたい10のことって、夫に新しい女性を世話して、自分は新しい恋をみつけ、相手を夢中にさせること。なるほど、素晴らしい」なんてすぐに考えるかな?? 自分が死ぬことがわかっているのに、相手を自分に夢中にさせて自分が死ぬってものすごく残酷じゃない?エゴじゃない? 夫はいい人だし、夫婦円満じゃない?自分も不満ないみたいじゃない?なのになぜ?不倫?? なんて思い始める人もいると思います。この邦題だと。
そうして、原題だとしっくりくるような気がします。
やりたかったことの中に「恋をして相手を夢中にさせる」というのがあるのは 原題で公開されようと邦題で公開されようと、私としては自分のエゴだとしか思えないし、私だったらそれをリストにあげないだろうと思うけれど、それは、見ている私の人生ですよね。 彼女にしてみれば、恋というものを実感する前に子供が産まれそのまま 大変な生活に流されてしまった人生だし、まだ自分は若いし、恋をしてから死にたいと思ったのかもしれない。良いとか悪いとかこういう生き方が好きとか嫌いとかそういうことは抜きにして、そういう人もいるかもしれないと見ることはできそうに思います。
個人的な好き嫌いは置いておいて、静かな淡々とした雰囲気に、ひきつけられる映画です。そうして、「もし私の命の期限が近い言われたらどうするだろうか」と少なからず考える機会になりました。
アンは、父親は服役中、夫は失業中。かわいい娘は二人いるけれど、経済的に自立していない結婚であったために、母親の家の庭のトレーラーハウスが自分の家であり、経済的にも苦労しています。
おまけに、とうとう死期の宣告までされてしまう。 でも、彼女には不幸そうな様子は微塵も見えません。 かといって、立ち向かおうという傍からみると疲れてしまうようながむしゃらな頑張りをするわけでもなく、水が流れるように自分の人生をすんなりと受け入れて素直に、周りの人々を受け入れて生きていました。その生命が、彼女が自分の死んだ後の人生を作り上げようとして、人と関わって結果自分の歩んできたレールを未来につないでいるんだなあなどと思いました。
ラストに近いところ 調子が悪くて寝ているアンが70年代風ビーズカーテン越しに隣人と自分の家族が楽しく歓談している図からその後へつなぐ部分もすごく印象に残ります。彼女が死んだり苦しんだりする場面がないまま死後につなぐところも、彼女の人生が続いているのだと受け取れました。
映画の感想を見ていて「My Life Without Me」というのは彼女が死んだ後の話ではなく、彼女が今まで生きていた時間なのではないかという感想がありました。 なるほど。そうかもしれない。自分の人生と実感する前に日々忙殺されていた人生でしょう。
そう思いながらも、日々それでも笑顔を絶やさず、人生に疲れている様子が見えなかった彼女のことや、ラストの場面などを思い出すと、「やっぱり彼女が死んでからも彼女の人生が続いているんだ」と私は思いたくなりました。
個人差があっても寿命があるのが 生き物の定めです。私も寿命があるのだったら、彼女のように自然に自分の人生の続きを託すような気持ちで、残る人たちへの思いやりを忘れずに死ぬ準備ができたらいいな。。と思いました。
でも、私だったら、彼女ほど強く自分だけの秘密として守ることができるかな?自信ありません。
注意)ネタバレ
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■原題 ANYWHERE BUT HERE
■監督 ウェイン・ワン Wayne Wang
■星 ★★★★
ここよりどこかで | |
![]() | ウェイン・ワン スーザン・サランドン ナタリー・ポートマン 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2006-03-10売り上げランキング : 27837おすすめ平均 ![]() ![]() |
■説明
なにやら何も無い道路を走り続けている車の中から物語は始まる。助手席にいるナレーションの主の地味でラフな服装の女の子(ナタリー ポートマン)と ハンドルを握るのは彼女の母。派手で多少下品ともとれるような服装の中年女性(スーザン サランドン)。美貌だけれど、品の無さから教養の無さが伺える。
上機嫌でしゃべりまくる母と対照的に娘は今にも泣き出しそうな表情。何かを耐えている表情だ。
彼女は破天荒な母のやることなすことが内心耐えられない。けれど、母ひとり子ひとりの家庭では一緒についていくしかない。今は母の決断で母の憧れのビバリーヒルズへ向かっている途中なのだ。
■感想
この映画を見終わったとき、てっきり監督は娘を持つ母親なのではないかと思った。 それほどまでに母と娘の関係を上手く描いていると思う。
以下、全体的に映画の内容に触れていますので、真っ白な状態で映画を見たい方はご注意ください。
私の場合は子供は男の子で ナタリーポートマン演じるアンよりもずっと小さいけれど、私も時々母としての自分を振り返って、自分の中にワガママで甘ったれの部分があることにも気づいている。息子にとっては大切な親であるから、自分よりも息子の幸せを第一に考えたい。理性的でありたいと思いながらも、時々そういうワガママで甘ったれの自分と戦っている。息子の未来が揚々としたものであって欲しいと思うと同時に、息子の親離れをどこかで寂しく思う。 などなど、 母になったからといって、「確固たる母」が自分の中に出来上がるものではなく、母にもそういうばらつきがあり矛盾した思いの塊があるのではないかと最近感じることがある。
スーザン サランドンが演じるアデルは、娘に対する愛情はあふれんばかりにあるのだけれど、それ以上に自分がオコチャマで 娘の気持ちなどさっぱりわからないし、わかろうとしない。 娘の気持ちなどお構いなしに 自分と娘はいつもおなじ考えであろうと思い込んでいるようだ。 しかし、頭の良い娘は 母がいつも追い求めている夢は実現しがたいことを一番良く知っている。 母がいつも頭の隅に追いやって見てみぬふりをしている現実を彼女はいつも見つめている。
だから母の生き方が我慢できなく嫌いなのだ。やがて母が直面するであろう現実がわかっているから。
でも、母には彼女が必要なのも痛いほどわかっている。精神的に母の支えとなっているのは自分だということもわかっているので、そういう母の行動を嫌っていたとしても、母を見捨てることができない。
母は母で、娘は かわいい プーちゃん(愛称:熊のプーさんなのか?)であり 女優になるほどの才能に満ち溢れていると信じて疑わない。 娘の意思とは関係なく次々とオーデションを受けさせる。
テレビで最近の日本の母娘を見ていても、友人や姉妹のようだと言われ喜んで二人でちゃらちゃら歩いたり、娘や息子に 女優やスポーツ選手の夢を託して 親の方が必死になったりということを 他人事ながら危うく感じていただけに、この アデルの アダルトチルドレンっぽい子供によりかかった生き方も現実味を帯びて見えた。
ナタリー ポートマン 。本当に上手い。キライいだけれど憎めないという親子関係を上手く演じていると思う。
細かい演出も上手い。クリスマスの日 掃除機をかけているアデルは 床に落ちているものを拾おうともせずに チャリチャリと大きめのゴミが吸い込まれていく音がする。 きっと掃除など日ごろはしたことがないのだということがそれだけでわかる。
ラスト。良い映画だと思った。 親は子供を育てるけれども、子供は親を育てる。 そんなことを日々感じながら迷いながらの子育てをしている私には とても面白い映画だった。
注意)ネタバレ
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■原題 MONSTER
■星 ★★★★
モンスター 通常版 | |
![]() | パティ・ジェンキンス シャーリーズ・セロン クリスティーナ・リッチ 松竹 2005-05-28売り上げランキング : 18391おすすめ平均 ![]() ![]() ![]() ![]() |
■説明
アイリーンとセルビーがはじめてあったのは、アイリーンがたまたま入ったバーだった。 アイリーンは絶望して死のうと思っていた。セルビーは自分の人生につまずきを生じて気晴らしをしたいと思っていたときだった。
美貌で有名な シャリーズ・セロンが 役作りのために体重を増やし、メイクで変身したことで話題になった映画。
アメリカ犯罪史上初の女性連続殺人犯、アイリーン・ウォーノスの実話に基づいた映画とのこと。
■感想
# ベルリン国際映画祭銀熊賞(女優賞)(2004)
# アカデミー賞主演女優賞(2003)
# ゴールデン・グローブ女優賞(ドラマ)(2003)
と、たくさんの賞をシャリーズセロンがとった映画ということで、知りました。 ところが、シャリーズ・セロンが出演した映画はいままであまり記憶になかったため、この映画でオスカーをとったシャリーズセロン(映画後のダイエットを終えた姿)を見ても、なんだかふけていて、コメントには「あの姿からダイエットしてここまで美しく戻るなんて信じられない」なんていうコメントがピンとこない感じでもあった。ドレスもいけなかったのか、胸がなく妙に寸胴な感じがしたし、眉がない顔は 「まあ、綺麗だけれどね」という印象。 でも、ネット検索すると、まあお人形さんのような美貌で、たしかにこの映画のリーと同一人物とは思えない。
その程度の興味で「どんなに彼女が変貌しているか?」ということと、「いくつもの賞をとった映画だから」ということがこの映画を見ようと思った発端でした。
最初の画像が出てビックリ。ものすごい老け方。メイクでつけていると思えるそばかすを差し引いても、あごの辺りのへの字口のたるみといい、あの口のあけかたといい、演技でそこまでできるのだろうか。10キロ以上体重を増やしたという彼女の体(ストリートピープルなので、風呂に入れないから、トイレで身支度をするシーンがある。)は、あんなに美貌の主でもこんな体になれるんだというオドロキがあった。そうして、今はたぶん元にもどっているんだよな。 別の意味で、「やる気があり、努力すればある程度綺麗になれるんだよ」と思いたくなるような、変貌振りでした。
物語は、つらくて悲しい映画。救いが無い。
いくつかネット上に書かれている映画評を観たけれど、
これ以降 ネタバレです
彼女が、車が欲しいだけのために殺人を繰り返したり、うんざりした毎日から抜け出すために売春をしたんじゃないと私は思う。 彼女自身、今まで誰からも愛された経験がなかったからこそ、まだ子供じみていてワガママなシェルビーの駄々にさえ応えたいと思ったし、それを実現するためには、自分にはとる道が思いつかなかったし、なかったのだとおもう。食べるものがないからといって、「売春してたべさせてくれるっていったじゃない。どうして売春しないの?」なんて言われて普通に生活している人がその通りにするなんてありえない。自分が殺されかけて殺人を犯してしまってから、売春自体が怖くてしょうがないのに、お金を得る手段がそれしかないと思った場合。そこまでしても、シェルビーからの愛情(ほんとうに愛情か?共感か?)を失うのが怖かったのだと思う。しかし、そうはいってもつのる売春相手に対する嫌悪感で、自分は正しいことをしている。世の中の間違った汚い男たちに罰を与えていると思うようになってしまったのではないかと思ってみた。 同性愛傾向のあるシェルビーとの関係についても、家族の愛情を知らない自分にとって、自分を愛してくれているとはじめて思った人がたまたま女だったということなのではないかとおもいました。
内容が内容だけに、ショッキングで醜悪な映像が多いです。家族や恋人と見る映画ではないと思います。
当初、女優の力量を見たいという軽い気持ちで見始めた映画だったけれど、アメリカに代表される社会の闇を思いました。そうしてとてつもなく悲惨で悲しい映画でした。
最後の最後まで、アイリーンの気持ちを 失いたくなかった。そのために罪を重ねていった。ところが、証言台に立ったそのアイリーンに冷たい表情で指を指されて 切り捨てられてまで、それでも強がって口をへの字にして仁王立ちして罵詈雑言を吐くしかない彼女の強さ(生きていくなかで身に着けた強がりだと思う)がとても悲しかったです。
■原題 Patriot Games
■監督 フィリップ・ノイス
■星 ★★★★
パトリオット・ゲーム | |
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■説明
元CIAのジャック・ライアン(ハリソン・フォード)は妻・娘と一緒にイギリス訪問中、何者かの襲撃事件に巻き込まれてしまう。
■感想
ハリソン・フォードは、あの スター・ウォーズが出世作?だと思う。スター・ウォーズでは、ちょっとアウトローな 「チョイワル」な感じで人気が出たようだけれど、私はさほどでもなかった。 ほぼ同じ年代(だと思う)の リチャード・ギアが 年とともに、ニヤケたイイ男路線をたどっているのと対照的に、家族愛パターンの映画が印象的で、ワンパターンだけれど私には好印象。誠実な役柄にほれます。
映画自体を検索してみると、出来栄えには辛口の評が多いようです。 でも、次から次にテンポよく、ぐいぐいと話を引っ張っていく映画は悪くはないのではないかと思います。
ネタバレありの感想は こちら 【ネタバレ】パトリオット・ゲームをご覧ください。 恐れ入りますが、ネタバレのあるトラックバック・コメントなどは この記事は避け、 別記事の【ネタバレ】パトリオット・ゲームにお願い致します。
■原題 Adaptation
■監督 スパイク ジョーンズ
■脚本 チャーリー カウフマン ドナルド カウフマン
■星 ★★★☆(すごいとは思うのだけれど、もう一度見たいというのとはちょっと違う)
アダプテーション【廉価版2500円】 | |
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■説明
マルコビッチの穴の脚本家のニコラス・ケイジ(チャーリー・カウフマン)は 新作に取り組もうとしている。彼は、禿げていて自分で自分に自信がもてない。 ニコラス・ケイジ(二役)(ドナルド・カウフマン)と二人で住んでいる。脚本を書き始めたは良いが、なかなか進まない。 ドナルドがうるさく付きまとうので、厄介払いのように適当な筋を提案したところ、彼はそれをもとに脚本を書き始めたようだ。
■感想
ニコラス・ケイジがすごい。なんといってもナサケナイ役になりきっていて、どう見てももてなさそうな男。二役しているドナルドは同じ顔、同じ体型でありながら、言動が下品で適当なのに、なぜか人生うまく渡っていけそうな雰囲気に見える。この辺うまいなあ。二役って下手だと大げさになって鼻につくと思うのだけれど、あれ?別人がやっているのかな?とおもうほどうまく別人になりきっている。
ストーリーは、最初から「どうなるの?」「どうなってるの?」と思い始め、それからだんだんと登場人物と一緒に彼の脚本の中に入っていくという感じ。人の頭の中を覗く感覚というのだろうか。
ラスト直前に脚本がひとりでにどんどんと動き始め、ラストまで「うわーこんな話とは知らなかったよ」と超スピードで駆け抜けた。 ニコラス・ケイジ、メリル・ストリープ(やっぱりうまいです)つい、引き込まれてしまいました。 クリス・クーパー すごい、変な男そのもの。こういう人いそうだなあとおもいつつも、最初の頃、歯はどうなっているんだろうか。。とか。
もう一度みたいかどうかは微妙な変な話でしたが、映画としては映画の中で主人公が言うような 典型的な(水戸黄門みたいに 筋が決まりきっている)ハリウッド映画とは全く違う、ストーリーが読めない 魅力あふれるものであると思います。
因みに 蘭に魅せられた男。
蘭に魅せられた男―驚くべき蘭コレクターの世界 | |
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この本の映画ですが、エンドタイトルに
「この映画は、フィクションであり実在の本とは全く関係のないものです」と出てもおかしくない筋でした。
これ、購入した記憶があるのですが、どこにやったかなあ。別の意味で引っ張り出して読みたくなりました。
■原題 Lucky Break
■監督 ピーター・カッタネオ
■星 ★★★★
ラッキー・ブレイク | |
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■説明
昔からの腐れ縁の ジミー(ジェームズ・ネズビット)とルディ(レニー・ジェームズ)は 強盗を企てるのだが、いまひとつドジが災いしてしまい、刑務所に入れられてしまう。刑務所所長がミュージカル好きであることを知った二人は脱走計画を立てるのだが。
■感想
アメリカ映画ならば、明るく明るく爽快に脱走計画。というのが常だけれど、こちらはどこかがちょっと違う。全体的に暗めの展開がじっとりと続く前半、この前半を乗り切れないと途中で見るのをあきらめてしまいそう。 じっくり見ていると、いろいろなところで妙に「くすり」と可笑しい設定にはまってきてしまう。
ミュージカルを上演することになって 皆で練習するとき、お決まりのパターンをみつけて「いるいる。そういう人」と思ったり、
妙にツボにはまるおもしろさが隠し味のようにちりばめてある。
たとえば、調子の良い「ヤッタゼー」という映画は使い捨てになりそうなのだけれど、この映画の不思議なところは見終わって1週間・2週間経った頃に思い出すともう一度見たくなってしまうようなところ。 ヒロインのオリヴィア・ウィリアムスが綺麗なのも私にとっては、ポイントが高い。
■原題 A BEAUTIFUL MIND
■監督 ロン・ハワード
■星 ★★★★
ビューティフル・マインド | |
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■説明
天才と呼ばれた ジョン・ナッシュ(ラッセル・クロウ)は人付き合いが苦手。学生時代から人とうまくやっていけない。そんな彼でも、彼の人柄を認めてくれたのか 彼を理解してくれるルームメイトとめぐりあい、なんとなくこれからうまく人生も進んでいきそうな様子になってきた。
ジョン・ナッシュは実在の数学者で1997年にノーベル経済学賞を受けている人だということです。 彼は30歳のときに統合失調症に悩まされ始めたとのこと。
この映画は彼が数学者として認められる前から、ノーベル賞を受賞するまでを描いています。
■感想
この感想をネタバレせずに書くのはとても難しいです。私は何も知らずにこの映画をみはじめて、あまりの居心地の悪さに、一旦「どういう話なのか」とネット検索をしてしまったほどです。
以降、ネタバレします。
統合失調症(YASU-Qさんのページ) によると、
・統合失調症は胃潰瘍・十二指腸潰瘍を併せた「消化性潰瘍」の有病率と同じくらいよくある病気である。
・この病気の人とは、その症状以外はほとんど普通の人と変わらない様子で話ができる。
・症状は幻聴・幻覚などが現れる陽性症状と、心のなかに通常存在する働きが鈍っている陰性症状の2パターンがある。
(詳しくはリンク先をご覧ください)
この映画は後半にいたるまで見ている人を 現実と非現実の区別のつかないような危うい世界に置きます。見ている本人も少しずつつじつまが合わない世界の住人になり、何が現実で何が非現実なのか迷ってしまう。
見る側にとってみてはナッシュの世界や苦しみを疑似体験するような気がします。
アマゾンの映画評には 実際にはナッシュには幻覚症状は現れていなかったという記載がありましたが、映画の中の医者のせりふ
「この病気は自分の大切にしている思い出さえも、信じられないというつらい病気です」何が本当で何が幻覚なのかわからない、そのつらさを映画を見ているこちらも疑似体験しているかのようです。
ジェニファ・コネリーの芯の強い女性の演技はたしかにすばらしいと思いました。
しかし、女の私からすると、彼女が彼を愛したというきっかけが良く見えない。それが残念でした。たぶん、彼の数学的才能や素直な人格に惹かれたのだと思うのですが。 いや、もしかすると 映画を見る側にジェニファコネリーに愛されているという実感を与えないように、これも何が現実で何が嘘なのかわからないように 緻密に計算された演出だったのかもしれません。
■原題 True Romance
■監督 トニー・スコット
■星 ★★★★
トゥルー・ロマンス | |
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■説明
クリスチャン・スレータ演じるクラレンスは誕生日に自分の大好きなカンフー映画を一人で見に行く。
そこに、同じく映画を一人で見にきていたパトリシア・アークエット演じるコールガールの女の子と意気投合。あまり女の子ウケしない彼の趣味を彼女は興味深げに聞く。
■感想
不思議な映画。 トゥルー・ロマンス という題名からは想像もできないような話が早いスピードで展開していき、観客の方は「え?そんなことになってしまっていいの?」とあまりの血みどろさ、設定のグロテスクさに腰が引けながらも、全体を見終わると、「ああ、これはやっぱりロマンスなのかな」と思ってしまう映画。
理性をもってみていると「ダメだよ」という気持ちがガンガンに頭の中に鳴りひびくけれど、そういう類の映画を見るときの不快感とは違うというのはどうしてだろう。 主人公の二人の行動は間違ってはいても 気持ちがまっすぐさわやかだからということなのかもしれない。
「これが彼ら流のロマンスなんだ」という感じの映画でした。
見終わった後、たとえるならば。。と考えていて 「フロムダスク ティルドーン」やら、古いところでは「タクシードライバー」を思い出しました。でも、タクシードライバーとは印象がちょっと違う。映画の中でクリスチャンスレーターが 「オスカーをとるような映画はどれも皆面白くない」なんて語ります。
フロムダスク ティルドーンもそうだったのですが、展開が読めない。 普通の映画だったらこうなるはずという頭の中に浮かんだ筋がことごとく裏切られていく裏をかかれるというところもこの映画の魅力だと思います。そんな風にこの記事を書こうとおもって検索したら、 それもそのはず、脚本はタランティーノだったのですね。
監督のトニースコットは私が好きなリドリースコットの兄弟というのは初めて知りました。
配役の妙も大きいと思います。主役のクラレンスにさわやかさが感じられなければ オタッキーな気持ち悪いだけの映画になってしまうかもしれないし、パトリシア アークエットにも ダーティな雰囲気が出てしまってもダメだったと思うのですが、この二人が妙にさわやか系なところがまた絶妙なバランスだったのでしょう。
クラレンスの友達のルームメイトとして、ブラッド・ピットが出ています。なんにもしていないのに、こっちの方がずっと自堕落な感じがするのも面白いです。 映画自体としては常識をくつがえされる面白い作品だと思うのですが、やっぱり暴力やらちみどろやら、母という観点ではマイナス1点で四つ★にしました。
■原題 THE SHIPPING NEWS
■監督 ラッセ・ハルストレム
■星 ★★★
シッピング・ニュース 特別版 | |
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■説明
クオイルは父から教育を受けた頃から父にはついていけなかった。そうしてどんどん大人になっても、その経験を乗り越えることもなかったのだが、 奔放な女性ぺタルに出会い、彼女に拾われでもしたかのように人生が回り始めた。うまくいくかのようにも思えた出会いだったのだが。
■感想
何よりもびっくりしたのが、 ぺタル。ケイト・ブランシェットのイメージがまったく重ならなかったので後からキャストを見るまで気づきませんでした。 すごい存在感。
映画自体は表現しづらいです。まず、好き嫌いがものすごく分かれそうな映画です。DVDのジャケットには「優しい愛に癒される感動の名作」とあるけれど、 うーん。そうかなあ???そうかなあ??
優しい愛に癒されるという部分がどうも私にはしっくり来ませんでした。
また、クオイルの身の回りに「これでもか」というほどにはりめぐらされた不幸の糸がつらかったです。
性的な内容(さほど場面として出てくるわけではないのですが)がかなり嫌悪感を感じるようなものだったのも、私にはマイナスポイントになりました。(単なる不幸というよりも、受け入れがたいシチュエーションが多くて)また、中盤過ぎまで、運命のなすがままにあきらめてでもいるかのような彼の姿勢がまた受け入れにくかった理由のひとつかもしれません。
後半、物語の展開がみえてきてナゾがとけてきはじめてからの、彼の娘を通しての夢ともうつつとも偶然とも因縁ともつかないような不思議な展開は面白く、また、グレーを基調としたような美しい風景も心にしみます。
子どもさんと見るには向かない映画だと思います。
■監督 ウィル・オールディス スティーブン・ガンプマン
■原題 STEALING HOME
■公開年 1988年
■星 ★★★★
君がいた夏 | |
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■説明
さえない野球選手のビリー(マーク・ハーモン)のもとへ、いとこのケイティ(ジョディ・フォスター)が自殺したという母からの電話を受け取る。彼女はビリーに自分の灰を託すという遺言を残していたとのこと。 長い間あっていない従兄弟。「あなたならわかるはず」とでも言うがごとくに 託された灰。
彼はふるさとへの帰路をたどりながら彼女とのかかわりを思い出す。
■感想
妙に安いので、どんな映画かなーと。評判がよさそうだったのでダメモトで購入してみた映画です。
おもしろかったです。 淡々とした映画。青春を振り返る映画だと思います。たぶん、女性よりも男性のほうがかなりこころにひびくところがありそうです。灰をだれでもない従兄弟のビリーに託したケイティ。「なにがいいたかったのだろう」と記憶をたどり追い求めるビリー。 女性の私からみると、あまり誰にも頼らずに皆よりも大人ぶって背伸びをしながらやっていたケイティの心中はどうだったろうと。うまく、誰よりもかっこよく やっているようでも自分がいちばん不器用なところを知っていたのだろうなあなどと思いました。彼女はビリーからみると ただ、からっとかっこよく、実際はその辺の描写はほとんどありませんが。
ジョディ・フォスター。やっぱりうまいですねー。 友達のアレン(ハロルド・ライミス)のキャラクターがまたいいです。こういう人。きっとクラスに一人はいそう。
君がいた夏。。。>題名がねー。ちょっと。。。ですね。私は STEALING HOME の方が好きかなー。
■監督 ヒューズ・ブラザーズ
■原題 FROM HELL
■公開年 2002年
■星 ★★★★
アマゾンの評にすっごい長文ネタばれがあるのでー。知りたくない方はあまり読まないほうが映画が楽しめそうです。(私はネタバレあると映画の楽しみが半減するタイプなのです)
フロム・ヘル | |
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■説明
ジョニデ扮するアバーライン警部は、阿片中毒。そのせいか、事件の展開を暗示するような予知夢をよく見る。ロンドンではその頃、娼婦ばかりを残忍な手口で殺害する「切り裂きジャック」が出没し、それに手をやいていた。捜査を開始するがなぞが多く難航する。
R−15指定です。(多分、臓器などのシーンが出てくるためではないかと)。そういうものが苦手な人は避けたほうが良いかもしれません。結構気持ち悪いです。でも、私は面白い映画だったと思いました。
■感想
なにより、ラスト近くナゾが解けてからの犯人の表情が迫真ですごく怖かったです。彼の論理の歯車の狂い方がすごく怖い。外からそれがうかがい知れなかったのがすごく怖いです。
ストーリーの組み立てもとても面白かった。謎解きとして織り込まれた糸を少しずつ解いていく作業が
推理小説のように楽しめました。ああ!そういうことだったのか!と。
ジョニー・デップはいかにも。。。というはまり役。危ない感じでしたね。
若干気になったのは、娼婦が綺麗すぎたこと。普通の女の子たちが娼婦になっているということだったのだと思うのですが、それにしても娼婦が若くて美人で清潔感あふれているとなんだか現実味がないなあーという気も少ししました。 ヘザー・グラハムが綺麗でかわいかったですねー。
霧のたちこめるロンドンの雰囲気が「こんなだったかもしれないなあ」というくらいに再現されていました。狭くて薄暗い路地が多く、暗がりに霧がたちこめると、街中は怖かったでしょうね。
全体的にはたいへん面白かったです。
■監督 ロバート ゼメキス
■原題 WHAT LIES BENEATH
■公開年 2000年
■星 ★★☆ (☆はもう一回見直してみようかと思い始めたので)
ホワット・ライズ・ビニース 特別編 (初回限定生産) | |
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■説明
薔薇の咲き乱れる湖畔の家に夫と娘と3人で暮らしていたクレア(ミシェル ファイファー)は娘を寄宿舎へ送り出すことになり、なんとなくナーバスになっている。夫は有名な科学者。何不自由ない生活。気になるのは引っ越してきた隣人だ。争い声が聞こえることもあり、不審な思いを抱く。
■感想
2本で1980円パック。もう一本はジョニデのフロム・ヘル。子どもが小さいと、怖い映画はなかなか見る機会がなくなってしまうのだけれど、夏だしねえ。たまにはこういう怖そうな映画も見たくなるというもの。 という理由で購入。 今映画館で映画を見ても今回購入した2本分の値段がかかるので、ほくほく。 もうひとつの理由は、ハリソン・フォード ミシェル・ファイファーという配役。<好き好き。おまけにジャケット裏には 「ヒッチコックへのオマージュ」 監督はロバートゼメキス。なにかやってくれるのではないかという期待に満ちてみたのですが。。。
あっさり空振りしてしまい。中盤からもう犯人バレバレ。いや、動機まではさすがに予想はつきませんでしたが。(つーかそんなにくだらない動機でそこまでするんだったら ばれたときにそれなりの偏執的狂気の演技が必要かと思うのだけれど。とここまで書いて、いや、普通の人がただそれだけの動機で当然のごとくそういうことをしてしまうほうが現実は怖いのかもしれないけれどと思い直したり。)
この記事を書くまでは「早く記事かいて、DVDはブックオフ行きかな」と思っていたのですが、アマゾンの評をみると必ずしも悪くないんですね。ふーむ。
犯人もまったくわからなかったという人もいるから、私もたまたま当たっただけかもしれないし。 私の期待が先行しすぎてこんな風にがっくり来ただけで、もう一回見るともう少し良いのかもしれない。
映像自体(特に水関係)は大変美しく怪しく、不気味にとれていたと思うのですが。
もう一度見直してから 売却するかどうか考えようと思います。そういえば、購入したのに夫も見ていないから今売るのはもったいないかもしれないものね。
■監督 ローレンス・カスダン
■公開年 1989年
■星 ★★★
![]() | 偶然の旅行者 特別版 ウィリアム・ハート ローレンス・カスダン キャスリーン・ターナー おすすめ平均 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
■こんなひとにオススメ
ウィリアム・ハートが好きな人。ジーナ・デイビスが好きな人。(特にジーナデイビスの演技はとても素敵。)パートナーについて考えることがあるひと。
■説明
子どもを不意の事件でなくしてしまった夫婦。それがきっかけでぎくしゃくとしてしまう。別居することになったのだが、夫(ウィリアム・ハート)は 旅行ガイド本を書くのが仕事。そのため家を空ける必要がある。さしあたり困るのは犬の世話。
■感想
ジーナ・デイビスがアカデミー賞助演女優賞を受賞した映画とのこと。 美しく傍からみると申し分ない妻(キャスリーン・ターナー)と、自分の気持ちを大胆なまでに表現してくるジーナ・デイビス の間で悩むウィリアムハート。 ネタバレマウス反転してよんでください
当初はヘンテコなファッションの教養のなさそうな女性だった彼女、うっとおしいとまで思っていた彼女が気になり始めてからの彼の心の動きが主題のような映画です。
残念なのは、映画公開当初はあったらしいシーン(彼と妻の間がぎくしゃくしはじめたきっかけの息子の死の場面)がDVDではカットされていること。 私は公開時の映画を見ていないのですが、たぶん、その映像があっての後半の淡々と続く話にひっぱるという意味があったのだろうにと残念に思います。
彼の変わった家族というのが味があってよかったなあ。
映画全体の感想については、たぶん自分の置かれている状況によって十人十色だと思います。
私は「妻」の立場で見てしまったので、
マウス反転して読んでください
自分の好みの男性だったら既婚だったとしてもガンガンわかりやすいモーションをかけはじめるジーナデイビスみたいな人がいたらーとちょっと気分が悪いかなー。
自分のことが妻に理解してもらえてないと日々感じている男性には別の見方がありそうな気もします。 ジーナデイビス(とても好きな女優さんです)は「変な女性」になりきっていて、さすがうまい。
映画の雰囲気としては「私の中のもう一人の私」の男性版という感じもありました。
■監督 チャン・イーモウ
■公開年 2002年
■星 ★★★
■公式サイト 英雄〜HERO
![]() | 英雄 ~HERO~ スペシャルエディション ジェット・リー チャン・イーモウ トニー・レオン おすすめ平均 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
■説明
秦王のもとにやってきた男(チェン・ダオミン)は お尋ね者の3人の暗殺者を倒したということで王にお目通りを許された。 彼はその顛末を王に説明するようにと言われ、語り始める。
■感想
ワイヤーワークに期待して見た。対決のシーンは舞踊を見るかのごとく華麗。映画は色彩が美しくこういう絵をどこかで見たことがあると思ったら、よくチラシに入っている 張歩 の彩墨画だった。
映画は、王と男が対峙して説明している内容を映像として見せている。 男と王の知恵比べ(王の洞察力)がまるで時代小説でも読むようだと思いながら見た。
ラストはあまりにも。 今の時代の閉塞感とあいまって、いろいろと考えてしまう結末だった。
スケールはあまりにも大きく、映画館で見たらさぞ見ごたえがあっただろうと思う。
■原題 HOLES
■監督 アンドリュー・デイビス
■公開年 2003年
■星 ★★★★★
■公式サイト 穴HOLES
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■説明
スタンリーの家系はまったくついていない。今日も外を歩いていると突然空からスニーカーが降ってきてスタンリーにぶつかった。あれよあれよという間に靴泥棒にされてしまい、無実の罪で逮捕される。判決は有罪。
■感想
とにかく面白い! その割にはうわさ聞かなかったなあと思ったら劇場未公開なのだそうです。私がどうしてこれを見たいと思ったのか。それはほかのDVD(ホーンテッドマンション)の頭のところにあった、この映画の予告編を見たから。そうして、このペーパーバックを以前読もうとしていて挫折してしまったから。「あ! あの話だ!」と。
そうなんです。ベストセラー小説だということだけでネットで注文した本だったので、前半悪いこともしていない主人公が濡れ衣でつらい目にあっていて、それを読んでいるのがつらくてやめてしまったのです。(何が起こるのか、この本はSFなのかそれとも?ということさえ知らなかった)それに、この映画、ディズニーなんですよ。 その冒頭の部分の印象から「え?あの本、ディズニーでアリなの?」という気持ちもありました。
面白かったです。もちろんディズニーですから子どもが見ることのできる映画ですが、いつもが「付き合いで乗るメリーゴーランド」ならば、こちらはジェットコースター?いえいえ、もう少し頭で謎解きをしながらいろいろなエピソードをつなぎ合わせていかないと全体の謎解きはできません。 全部見終わった後にもう一度頭からみて検証したい衝動に駆られるそんな映画でした。
シガニー・ウィーバーがすごいですね。彼女は本当にいろいろな役にチャレンジしていて、みていて楽しかったです。我が家では息子と一緒に日本語吹き替え版で見たので、「なんですって?」というのが頭から離れなくなってしまいました。<マイブームになりそう。
文句なしに面白いです。私はよみかけのままおいていた本を、息子の夏休みが終わったらあいた時間にもう一回チャレンジしてみようかなあと思い始めました。
挫折した方の本はこちら。
![]() | Holes (Yearling Newbery) Louis Sachar おすすめ平均 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
■原題 Being There
■監督 ハル・アシュビー
■公開年 1979年
■星 ★★★★
感想を見る場合は上で。値段は下が980円
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■こんな人にオススメ
じっくりじんわりと心に残る映画を見たいと思っている人
シャリー マクレーンのファンの人
ピーターセラーズのファンの人、彼のクルーゾー警部とは別の演技を見てみたいと思う人
■説明
チャンス(Chance)は庭師だった。ところが屋敷の主人が死んでしまい、屋敷を出て行くことになる。チャンスは生まれてこの方屋敷を出たことがなかった。おまけに、彼の存在自体、記録になかった。屋敷の主人が亡くなってしまった今、彼はどういう素性のものかもわからなくなってしまった。はじめての屋敷の外。見るもの聞くものすべてが珍しいチャンス。
■感想
チャンスという日本語の題名とパッケージの裏の「チャンスは一躍時の人となるが」という説明でいつものアメリカンサクセスストーリーや 軽い映画だと思って見始めたのだが、なんとも不思議な雰囲気の映画だった。 購入当時みはじめてじっくりと見る時間がなくお蔵入りになっていたもの。
先日、花時間という雑誌の書籍紹介欄に「庭師ただそこにいるだけの人」という本があり、その名前と表紙に引かれて説明を読んでみたところこの映画にゆきついた。映画の原題は Being There. そうか。私がチャンスというイメージに振り回されていたんだな。
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楽しんでみるというよりも、心配性の私はいつか周りの人が気づいてしまうのではないかとハラハラしながら見ていたので最初のうちはかなりつらかった。
彼の言葉を比喩として理解する成功者達のよりどころのなさや、政治の世界の滑稽さも描かれているけれども、それはいままで私が見たアメリカ映画のような軽い扱いではなくふしぎにじわじわとした感覚でせまってくる。 そこにいるだけの人。あることをあるがままに言う人。人はものごとを理詰めで考えるとき、あるがままに受け入れることを忘れ勝ちになってしまうのかもしれない。
物事は、あるがままにあることをそのままに受けとめることが大事なのかもしれないと思ったりした。
ハラハラしながら見た映画だけれども、全体を通して静かな運び。見終わった後はなぜか チャンスと一緒に雪の残る林をあるき、水面を見守り、気持ちがしんと静まっていた映画でした。
主演はピーターセラーズ。 聞いた事があるとおもったら、クルーゾー警部ということ。名演技です。
■原題 A LA FOLIE...PAS DU TOUT/HE LOVES ME...HE LOVES ME NOT
■監督 レティシア コロンバニ
■星 ★★★★★
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■こんな人にオススメ
コワーイ話が好きな人。
オドレイ・トトウ(アメリの)が好きなひと。
■説明
アンジエリク(オドレイ トトゥ)は順風満帆。心臓外科医の彼に一輪の薔薇をプレゼントして帰った日に、自分の絵が賞をとったことを知らされる。 ただひとつ障害になるのは、彼には奥さんがいること。
彼は、心臓外科医。奥さんは弁護士。
■感想
私はこの筋を知りながら「おもしろい」と聞いて見たのだけれど、この映画は絶対に何もしらないで見るべきだった。 「アメリ」のときも あちこちに書かれたキャッチフレーズが見てからの映画の楽しみを半減させたような気がしたけれど、こちらもすごく残念。 そういう意味から、見る前に映画の流れを知ったらいやな人は上に貼ってあるアマゾンの評は見ないでーと言いたい(ネタバレ全開のものも多いので)
ただ、ひとつ書いておくと アマゾンの [DVD NAVIGATOR」データベースよりという記載は「本当に映画みてから書いてます?」 というちょっと筋が違うような気も。これってわざとなのかな?
このDVDのジャケットにある キュートでこわ〜いラブ・ストーリー というのがピッタリだと思う。
あー。オチを話したいけど、この辺で。 見て損をしたとは思わない映画としてよくできていると思います。 フランスで映画を作るとこんな風になるんだなあーという アメリカ映画とは違う雰囲気も好ましいと思いました。
後半妙に明るい「L-O-V-E」というナット キング コールで有名な歌(BOSSのコマーシャルに使われていたらしいです)たぶん誰もが一度は耳にしている歌がものすごく怖さをまします。これは終盤に向かってどんどん加速する怖さです。
L is for the way you look at me
O is for the only one I see
V is very, very extraordinary
E is even more than anyone that you adore can
どんな歌?という方のために Shiori音ののーと さんの
ピアノ演奏midi ページの好きな曲カテゴリーLにある L-O-V-E です。直リンクはしてませんので 上のリンクから言ってみてくださいね。
LOVEを検索していて見つけたサイト。 前田有一さんという映画評論をされている方のページです。さすがネタバレせずに、すごくスマートに紹介していらっしゃると思います。 超映画批評
以下追記ですフォントの色を変えていますのでマウスで反転してご覧下さい====
以下追記はフォントの色を変えています。筋なんてわかっても構わないと思われる方はどうぞ
誰がどうこわいのかも知らない方が絶対面白いと思うので、文字を隠します。ちょっとだけネタバレです。
すごく残念だったのは、筋を知っていたので前半の楽しい恋の日々に何が起こったのかわかってしまったから、それで映画の楽しみ半減。(映画のコメントって難しい。これから見る人のための楽しみを十分のこしつつ、こういう映画の魅力を語るというのは至難の業だということですね)
しかし、この映画、じわじわ怖い。こんなことに自分が巻き込まれたらどうしよう。という本当に怖いです。 オドレイ トトゥの 大人だかこどもだかわからないあの表情がまず怖い。ああ、この人だったらあるかも。。。という気さえしてきます。後半のひっつめ髪にしたときの表情。 くるくる動く黒目がちの目がぼんやりと焦点を失うと、年齢も何歳だかわからないほど老けてしまいすごい。
危険な情事や、羊達の沈黙、ミザリー ふと思い出しました。 でもこれらの怖さとちょっと違う、「これでもか」というくらい直接的な怖さがこの3つだったら じわじわとした怖さがこの映画。
前半と後半のつなぎ、ハリウッドでつくらなくて、フランスでつくると こんなになるんだなあという。
できれば、 「この映画、おもしろいよ」とだけすすめられたらきっと すごく面白かったと思う。あー詳細知ってから見たのが残念だー。
■原題 Mary Reilly
■監督 Stephen Frears スティーブン・フリアーズ
■製作年 1995年
■星 ★★★★
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■みどころ
ジュリアロバーツの おどおどした演技。溌剌としてニカーと笑うだけの女優さんでないという実力を感じました。ジョン・マルコビッチのジキルとハイド二役の変貌。CGまかせではない正統派の演技。こちらも素晴らしい。
映像の美しさ。
■説明
あまりにも有名なジキル博士とハイド氏。薬の力によってジキルと正反対のハイドという人格が発生して。。。という話が、今回はジュリアロバーツというお手伝いを通した目で語られます。
■感想
日の当たらない、霧ばかりの暗いイギリス。映画では全編を通して日があたることがありません。その陰鬱な雰囲気がとてもよく話にマッチして、一気に見るものを ジキル&ハイドの世界に連れていきます。
キラキラと明るいイメージが先行するジュリアロバーツですが、ここでは怯えたお手伝いを好演しています。決して小柄ではない体を猫背気味に小さく縮め、おどおどとした振る舞いがうまい。いつものジュリアよりもずっと地味で「美人」という雰囲気はまったくない彼女です。それがまたうまいと思います。(ジュリアファンには不評かも)
対する、ジョン・マルコビッチのジキル博士・ハイド氏もうまい。 神経質で自分を押さえがちなジキル博士と何をしでかすかわからないハイド氏を見事に演じ分けています。
しいて言うなら、ネタバレマウスで反転して読んでください最後のCGは蛇足という感もあり。映画では見飽きた変身シーンに目新しさを求めたのでしょうが、私は違和感を覚えました。
全体的には、多分、これは身分違いの恋がテーマだったのではないかと思うのですが、どうでしょう。
邦題では「ジキル&ハイド」ですが、原題はMary Reilly 。あくまでもジュリア演じるお手伝いの話だと思います。
お手伝いとして雇っている娘が気になるジキル。しかし、年齢差や身分差、世間の常識が気になって言い出せない。ハイドはそれを嘲笑するように彼の欲望をそのままに出して自由奔放に行動する。
ジキル博士の家がまた見所。広く素晴らしいインテリア。
映像も暗い中に回り階段を上から取った図など美しいシーンが多いです。実験室からの裏に作った釣り橋が不安定で、実際にはありえないとは思いますが、これがまた現代芸術を見るようで美しいと思います。ゆらゆらとゆれる不安定な橋は見ている人を不安にするそういう要素を盛り込みたかったのかもしれないと思いました。
母が亡くなったと連絡を受け、貯めたお金で葬式を出してやりたいと出かけるジュリアですが、母の身に残ったお金は1シリング。「一生働いて1シリング」という言葉はジキル博士の優雅な生活ぶりと対比して身分差別の激しいイギリスを感じさせる言葉でした。 召使達相互でもランクがあり、ジュリアは一番の下働きだということがわかるシーンも沢山ありました。
「ジキル博士とハイド氏の不気味なこわささを求める人」「ジュリアロバーツのかわいらしさを求める人」には評判があまりよくないかもしれないと思いながらみました。映像はグロいものもありましたが、そんなにはこわくありません。ジュリアも驚くほど地味です。
グレン・クローズは、期待通りの役柄で出てきています。
■原題 Killing Me Softly
■監督 チェン・カイコー
■星 ★
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■説明
ロンドン。恋人と二人で暮らしているアリス(ヘザー・グラハム)は、出勤途中に押しボタン式信号を偶然一緒に押してしまった男(ジョセフ・ファインズ)が気になってしまう。
■感想
先日、録画してあったのを発見して「そういえば、聞いた様な名前の映画だな」と録画予約していたような記憶がよみがえった。 覚えていたのは、覇王別姫と同じ監督だったからか?。
しかし、みた後に、覇王別姫とは全くイメージが違う映画にビックリ。
と、いうか、私はあまり好みではない映画だった。ヘザー・グラハムは青い目が大きくて、ちょっと老けたら怖そうだけど、少女漫画みたいな顔立ち。どことなくさびしそうな笑い顔は、熱烈なファンがつきそうな感じ。役どころは「できる女」なんだけど、どうも「できる女」っぽくない。これは、彼女のファッションや髪型やら、そういうものも関係あるだろうけれど、雰囲気が自信なさげなところもそういう雰囲気をかもしだしているように思う。 いや、できる女にはおとなしい人もいるけれども、そういう人には強い意志の力とかそういうものを感じるような気がするんですよね。本当は。
以下内容をそのまま説明しますので、色を変えて
だいたい、「今大好きな彼」と自分が説明している男性と住んでいる、会社でもある程度の役職についている女性が、たまたま押しボタン式信号で手がふれあい、目を見交わした相手(みるからにアヤシイ男)を追いかけ、男が誘うままに名前も聞かないまま勧められるままにタクシーにのり、あれよ、あれよという間に彼の家(後ほど家でなかったことがわかるのだが)につれて行かれ、そこで 「あらら、そんなことになってしまう?」という展開は、知らずにみただけに「ハァ?」でした。
ストーリー展開に説得力がないんです。 いや、説得力は要らないそういうR-15系の映画だといわれればそれまでですが。
だいたい、最後の落ちはストーリー展開に重要な人物(これは伏せておきます)が出てきた時点でもうわかってしまって、ああ、そうだろうね。そういうことだろうね。と想像がついてしまったし。
それにねー。信じてもらえなかったからといってそれっきりってなんだそりゃ?(だれがとは詳しくは書きませんが)あなたは、そうでなくても行動が充分あやしかったんだから、普通の人だったら信じられないよ。
ま、ヘザーグラハムも ジョセフファインズも自業自得ですな。と、思ってしまったり。<冷たい?
覇王別姫は泣いたおぼえがあるんですが、この映画はぜんぜん泣けませんでしたよ。
みんなのレビュー(ネタバレあります注意ね)
で、ああ、本当にそうだねえ。と、思ったのは、(色変えます)
勝手にコメントしてごめんなさいですが、
先が読めるストーリーに拍車を掛けて、SMチックなHが強烈な印象だったので、私としてはあまり人にお奨めできるものではありません
はい。私もそう思います。↑
ヘザー・グラハムと女性の願望みたいなものの捉え方にこの点数かな
うーん。監督はそうおもっていたのかもしれませんねーでも、世の女性がこんな願望を皆もっているとおもう人は、はっきりいって大きな勘違いだと。。。 こういうのがあるから、痴漢っていう勘違い男が世からなくならないんだなあ。たぶん。↑
ヘザー…すごい脱ぎっぷり…。ちょっとびっくり
ポルノだと思ってみれば、超デキいいです。それなら8点くらいあげられるかもしれない。ふつうの映画としてみれば4点くらいか
それでいいのかチェン・カイコーって感じでしょうか?折角シーン毎の映像が綺麗なのにどこでもかんでもエッチさせてしまうバカップルにゲンナリでした。「エーゲ海に捧ぐ」かと思いましたよ。特に愛する人を雪の中待ちつづけるヘザーに待ちわびた彼が登場した途端濃厚なキスが始まり、玄関先で乳揉みしだかれて、あらあら...真犯人がどうとか言う問題ではなく既にヘンタイ丸出しの彼に疑問。首を締められてよがるわ、縛られてもドキドキしてるわで勝手にするのは良いけどもうちょっと考えようよ。愛は盲目とでも言いたいんでしょうか?ま、この作品のオープニングで雪山を背景にあえぐ二人がかぶさっている時点でイヤーな予感はしてたんですけどね。泥棒をボッコボコにぶっ倒すジョセフをまざまざと見せつけた後にプロポーズするとヘザーはあっさりOK。どんな神経しとんねん!ヘザー・グラハム、アンタほんと作品選ぼうよ。彼女の脱ぎップリの良さと美乳のみの点数です。(それでも3点ある!!
ジョセフ・ファインズ 、前に私が見た他の映画のイメージとまったく違う、「何考えているかわからない男」を違和感なくその通り演じきったところは、彼の役者の力量っていうところでしょうか。 今回の役どころは、私だったら絶対係わり合いになりたくないタイプだなー。
■監督 高畑 勲
■原作 野坂昭如
■星 ☆☆☆☆
■説明
空襲で突然母を失ってしまった兄と妹。おばの家に厄介になるが、おばにつらくあたられることも多い毎日。二人で暮らすことを決断する兄。しかし。。。
■感想
今回は大幅ネタバレなので 大幅に隠しています。(日記からの転載です)マウスで反転させてください。
以前見たときには悲しくてつらい印象が強かったのですが、今回は年のせいで理屈っぽくなっているのか、それとも戦争のことを知らないせいか「なんで?」と思うことが多かったです。
この映画を見るときに、私は兄に感情移入をしてしまいます。「自分も幼い子どもであるということを自覚しながらも、もっと幼い妹をどうにかしてまもらなければいけない」という自分の身にあまる責任を感じながらも妹のために頑張り、結局その妹を自分の力不足から失っていってしまうという悲しさがやりきれないのですが、今回はそのやりきれなさを感じ、涙をこらえられないなかにも、納得できない思いが沸き起こってきました。
主人公のお兄ちゃん。年齢的には小学校高学年か、中学生くらいだと思います。その子がどうして全く大人を手伝わなかったのだろう。おいてもらっている家の手伝いをしないこともあり 嫌味や小言をいわれたのではないだろうか。 自炊できるくらいのことができるのだったら おばさんの家事を手伝うべきだったのではないだろうか。
妹と二人住むようになってから 火事場泥棒をすることを選ぶ前にどうして何か働こうとしなかったのだろうか。 二人で防空壕の中で住むことができるくらいだったら、子どもでも何かできるはず。また、映画の中でもおばさんの家においてもらったほうが良いと助言があったように、嫌味を言われても、おばさんの家に戻れば配給もあり、あれほどの栄養失調で妹を亡くすこともなかったろうに。(母の着物と交換した米をおばさんに搾取されることはたしかに、おばさんソリャナイゼ!とおもったけれども) 「あやまりもしないんだよ」とおばさんが言っていたように、たとえば食器を出しっぱなしで洗ってもらったときにありがとう、ごめんなさいと言って、次回から自分であらったりおばさんを手伝っていれば多少は違ったろうに。(おばさんからすると米は迷惑料だと思っていたと思われる) また、いとこのお姉さんが「おかあさん、またきついこと言うたんやないん?」と言っていたから、そのまま家にいてもまったくの四面楚歌ということはなかったろうになあなどと思ったのでした。
一番気になったのは、子どもたちの悲惨な運命が戦争のせいだというよりも、「いじわるな叔母のしうちのせい」と理解されてしまうことがあるのではないか。 叔母は叔母で、たぶん’其の当時の正論’をしゃべっていたはずだと思うのでした。
理解力に欠ける小さな子どもが戦争をしらずにこの映画を見たときに、戦争の悲惨さを感じるよりも ’叔母にいじわるされた孤児の悲しいものがたり’と理解することはないのだろうか?と一抹の不安を感じたりしました。
それにしても、皆自分が生きるのに精一杯だったとしてもそんなに生きるか死ぬかの子どもにそんなに冷たい世の中だったのだろういか? こう思うこと自体が 戦争を知らない私の現実感のない平和ボケなんだろうか?とも思いました。
映画自体は、妹があまりにも良い子でかわいくて、また海辺などで兄と妹のたのしく無邪気に戯れるさまが、あまりにも美しいだけに話の悲惨さが際立ってやりきれません。高畑さん、うまいなあと思います。
戦争を知らない息子のためにと思って買ったDVDですが、結局は私自身もほとんど戦争を知らないことにあらためて気づきました。今、戦争を知っているはずの世代の政治家達はどんどんと戦争向きの行動をとっているかのように見えるわけだけれども、あの人たちから見た戦争はどんなものだったのだろうか。
あの人たちは戦争の中でも恵まれた環境であったために本当の悲惨さを経験してない人たちなのだろうかと思ったりもしました。
■追記
原作の野坂昭如の本を検索してみたら、レビューに
実際に妹さんを栄養失調で亡くしたのも本当らしいです。
映画のパンフで彼は「映画程実際妹に対して優しく接していなかった」という言葉が印象的でした。
とありました。
やっぱり私が上で書いたように、おばさんの家においてもらっていれば、妹を栄養失調でなくすこともなかったろうにというのは、戦争を知らない大甘なコメントかもしれません。
たぶん、おなかのすいた妹は映画のようにいつも天使のように良い子ではなく、かんしゃくを起こすことも多かったとおもいますし、(子どもはおなかがすいたり眠かったりするとぐずぐずと、機嫌がわるくなります)そういう妹に対して兄はいつもいつも優しく接してないということも確かでしょう。 本は未読でしたが、読んでみようと思います。
■さらに追記
今ふと思ったのですが、今回違う感想を抱いたのは、私が家庭を持っているからかもしれません。責任のない時代には、自分が気ままに食べていけばよかったわけですが、家族をもち、家族のために家事をするという経験から おばの気持ちや、周りの大人の対応のわけも少しはわかるようになってきているからかもしれないと思いました。 (子どもに説明のないまま、コメを着服したり、嫌味を言ったりするのは典型的な’継母’の姿で、肯定はしませんが、そういいたくなる気持ちも多少は理解できるというか)
■原題 Le Fabuleux destin d'Amelie poulain
■監督 ジャン=ピエール・ジュネ
■星 ☆☆☆
アメリ【期間限定スペシャル...Le Fabuleux Destin d'Amelie Poulain
■説明
「見ただけで幸せになる映画」といううわさが流れ、ブームになった映画。
空想好きで内気な少女アメリの 恋の物語と書けば簡単だけれども、実はなんだか不思議な世界。
メルヘンかというと、なんだか猥雑な毒もちょっとだけある。 「見ただけで幸せになる映画」なんてきかないで見ていた方が絶対面白かったと思う。(これから見る人はこのうたい文句は忘れて見るのをオススメ) フランス語はまったく分からないのだが、 原題は「アメリ・プーランの素晴らしい運命」という題だということだった。フランス語の和訳はそうだけど、fabuleux を辞書で引くと、「想像を絶する」とか「途方もない」という単語になるので、「素晴らしい運命」でもあり、かつ 「途方もない運命」っていう題のイメージなんじゃないでしょうか。 どちらかというと 「素晴らしい」というよりはそっちのほうがしっくりくるような気もします。
■感想
レンタルで見て、おまけに見ないうちに返却期限を迎えてしまったので 急ぎ足で見たけれども、途中寝てしまい(不覚なり)見直すまもなく返却という。 今日コレを書くためにアマゾンを検索したら、期間限定廉価版2500円が出たんですね。 う〜ん。どうしようかな。
この映画自体がなんとなく現実のようで、現実味のないようで、空想の産物のような雰囲気をかもしだしています。時代も現代のようでもあり、ちょっと昔のようでもあり。 子どもと家のことでこんなに忙しくなる前、まだ独身時代のいろいろと空想をめぐらすことも多いような時代にこの映画を見ていたらもっと楽しめたのではないかなと思いました。
内容は 変わった生い立ちのアメリがひょんなことからおもいついて、人を少しだけ楽にさせるウイットの効いたちょっとおかしなイタズラをするという筋です。
イタズラの内容を楽しむもヨシ、アメリの不思議な運命をドキドキ一緒に見守るもよし。
随所にちょっと悪趣味なものがちりばめてあったりもするのですが、それはそれで、その空想の恋のゆくえをたどるだけでは単なる大甘のメルヘンになってしまうところを メルヘンでなくすという重要な意味を含んでいるのかもしれません。
私はアメリのイタズラも面白かったけれど、ラストシーンがとても好きでした。ある映画を思い出したけど、それは これから見る人のためにナイショにしておきます。
■原題 INTERIORS
■監督 ウッディ・アレン
■公開年 1978年
■星 ★★★★
インテリアInteriors
■説明
薄暗くてまったく生活感のない、人の住んでいる気配のしない家の映像からはじまる。外は砂浜。海辺にたった邸宅のようだが、海も暗く、波があらい。
女性がひとり。もうひとり。そうして年配の男性...。
■感想
ウッディアレンの監督映画だったからか名前が頭に残っていた映画。
印象的なのは、インテリアデザイナーの神経質な母のしつらえた部屋のあまりにも生活感のなさ。
きれいにととのっているけれども、人が住んでいるという現実味がない。 まるで、マンションのモデルルームのよう。 そういう違和感のある家に どこかからもってきたかのように、そう、まるでモデルルームに行ってみたら、そこに生活している人がいて、突然バスローブで出てきたかのような 違和感を感じる。
もちろん、普通の映画をとるときに、その部屋では人が生活しているわけではないのだけれども、いかにもそこに人が生活しているかのような心地よい遊びというか乱れをどの場面でもきちんと作りこんでいるということなんだなあと改めて思った。
才能豊かな母は自分の気に入るインテリアをずっと追い求め、娘夫婦にも自分の趣味をおしつけようとしたりする。いや、押し付けるというよりも、彼女からみると、それが疑いようも無く正しく、正しいはずのそれを受け入れない娘夫婦を、理解できないというような感じだ。
母の真ん中わけでぴっちりと整った髪や、素材や色、形にこだわった服装にまで性格が表れている。 そういう母に息苦しくなってしまった父が新しい母を連れてくる。
まったく母とは正反対。明るく、陽気で人懐っこく、そうして、多少いい加減でだらしない雰囲気をかもしだしている。
テーマは 家族同士の不協和音だろう。それぞれ、こだわってないようでありながら、母をうっとおしいと思いながら、傍からみると神経質でこだわりすぎの母と娘たちは皆通じるものがある。そうして、それが周囲と小さな不協和音をかもし出している。
interiorというのは「室内装飾」的な建物の中身的意味あいと、「内心」とか「本性」とか人間の中身的な意味合いを持つ単語のようで、たぶん、双方を意味した題名なのだなあと思った。
■原題 たそがれ清兵衛
■監督 山田洋次
■星 ☆☆☆
たそがれ清兵衛
■説明
娘(岸恵子)の声で、父清兵衛(真田広之)について語られる。
妻を結核でなくし、娘2人と 惚けてきた母を養うために たそがれ時に飲みの誘いも断って家にまっすぐ帰る父。 同僚は「たそがれさんは」と茶化すのだった。そんな単調な毎日が変わったきっかけが、友達の妹で幼馴染の宮沢りえが嫁ぎ先から戻ってきたこと。
■感想
藤沢周平の本は、あまり読んだことがない。サービス精神旺盛な池波正太郎の剣客商売を読んだあとだったので、静かで淡々とした語りが印象的だった。
この映画を見たときに、その静けさがうまく表現されていると思った。
宮沢りえ(綺麗ですね)が出てくるまでの押さえた光りと色。 効果的に使われている鶏の声。コッコと聞こえてくることで静けさが引き立つ。 淡々と進む物語も彼の本の雰囲気とあっていると思った。
ところが、検索してみると、本の「たそがれ清兵衛」とは別物と考えたほうが良いとのこと。
たしかに原作欄にそれ以外に2つくらい題名が書いてあったからシナリオはあらたに書き直したのだろう。
早速読んでみたが、本の清兵衛さんには娘も惚けた母もいない。 仲むつまじい夫婦の物語だった。
宮沢りえ。この映画で賞をとったので見たかったのだが、うまくなりましたね。
彼女の舞台も映画もみたことがあるのですが、素っ頓狂でなってないと思った昔からずいぶん女優として腕をあげたと思いました。決して順風満帆ばかりではないときもあったわけですが、彼女の前向きな努力が実を結んでいると思います。
真田広之。舞台や映画での剣使いは もうベテランですね。安心してみていられます。
配役の妙だったと思います。
さて、この映画。ニセオヤジの私から見ても、中年以降のまじめなおじさんたちがぐっとくるような映画だなあという感想を持ったのですが。ネタバレになるので 続きを読むからご覧下さい。
一応色も変えておきます。これを読んだだけで、映画の内容全体にかかわることがかいてあるような大幅なネタバレですから、これから映画を見ようと思う方は読まないほうが良いと思います。
宮沢りえの役柄は原作では出てこない。この映画ではじめて出てきた存在です。子どもの頃の淡い恋心を告白されます。妻は亡くなっている。相手は夫と別れたばかり。結婚というのには何の障害もないわけです。 相手は出戻りといっても、まだ輝くばかりに美しいし、優しく、聡明な女性です。子ども達もなついています。母も彼女とうまくやっていけそうです。
しかし、貧乏な侍の家の生活の苦しさは体験させられない。オレの禄では食わせられない。苦労をさせるのが目に見えている。 大切に考えているからこそ断ってしまう。苦しい思いをさせたくない。
勤め先は役所。皆には情けないやつだと思われているし、それで良いと思っている。
今は娘達の成長をみるのが楽しみだ。 しかし、そういう彼に 命令が下るわけです。
有無を言わさず 「ヤレ」です。断ろうとしたのに、断れないのです。
この辺がサラリーマンの悲哀に重なるわけで、きっとコレを見ていたお父さんたちは、そうなんだよなあとぐっと来ると思います。
初恋の人からの告白。そうして、それからどうなるのか。 この後も オヤジの心を鷲づかみにするような 話が続くわけです。
ロマンチストなおじさんの心をつかむだろうなあ。とニセオヤジながらも思った映画でした。
検索すると「何回も見て妻に呆れられている」という人がいましたが、う〜ん。 それはロマンチストすぎ。奥さんが気の毒です。 そういう方はぜひ、原作の 「たそがれ清兵衛」を読んでください。
多分奥様はこちらの方が好きだと思います。
オヤジの心を鷲づかみといっても、これにはきわどいシーンはありません。そういうのがない、「精神的なもの」だからこそ、おじさんのための御伽噺が際立っているような気もします。
■原題 Braveheart
■監督 メル・ギブソン
■製作年 1995年
■星 ★★★★
ブレイブハートBRAVEHEART
■説明
13世紀のスコットランドは イングランド王エドワード1世 (パトリック・マッグーハン)の支配下にあり、民衆は残虐な侵略に悩まされていた。 戦うために出て行った父と兄が殺され、孤児になってしまうウイリアム・ウォレス(メル・ギブソン)の 自由を勝ち取るための戦いの物語。
■感想
メル・ギブソンは なぜか 「何をしでかすかわからない人」というイメージがはまり役で、誠実とか愛とかを演じるよりもそちらの方がやっぱり似合うようだと思ってしまう。(マッドマックスというのは見たことがあるはずなのに、いまひとつ記憶に残ってないけれど)。
この映画は、彼が監督兼主役ということ。 いまひとつ乗り気ではなかったのだが、期間限定で妙に安いのと、アカデミー賞5部門受賞し、作品賞・監督賞をとっているというところで「ま、買ってみるか。」と。
イザベル王女役のソフィー・マルソー もみたかったし。
(後からアマゾンのほうがもっと安かったことを知り、失敗した〜〜〜!!。)
最初の印象は、役者がうまいなあというところ。子役がすごく良いのだけれど、後から特典の解説で、新人で学芸会程度しか演技経験がない子だったとのこと。ビックリ。
それ以外にも、印象的な役どころいたるところを オーディションで決めているということに驚いた。
相手役のミューロン(キャサリーン・マッコーマック)。 これがまた、安定した知的な印象の飾らない美人で、魅力的な人。彼女や顔に傷のある男もオーディションだったとのこと。
全体の印象としては、ジジイが強い。なんでそんなに強いんだ。(^^;)「裏取引」「裏切り」「自分ひとりが良ければ」というものにがんじがらめだけれども、なにも持たないたった一人の男が信念をもってそれに立ち向かい、人々の心を動かし支持を受けるというような感じ。
それにしても、やなジジイが多い。エドワード一世。はまり役というかあの細い鼻(つけ鼻だということ)でしゃあしゃあと汚いことを考えているさまをきっちり演じていた。見た目80歳くらいなのに20歳くらいの息子が彼に腕力でかなわないなんて、スーパージジイだ。
もうひとりやなジジイは、息子をスコットランド王にしようともくろんでいる、イアン・バネン。誠実に生きようとする息子を毎回表から裏から邪魔をしようとする。
以下多少ネタバレ
メルギブソンが一番、生き生きしていたように見えたのが、復讐に燃えわけのわからない奇襲をかけてむちゃくちゃにしてしまう場面。やっぱりこういう多少 キレる役がはまり役なのだなあ。彼。日本人の私からみると彼の目と目の間が狭い青い目が何を考えているのかちょっとわからない感じがするもんなあ。
ソフィーマルソー。綺麗ですねー。何歳なんだろう。としらべてみたら当時30歳くらいみたい。
メル・ギブソン。少し年齢的に無理があるかなあ〜と当初見ていたのですが、かなり楽しめました。
私が会社員のころだったら、もっと心に響くものがあったかもしれないなあと思いました。
会社という場は やはり 自分ひとりの力ではどうしようもない権力とかいろいろな思惑が渦巻いていてそれに対抗していくのはいつしかムダなのではないかと思えてきて疲弊してくるものです。たとえば、裏切りや我田引水的な行動もよくあることです。そういう思いが胸に渦巻いているとき、この映画をみたら、彼のくじけない強さ、裏切られてもそれでも信念を曲げない強さ、そういうものに感じるところが大きいのではないかと思いました。
全体をみても映像も綺麗だし、楽しめる映画だと思います。
スコットランドの歴史でこんなページにヒットしました。
http://www.holyrood.org.uk/nihongo/history.html
■原題 HEART BURN
■監督 マイク・ニコルズ
■公開年 1986年
■星 ★★
DVDは今日現在でていないみたいです。
■説明
メリル・ストリープは結婚式に出席しようと教会に訪れたところでジャック・ニコルソン と一目ぼれ。
結局結婚することになる。しかし、メリルストリープも ジャックニコルソンも再婚同士。
うまくいくかどうか、心配になってくるメリルストリープ。
「大統領の陰謀」の著者カール・バーンスタイン記者と、原作者ノーラエフロン(女性監督&脚本家)の実話が基になっているとネット検索して「へえ〜」と思ったのだが、映画を最後まで見たら、コメンテーターがこの話をしていた。(^^)ゞ あらら。
■感想
メリルストリープ、ジャックニコルソンといえば演技派の大物。
中年の男女の再婚物語なんて。と思いながら見ていてもやっぱりうまい。メリルストリープの幸せそうな顔、不幸せそうな顔。不安げな顔。何気ない日常をなにげなく演じることができる彼女はやはりすごいなあとおもいつつ。
ジャックニコルソン。なにをやっても悪そうにしか見えない。 彼をみて一目ぼれしちゃったというメリルストリープ。「ありえな〜い」と思ってしまったせいか、どうも話にはいりこめなかった。
淡々と、結婚生活と友人達との付き合いが出てきて、テレビのコメンテータ曰く「アメリカの中流インテリの生活がよくわかるでしょう」とのこと。
しかし、メリルストリープの綺麗な時のファッションは良く似合っている。ウエディングドレス。色はオフホワイトでアンティークな雰囲気のするすとんとした繊細なレースのついたもので、ごてごてしていない。
短い髪にマダガスカルジャスミンのような形の花をぽつぽつと散らして、小さめのブーケ。綺麗。
パーティによく二人で出かけていくときの服装も、彼女に良く似合っている。(全身オフホワイトというのが多かったなあ) 幸せなときはとても綺麗。不幸せなときはとても疲れたおばさん。という二つをみごとに演じ分けている彼女はさすがに演技派だなあと思った。
以下強烈ネタバレ
たしかに、実話といわれてやっと「あ、そうなのね」と映画の内容も納得がいったという次第。
それまでは、何が言いたいんだろう。何が起こるんだろう。とチョット消化不良な感じが否めない。
ある意味、いい年した中年が日常生活で意外と子どもっぽいことをやっているというようなこともあったり(でもそれは結構普通なことだと思うし)淡々と書いてあるということなのかもしれないけれど。
最後まで見て、ああ、そうだったのか。と思った。
後半何回も出てくる 「インシー ウィンシー スパイダー(Incy Wincy Spider)」という有名な子どもの歌がエンドタイトルまで引っ張っていかれる。(少しだけ 静かな湖畔の森の陰から.. というカッコーの歌に節が似ている歌)
日本で言う「シャボン玉とばそ。屋根までとばそ」のような意味だ。
そう。失敗しても、また頑張りたい。あきらめないと思っているのよね。そういいたかったのよね。
と思ったのだった。
■原題 I am Sam
■監督 ジェシー・ネルソン
■製作年 2001年
■星 ☆☆☆☆
I am Sam : アイ・アム・サムI am Sam
■説明
サムは父親。6歳の娘と二人暮しである。母親は、出産の退院と同時に子供を置いて逃げ出した。
サムの職業は スターバックス(スタバですね)の店員。まだコーヒーなどは作らせてもらえない。
彼は以前受けたテストで 7歳程度の知能しかないと言われている。
■感想
難しいテーマでした。
サムをやっているのは ショーン・ペン 「俺達は天使じゃない」 でデニーロと一緒に気弱な役をやったのを思い出します。彼の演技がものすごくうまい。
演技でここまでやりきるというのが凄いです。
娘はダコタ・ファニング。ERに出演している子役のようですが、彼女もまたうまい。
大きな澄みきった目はすべてをさとっているようで、天才子役という感じでした。
弁護士に ミシェル・ファイファー。私が大好きなロシアハウスとは全然別のアメリカ的な弁護士役(といってもほんもののアメリカの弁護士はみたことないのですが)をきっちりこなしていたと思います。
随所で泣いてしまったのですが、ただ「感動した」だけでは済まされない釈然としない思いが残った映画でした。
以下映画の筋とは少しはなれるかもしれない釈然としない思いのネタバレ
たとえば、
社会的な面では
本当にアメリカでは、知的障害者を裁判にあのように立たせるのか。
自分の気持ちをうまく言葉で表現できない可能性のある人の証言を証拠に裁定を下すことが日常行われているのか。とか。(フェアをうたっている国なのにぜんぜんフェアじゃない)
なぜ、裁判という場では 当の本人である 親であるサムと子であるルーシーの気持ちというのは重きをおかれないのか。
なぜ、養父母に全面委任という形が提案されるのか。
アメリカの裁判の実態って本当にこうなのだろうか?。
私は、まず、今現在の ルーシーとサムの気持ちはもっと重視するべきだと思う。
それとともに、現実に目を向けるとやはり将来のことに対して備える必要がある。
学業の問題、収入の問題、反抗期の問題、性の問題。
そういう問題について、不安で納得いかない気持ちを抱えたまま、この映画で ヨカッタヨカッタ。Love is all you needなんてとても思えないのでした。
それにしても、繰り返しになるが、なんで、本人の気持ちを無視して、ものをポンと他の人に渡すように第三者が子供を養父母に育てさせると決めて、親には会わせないなんていうことになっちゃうのか??
そういう扱いする人を裁判に立たせて証言させて質問攻めにするっていうのは?
これって、本当にありうる問題なの??と、いまひとつわからない。
つい、子を持っていると 「映画だから」ということでなくて現実の問題としてとらえてしまいがち。
(映画だってば。。っていう声がきこえてきそうです)
■原題 SINGLE WHITE FEMALE
■製作年 1992年
■監督 バーベット・シュローダー
■星 ☆☆☆☆
ルーム・メイトSINGLE WHITE FEMALE
■説明
ブリジット フォンダは、恋人と別れた一人暮らし。最初は軽い気持ちからルームメイトを募集する。
見つかったルームメイトはジェニファー・ジェイソン・リー 多少ダサメのおとなしそうな女の子。最初は同居もうまく行くと思っていたのだが、彼女が恋人とうまくいきはじめるにつれて、ルームメイトの様子が変わってくる。髪型・服装。。。と彼女はブリジットフォンダとだんだんそっくりになっていく。
■感想
見直してないので記憶で書いてます。
かなりネタばれていると思います。以下ネタバレが気になる方は読まないで下さいね。
ルームメイトってとても危険!恐ろしい。よく知ったもの同士だったらまだしも、初対面で一緒に住んでしまうなんて。と思った映画でした。
特に自分がイイナと思った人を真似てしまう人。女の子にはよくいるものです。
たとえば、アイドルそっくりの服装をし、化粧をする女の子はどこにでもいるでしょう。
そうでなくても、気になった人の口ぶり、表情、服装、いろいろなものを真似してしまう。
でも、それが常軌を逸していたら、本当に自分そっくりになっていったら、そのうちに自分とはなんなのだろうと恐ろしくなってくる。
書いていてその怖さをもう1回体験したくなってきました。レンタルして見直してみることがあったらまた書きますね。 う〜〜。ぶるぶる。。
■原題 GHOST
■監督 ジェリー・ザッカー
■公開年 1990年
■星 ☆☆☆☆
ゴースト/ニューヨークの幻GHOST
■説明
本当は、GHOST (オバケ) という題名と デミムーアが出る という情報だけ聞いて見てほしい映画。どうしても筋が知りたい方はしたの感想へ
デミ・ムーアとパトリック・スウェイジの恋人同士 盛りだくさん奇想天外で面白い&大抵の人は泣けちゃうんじゃないかというオススメ映画。
■感想
実は私はデミ・ムーアは好みではない。ボーイッシュすぎるし、首から下がごつすぎて(=顔が小さすぎるってこと?)どうも好きでないために、そんなに人気になるなんて?という感想でした。
見たときに、泣くのは泣いたけど、ま・ね。こんなものか。と 世で言われている以上の目で映画は見ていなかったのです。
今回 見直してみて、ああ、やっぱり先日書いた 夢の降る街とはちょっと違うなあ。ゴーストを見てから同じものを期待して夢の降る街を見ちゃったらそりゃ怒るだろうなあと思ったのでした。
どんな話か ちょっとネタバレ(筋など)マウス反転させて読んでください。
これを読んじゃうと、多分監督だかなんだかオープニングの心遣いが半減するような気がして..。
オープニングは、GHOST? 。。。この映画 オバケって何?ホラーなの?なんなの?という観客を期待させるようなオープニングです。 いかにもオバケが出そうな暗い部屋から始まります。こころなしか音楽も どういう映画なの?と想像を掻き立てるかのよう。
そうして、オープニングタイトルが出る頃に、主役達が登場。いさましいぶち壊しスタイルです。
そう。ここは デミ・ムーアとパトリック・スウェイジが今度新居として移り住んだアパートの 大々的改装中の一こま。
人気があったということと、筋を知っていて、皆が感動したことを知っていて見た映画だったからこそ
私の印象が薄かったのかもしれないと思いました。
前見たときに気づかなかったこの映画のおもしろさ これも反転してください
なんといっても、この映画、盛りだくさんなのです。 恋愛もの?オカルトもの?コメディ?サスペンス?道徳的なもの?すべて要素が入っています。
大筋は デミ・ムーアとパトリック・スウェイジの二人の愛が基盤にあるのですが、ウーピー・ゴールドバーグ の霊媒師あり、パトリックがまきこまれた疑惑あり、最後に謎解き、そうしてスリル・サスペンス
これでもかというほど盛り込んで、うまくまとまっている。
善人と悪人の死に方が違うって言うのは結構ウケマシタ。このシーンは子供向けかな。
問題になるほどのシーンは出てませんが、一応問題すれすれくらいの二人のシーンがありますのでご家庭によって、家族で見てOK 家族で見てNGという評価は分かれそう。
評価がそこそこだったのは、やっぱり黒髪黒眉毛短髪で少年のようなデミ・ムーアが私の好みでなかったからなんだなあと再確認しました。(デミ・ムーアファンの方ごめん!)
それに、泣ける恋愛映画という先入観が問題だったんだなあ。
改めて面白い映画です。
■原題 Mystic Pizza
■公開年 1988年
■監督 ドナルド・ペトリ
■星 ★★★★
ミスティックピザMYSTIC PIZZA
■説明
田舎の漁村にあるピザ屋、ミスティックピザは おかみさんとそのご亭主がピザを作り、3人のバイトを雇っている。 美人で色気たっぷりのジュリアロバーツ。妹のアナベスギッシュは エール大学に入学が決まったばかり。その友達のリリテイラーの結婚式のシーンからはじまる。
とてもおいしいミスティックピザのレシピは秘密。
3人のバイトの娘それぞれの青春のひとこま。
■感想
ネット検索したところ ジュリアロバーツ リリテイラーの 実質的なデビュー作で、マッドディロンのデビュー作(1シーンのみ)だそうだ。
ジュリアロバーツも この映画では猫背でフランケンシュタインみたいな歩き方でがっしりしていて、田舎っぽいところが この映画の設定にぴったり。
面白く思ったのは、お金持ちのイイトコの坊ちゃんお嬢さんっていうのは こういう格好してるのかしらという画面をみただけで分かるような映像でした。
内容は3人3様のエピソードが語られて、そこにバイト先のミスティックピザがちょっと絡む、ちょっと甘くて切ない若い頃の思い出という感じの映画。
男性が主人公のこのタイプの青春映画は多いように思うのですが、女性のこのタイプの映画は始めてみました。
なんてことなく淡々と話が進んで人情にぐっときたり、小さな事件に心がざわざわとざわめくわけですが、後味は悪くない。 私はどちらかというと好きな映画です。
女の子の友情とかそういうものも じんわりと暖かいです。
女の子同士って や〜な感じの付き合いを題材にするものは多いですが、こういう友情っていいなと思う映画って 私は地味でも好きだなあ。
以下ヒトコト
優等生の妹はオバサンの私からみると悪ぶっている姉以上に非常にあぶなっかしくって。
不良ぶっている姉も根はまじめで良い子だし。
■絵 ますむらひろし
■原作 宮沢賢治
■音楽 細野晴臣
■星 ★★★★
銀河鉄道の夜
■説明
宮沢賢治の銀河鉄道の夜を ますむらひろしの描いた猫たちでアニメにしたものです。
夢をみているような静かで不思議な世界がひろがります。
音響もすばらしく映像にぴったりあっていて幻想的な雰囲気をもりあげています。
■感想
「銀河鉄道の夜」を最初に読んだ時は子供すぎて、只の不思議な話のように読んでいたので実は私にはあまり感動の記憶がありません。
大人になってからは、宮沢賢治はファンも多く、大学などで研究する方も多いので、何かを書くことに少し気後れしてしまうのですが、この映画は文句なしに良いです。
最初に見たときには、猫が主人公でとても驚いたのですが、あっという間に物語に引き込まれ、静かにすべるように進む不思議な物語は不思議に心が落ち着いて、そうしてひとつひとつのエピソードにつながって自分の内面からいろいろな思いが連なって出てきます。
静かな感動をよびおこす、そういう映画だと思います。
■原題 BONJOUR TRISTESSE
■公開年 1957年
■監督 オットー・プレミンジャー
■星 ★★★★
悲しみよこんにちはBONJOUR TRISTESSE
■説明
父デヴィッド・ニーヴンと二人暮しのジーンセバーグ。父は遊び人だが、自分もその父に合わせるように背伸びをしている。いつものことで 愛人と三人で海辺の別荘に遊びに行くが、そこに 母の友人のファッションデザイナーのデボラカーがやってくる。
ジーンセバーグは父とデボラカーの間に父の愛人には感じなかった嫉妬を感じ始める。
■感想
今の映画にはあまりみかけない、心理描写が主な映画です。
私は、こういう話だとは知りませんでしたが、昔はこの ジーンセバーグのやった セシルという女の子のベリーショートのヘアスタイルが大流行したという話を聞いたことがあります。
セシルカットといったそうです。
みてみるとベリーショート。頭の形も顔もよくないと似合わないわ〜。というような髪型。
でも、このベリーショート。彼女の海辺でのラフな格好にもよく合うし、フォーマルなドレススタイルにもぴったりあう、まさにオールマイティなヘアスタイルだと思いました。
モノクロとカラーを駆使して表現してみたり、映画としてもじっくり楽しめると思います。
★はジーンセバーグのかわいさ、綺麗さをちょっとだけオマケして 4つ。
■原題 The Cotton Club
■製作年 1984年
■監督 フランシス・フォード・コッポラ
■星 ★★★★
コットンクラブ
■説明
1920年代?禁酒法とギャングたちの時代のアメリカ。トランペット奏者のリチャードギアは ひょんなことから、この辺で幅をきかせている ギャング?の親分、ジェームズレマーの襲撃現場に居合わせて関わりをもつようになる。 この当時、黒人差別の横行している時代。
トランペット奏者リチャードギアと歌手ダイアンレインの物語と並行して黒人のタップダンサーグレゴリーハインズの物語が語られていく。
舞台はその当時の伝説的なクラブだったというコットンクラブ。
■感想
映画の楽しみの一つに、自分が経験できない場面を疑似体験できるということがあると思う。
まさに、コットンクラブはその楽しみを満喫できる映画。
禁酒法時代のアメリカのクラブ。どこか退廃的で、ギャング達が金にものを言わせて贅沢三昧な幅をきかせるきらびやかな面と、どこで命を落としてしまうかわからないような暗い残酷な面。どうにかなりあがろうとしている若者達。
それにしても、ダイアンレインはとても綺麗で魅力的。リチャードギアは若い!最初はだれだかわからない。綺麗な弓のような眉のグレゴリーハインズのタップダンスも見所。
映画の中でくりひろげられるショーはとても素晴らしくて、きらびやかな衣装を身に着けて、私もこういうショーを見てみたい!。お酒を飲みながら。
ファッションはアールデコなのでしょうか。すとーんとした 長いシルエットにぴったり頭に沿った帽子やビーズ細工が綺麗。(スタイルと顔がよくないと似合わない?)
もちろん、全体にちりばめられた音楽も素敵。
ミニー ザ ムーチャ 最高!
たとえば、筋を追ってじっくり見るのも魅力な映画ですが、雰囲気もたっぷりなので、ウイスキーやバーボン片手にゆっくり飲むときにこういう映像が流れていても雰囲気があるなあ。。と思います。
ところで、アールデコのファッションってどんな?と思われる方に
ぴったりのものが見つからなかったのですが、
http://www.antique-decoupage.com/etc/paper.htmlこんな雰囲気でしょうか。
ドレスはこんな感じ
http://www.s-russia.co.jp/catalog-p/deco-dress.html
ここで、ちょっとだけ興ざめしそうなことも書いてしまおう。
年代的には ミッキーマウスが育った時代とつながっているようで、オコチャマと一緒にディズニーに毒されてしまった頭には 素晴らしいショウをみながら、「なんだかディズニーランドに似ているなあ」なんて思ってしまうところが (TT)
頭をぶんぶん振ってディズニーキャラクターは追い出して、素晴らしくおしゃれなあの時代のきらびやかなドレスを身にまとった人間になったと想像をふくらませて見たい映画です。
■原題 REAR WINDOW
■監督 アルフレッド・ヒッチコック
■星 ★★★★
裏窓Rear Window
■説明
カメラマンのジェイムス・スチュアートは 足を骨折していて、動けない。毎日自分のアパートで退屈に生活している。今彼の目に見えるものは、向かいのアパートの人たちのドラマだけ。
来週にはギブスがとれることになり、美しいモデルの婚約者グレースケリーが 有名店でケータリングを頼み訪問してくれた。ところが。
■感想
有名なヒッチコックの作品です。血や死体や残酷シーンなどは出てこないのですが、裏窓ごしだからこその距離を置いた怖さがひしひしと伝わってくる。本当に面白い映画です。
グレースケリーのドレス姿も美しくて古い映画ですが、今みても充分面白い映画だと思います。
子供が大きくなったら子供と一緒に見ても大丈夫な映画かもしれません。
■原題 The Crying Game
■監督 ニール・ジョーダン
■星 ★★★★
クライング・ゲーム
■説明
アカデミー賞オリジナル脚本賞受賞映画。
IRAが人質解放のために兵士をとらえ人質にして、たてこもる。重苦しい人質とのやりとり、そうして、見張り役になった男性は人質の兵士に対して「人質らしく」扱うことが出来ず、「人間」として扱えない葛藤を感じ始めた頃、彼の処刑を命じられる。ところが。。。
■感想
最初私がこの映画を見たときには、IRAと兵士の友情物語として聞いたのですが、見てみるとまったく違っていた。受け入れられない人にはまったく受け入れられない話だと思う。
子供には不可な映画だと思います。
私は、この、予想を覆す展開に驚き、そうして主人公と同じように相手の思いに戸惑いながら、最後は純粋でどうしようもない思いを感じられて 涙が出てしまった映画でした。
IRAの女性兵士が対照的にとても怖い。彼女はとてもデキル女なのでしょう。でも、たしかに格好は良いのですが、こういうかわいさも何もないギスギス女にはなりたくないもんだなと思ったりしました。
この映画は展開に特徴があります。そのためネタバレで書いてもこれを書いてしまって読んでしまってはもうほとんど語られてしまったことになってしまう。そのため詳細は書きません。
ネット検索すると それはもう、完全なネタバレにヒットします。アマゾンもそうですね〜。
■原題 Dead Again
■監督 ケネス・ブラナー
■公開年 1991年
■星 ★★★★
愛と死の間でDEAD AGAIN
■説明
不穏な音楽とともに唐突に殺人のニュースから始まる。
そうして、死刑囚、それから犯行の映像。そうしてそれは記憶をなくした女性エマトンプソンの悪夢であった。彼女は繰り返しこの夢を見る。そうして彼女は声を失っている。
■感想
実力派 ケネスブラナー、エマトンプソンによる映画。
91年の作であるが、それ以前の昔の映画の展開を見るようでもあり、またそれだけにはおさまりきれないような映画の醍醐味が感じられる映画です。
ひとつ、難点といえば、エマトンプソンが そんなに美人に見えなかったこと。
内容について、語りたいのですが、こればっかりは。見るときにそういう条件がないほうが絶対楽しめると思うので。(展開を知ってしまうと楽しみ半減)
ストーリに最初から入り込みやすいし、楽しめる映画だと思います。ヒッチコックの昔の映画のような、直接的でない怖さが怖いですよ。
最後まで目がはなせません。
■原題 The Fugitive
■監督 アンドリュー デイビス
■星 ★★★★
逃亡者THE FUGITIVE
■説明
パーティから帰る途中、突然の手術の呼び出し。ハリソンフォードは 美しい妻を先に返し、自分が後から帰宅すると、妻は虫の息だった。そのうえ、状況は自分に不利。妻殺しの判決をうけてしまう。
■感想
テンポの良い展開で、じわじわと追われる主人公。
最初のパーティーシーンが、ぜいたくで美しい映像を焼き付けて、主人公の境遇の変化が強くかんじられてしまう。
ハリソンフォードもかっこよいし、殺されてしまう奥さんシーラ・ウォードも 本当に綺麗。
そうして、ここですばらしい存在感を放つのが、こわもて トミー リー ジョーンズ。
それもそのはず、彼はこれでアカデミー 助演男優賞を受賞したということ。
以下ネタバレ
綺麗な愛する妻をころされて、おまけに自分が犯人にされてしまうという逆境。
犯人はだれ?執拗においかけてくる こわもて トミーリージョーンズをかわしながら犯人をつきとめて冤罪をはらそうとする ハリソンフォード。
耐えた分だけ、最後は すっきりしないとね。
■原題 PELICAN BRIEF
■星 ★★★★★
■監督 アラン・J・パクラ
ペリカン文書
■内容
最高判事の殺人事件について、女子大生ジュリアロバーツが書いたレポートが思いもよらない展開に。
■感想
う〜ん。笑顔さわやかな ジュリア ロバーツ とデンゼル ワシントン 二人の歯並びを見ているだけでうっとり。
内容は知っていても手に汗握るストーリです。(私は何回か見ているので展開が分かっている)
どうなるんだろうと、緊張が続き飽きません。
ジュリア ロバーツのなんと可憐なこと。デンゼル ワシントンのまた紳士なこと!二人にほれ込んでしまいます。
つまり、あまいかもしれないけど二人のさわやかな笑顔に ★五つ。
■原題 CHOCOLAT
■監督【著者】 ラッセ・ハルストレム
■星 ★★★★
ショコラ DTS特別版CHOCOLAT クリック後に出てきたページで タイトルか画像をクリックすると他の人の感想も読めます。
■説明
ある、厳格な村に 北風とともに赤いフードをかぶった 母(ジュリエット・ビノシュ)と子がやってくる。母子は店を借りそこでチョコレート屋を開く。
おりしも、その村では昔からの伝統の断食の時期。村人は よそ者の出現をいぶかしむが、次第にそのチョコレートの虜になっていく。そうして...という話。
人気の ジョニー ディップが出ています。
■感想
不思議な映画でした。アカデミー賞にいくつかノミネートされたそうです。
なにより映像としてみるチョコレートの美味しそうなこと。「この映画を見たらチョコレートを食べたくなる」と聞いたのですが、まさに。その後私はチョコレートを買いあさり、(丁度冬に向けて新商品が出ているところですね)手当たり次第に味見をしてしまいました。
さて、この映画を見て思い出すのは、 赤いバラソースの伝説。パベットの晩餐。とか、そういう類の映画。
以下激しくネタバレなので例のごとく反転して読んでください。
これから見ようと思う人は読まないほうがよいかもしれません。
厳格な村で日曜のミサにも出ず、結婚していないのに子供を持っていて、派手な身なりの母は道徳的に疎んじられます。しかし、その母が作ったチョコレートを村人が食べると皆自分の気持ちに正直になり縛られていた規律から自由になるようです。そうして、少しずつ彼女のチョコレートを食べる人たちが増えていきます。
彼女は 古い因習に縛られた人たちを自由にするという設定です。しかし、この映画見方によってはその因習から解き放たれたのは 村人だけではありません。どうやらこの親子は村々を回ってチョコレートを作って食べさせているという昔ながらの運命に縛られた親子らしいのです。
北風とともにやってきて次の村へ移り住む。
母は魔女のような雰囲気なのかとおもえば、途中自分が受け入れられないことに悩み涙し、この地も去ろうとします。(ああ、普通の人間なんだなあ)しかし、今回ばかりは違ったようです。 また、終盤では 船に住み、あちこちの村を渡り歩いているという生活をしているジョニー・ディップが、母子を訪れます。どうやら 母子と一緒にこの地に住むようなニュアンスもあります。 そうして、子供は自分の想像上の唯一の友達のカンガルーから解き放たれます。 |
こういう映画は見る人によっていろいろな見方があり、解釈の仕方があると思います。
これといった大きな事件はありません。 Once upon a time で始まるこの話は 昔話としてとらえられる。まさにそういう御伽噺のような話。という印象でした。
ホットチョコレートにチリを入れるとどんな味になるんだろう。
■原題 Elizabeth
■公開年 1998年
■監督【著者】 シェカール・カプール
■星 ★★★★
エリザベスELIZABETH
■説明
無敵艦隊の頃のエリザベス女王が女王たる存在になるまでには、知られざることがあったのだ。。という歴史映画。
■感想
続けてみたことで余計に「マリーアントワネットの首飾り」と対照的な印象の映画でした。首飾りの方は やはり「ハリウッド映画」なのでしょう。
ケイトブランシェットも、イギリス人らしい雰囲気なのかなあと思ってみました(彼女はオーストラリア出身のようですね。)なんだか、綺麗というよりも 「ちょっと不気味」。
でも、見ごたえある映画でした。月並みですが、彼女の心の動き、内なる変化、決心。
そうして 頼りない姫から、絶対的な権力をもつ女王へというステップが見所です。
■原題 AFFAIR OF THE NECKLACE
■公開年 2001年
■監督【著者】 チャールズ・シャイア
■星 ★★★
マリー・アントワネットの首飾りThe Affair of the Necklace
■説明
有名な首飾り事件(といっても、私は歴史が苦手でよく知らなかった)を題材にした歴史サスペンスとのこと。
衣装が見所
ヒラリー・スワンク(ジャンヌ)は、口が大きくて歯が出ているような印象を強調したメイクで 貪欲なジャンヌをあらわしているのだろうか。
ものすごく違和感のあるキャストだった。とても、由緒正しい家柄のお嬢様という雰囲気ではなく品がない。サイモン・ベーカー(レトー)は笑ったときのタレ目が素敵だと思ったのだが、これは、映画の不思議だったようで、特典映像としてついていたインタビューよりも 役柄の方が数段素敵。生きている人間としてインタビューを受けている受け答えではちょっと色あせていてがっかり。
「首飾り事件」事実はよくしらないのだが、詐欺事件としては「よくこんな詐欺事件が成功しそうになったものだ」というほど稚拙な企てで、事実だからこそなのだろうか。虚構の詐欺事件のほうがずっと現実味があるのが不思議だった。
閉ざされた世界でのできごとだからだろう。
この映画は、あまりストーリーを期待して購入したものではない。実はドレスが目当てだった。(ドレスや、昔のインテリアを見るのはそれがつくりものでも大好き)
衣装はとても綺麗で見ごたえがあった。 しかし、最初の登場でジャンヌが着ていた赤い衣装(これは意図的に赤にされたそうなのだが)は 品がなくて好きになれなかったなあ。
ジャンヌの家が焼かれるシーンを見て。フランスに行ったとき、「お城が見られる」と期待していたのに、ほとんどが革命でなくなってしまって、石造りの城本体しか残ってなかったのがとても残念だったことを思い出した。
(イタリアには沢山のものが残っていたから、余計落差が激しかったのだとおもう)
ベルサイユには行かなかった。今度行けたら行ってみたいなあ。
■原題 POSSESSION
■公開年 2001年
■監督【著者】 ニール・ラビュート
■星 ★★★★
抱擁POSSESSION
■説明
アーロン・エックハートは無精ひげの小汚い格好をした顎割れ男性。後に黒目(というか青目?)がとても大きくて 純粋で学術熱心な好ましい青年に見えてくる。(黒目の大きい人に弱い ありがちな pon2)相手は グィネス パルトロウ。彼女はどうして美人と呼ばれるのか私には納得の行かない顔である。ブロンドで痩せた体は痩せすぎのようにも見えるし、薄い唇。目・鼻の配置もなんとなく私が思う「典型的美人」からははずれている。
でも、彼女にはこの役はピッタリ。イギリスの由緒正しい家の出身という人は知らないが、彼女のいかにも冷酷そうに見える表情を崩して笑ったときのあの丸い笑い顔が可愛いと思えるとすっかりと映画の世界に同化し始めている証拠だろう。そう。まるで恋でもしたかのように、 エックハート君やパルトロウちゃんに魅力を感じはじめる。
グィネス パルトロウはファッションも地味な素材のよさそうなものを無造作に着込み髪もつくりこんでいない。ナチュラルだけど、育ちのよさそうな雰囲気を漂わせている。
そう。「地味でその辺のものをひっかけたような洋服」ではなくて「さりげない洋服」と思えるということは見ている方が映画の登場人物に引き込まれて良い印象を持っている証拠なのだ。
これはイギリスの物語。イギリスの歴史や空気を感じるような映像も大きな魅力の一つとなっている話であった。
筋は 愛妻家で通っていた19世紀の詩人アッシュ(ジェレミー ノーザム)の不倫スキャンダルを裏付けるような手紙を本の間から発見したのが顎割れ無精ひげだけど青目の大きいエックハート君。不倫相手と思われるラモット(ジェニファ・エール)の研究家であるグィネス教授と一緒に詩人の足取りをたどり、事実を解き明かそうとする。
■感想
雑誌に映画の紹介が出ていて、その風景があまりに美しいのと、ミステリー仕立てということでDVDを購入。最近はあまりこの手の話は購入しなくなったラブロマンス物。
ジャケット写真もなんだか濃厚な雰囲気で手にとって買うにはちょっとオバサンとしてはこっぱずかしくて抵抗がある。...おまけに題名が抱擁だし。もう少し別の日本語題名がつけられなかったのかな。抱擁よりは執着とかのほうがまだ所有するという意味と取り付かれるという意味とからそう遠くないような気もするけど。なんて英語に詳しくない私よりは数倍も英語ができる人が日本語題名をつけているわけだから、文句つけるほうがヘンなのだろうなあ。
個人的に、題名とジャケット写真で濃厚な印象up作戦という感じが好きではないからだけど。
■ネタバレ多少あり。
過去の二人の恋愛と現代の二人の恋愛を重ね合わせた手法はどこかでみたような設定※だったがとにかく、イギリスが綺麗。昔の衣装も良い。<実は衣装好きなのでこの手の映画はツボ。
ある意味、恋愛というのは冷静さを失うことであり、他の人からみると「あんなののどこがいいんや」と思えるところも、たとえば 「目が可愛い」とか アバタもえくぼ状態におちいることであると思う。 私が、最初に「小汚い男の人だな」と思い、次に「真面目な人なんだ」と思い始め「探究心旺盛なんだ」と思い、「この大きな目がカワイイカモ」と思い始めた時点ですっかりと映画の手管に載せられている状態である。
グィネスにしても、「痩せてるのに、毎度丸顔に薄い唇だなあ」「ふ〜ん。冷たいのね」「あれ?本当は情熱を内に秘めているのかな」「顔をくしゃくしゃにして笑うと意外と可愛いじゃない?」「よく見ると知的で可愛い」となってしまう。 やっぱり上手い。擬似恋愛をこちら側にみせてくれているではないか。
詩人(ジェレミー ノーザム)はどうも気持ち悪くて好みではなかったが、詩人の相手となっているラモット(ジェニファ・エール)は フレスコ画の聖母像にかかれているのではないかと思うほど柔らかい笑顔の美しい人で、くるっとした悪戯っぽい目が魅力的である。設定ではおまけに知性豊かということ。詩人が一目で夢中になるのも無理はない。その表情と後半のフランスでの表情の差がこれまた凄くて同一人物かと思うほどの演技力?映像力? 女はコワイね。って(^^;)
筋としては 多少単純に流れすぎているところがあるかもしれないが、こういう映像美というのはやはり映画の醍醐味だと思う。しかし これがアメリカが舞台だったらこうもいかなかったろう。
「イギリスだったらなにかありそうだ」という期待感と「イギリスの風景」がこの映画をもりあげているのかもしれない。
また、この、「秘めてうじうじ」とした感じというのがイギリスのイメージによく合っているようにも思う。 これがアメリカだったら、当たってくだけろ。考える前に行動しろ。の印象のほうが強いように思うなあ。はやいもん勝ち。なんでも やったもん勝ち。うじうじは敗北者。のような。(これもpon2の勝手な印象です)
※思い出したのは フランス軍中尉の女。見方によっては ジェニファ・エールは 若い頃のメリル・ストリープと雰囲気が似ているからかもしれないが。
筋としては フランス軍中尉の女のほうが、対照的なところが良く現れていて面白かったような気がするが、見直したらどうだろう。
そうそう。この原作はイギリスでブッカー賞という賞をとった小説であり、多分話は虚構だと思います。(検索したら、ヴィクトリア朝の詩人アッシュ という人を知らなかったら つまらない映画というような評があった。たぶん、アッシュ自体が実在ではなく、物語の中の人物だと思います。まちがっていたらごめんなさい。)
■原題 Swordfish
■公開年 2001年
■監督【著者】 ドミニク・セナ
■星 ★★★★
ソード・フィッシュ 特別版SWORDFISH
■説明
すっかりふくよかになってしまった トラボルタが映画を語るアップから始まる。
にこやかに、自分の論を展開する 画像が引いていって聞き手が2人いるようだ。
悦に入って主張するトラボルタの説に対して二人は弱弱しく反論をはさむ。
そうして。。。
■なにがなくてもトラボルタ。
トラボルタは顎がわれていたり、あまり好きな顔でないために よく考えてみたら一度も彼の映画をみたことがなかったことに気がついた。
この映画をみて、すばらしい!あのあやしげな風貌・人懐こさを感じる笑顔で、映画を語るただのオタクかとおもいきや!。
カオは好みでないし、悪いことも暴力も流血もキライなのに、なぜか トラボルタの虜になってしまいそうだ。
■わきをかためる綺麗どころ
トラボルタの脇を固めるのは ヒュー・ジャックマン(二枚目タイプ?) ハル・ベリー (可愛い&スタイル抜群。綺麗だねえ〜〜。)少年のような、ファッションモデルのような姿は女性ファンも多くつきそうなフェロモン系は少なめの綺麗さ。彼女はショートヘアの方が似合う。
ヒュー・ジャックマンの キーボードとディスプレイを見ながらワインあけてノリノリのあの場面。
わかるよなあ。そうだよなあ。ノってるときはそういう楽しいきもちなんだよなあと思ったり。
■映像も面白い
話題になったシーンもあるようで、DVDの地味なジャケット写真(っていうのかな?)からは全く違う展開に驚く。(なんといっても ソードフィッシュ だし、ジャケットモノクロだし。地味目の釣りかなんかの話しかな〜とおもっていたのだった)
■感想
■総評
面白かった! もちろん、いろいろと例のごとく不満はあるにはあるけど。。。自発的にそれを大目に見たいような映画。 あのアヤシイトラボルタのはまり役がすべてを帳消しにしているのかも。
映画というものの楽しみ方のひとつは「いかにウソッコの世界を体験するか」ということにあって、推理小説などの延長にあるものだと思う。
たとえば、よくたとえられるように 「ジェットコースター」とか 「鏡の迷路」とかのように。
これは、自分が選択して「迷いたい。ドキドキしたい」という欲求を満足させるものであって、ウソッコの世界だと認識したうえで、いつでもそういうもののない世界に自分で「や〜めた」と戻ることができる。
だれしも、現実の世界で 道には迷いたくないものであって、だれしも死の瀬戸際のような目には現実では遭遇したくないだろうと思う。そういうもので、この映画はとてもおもしろくてよくできているけれども、この思考や行為を容認するものではない。だから、それを子供が区別して理解できるような年になるまでは あまり見せたくないと思うのだった。
とにかく、「映画だってばさ」ということで、全部水に流したい。いえ、流させてください。といいたくなるような トラボルタ。あなたの存在感はすごい。でした。
以下ネタバレ。例のごとくじっくり見てないので、勘違いがあったらごめんなさい。
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・だって。ウイルスって。オイ!なんでこれがウイルスなの? 視覚的に形として見せたかったのだろうけど。 ・昔の忘れられたコンピュータってものすごく性能悪いよ。そんなところに残っていたウイルス。 改造するより新規に作ったほうが良くないか? ・そこまではいりこめてるんだったら そんな手間なことしなくても。。。 ・電子送金だったらばれた途端に 口座ストップされればそれでオシマイじゃないのかな。 ・もくもくと 100倍返しの自分なりの正義をつらぬくトラボルタ。この役はトラボルタだからこそ現実味を増すと思う。 ・しかし。。。この映画って、私からみると、トラボルタは現実のアメリカの化身のように見えるのだが。アメリかの人からみたらどういう風に見えるのだろう。 彼のやっていることを果たして正義と見るのだろうか。 |
■原題 MINORITY REPORT
■公開年 2002年
■監督【著者】 スティーブン・スピルバーグ
■星 ★★★
マイノリティ・リポートMinority Report
■説明
未来世界では、超能力者による殺人予告をもとに殺人が発生する以前に犯人逮捕するというシステムが開発されていた。
■感想
なんでわざわざ未来なのに予知夢を機械に伝えて「木を削って玉を作って名前を書かせコロコロ転がして出す」必要があるわけ? とか
こんなの機械側のプログラムを一瞬かきかえとけば簡単にデータ捏造できそう。なんて思ったり。
いちいち網膜を走査されて、広告に名前を呼ばれたんじゃうるさくてしょうがないや。
なんておもったり、
画像を操作するのに、そんな大層な振りが必要なんて、ちょっとねえ。非現実的。
とか。大体透明のタイルにデータが入っているにしても、未来にしてみれば、保存できるデータ量が少なすぎるんじゃないかいな。なんていうイチャモンはぜ〜んぶ 「ま、SFだから」ということにしてSF物大好きな私は点が結構甘めになってしまいます。
SFの機械は見た目が気に入ればそれで良いのじゃ。<大甘。
ちょっと横道にそれますが、この透明なパッドからデータを読み出したりというのは、以前ちょっとテレビでみたDataTilesというものに似ています。
http://www.csl.sony.co.jp/person/rekimoto/papers/i2001.pdf
http://www.shift.jp.org/053/interaction2001/indexj.shtml
一つ一つの透明なタイルが オブジェクト化された機能を持っているわけですが、それを並べて関連付けることで双方のデータのやり取りがあり機能するというものだと紹介されていたような記憶があります。パソコン上のバーチャルな世界で相互のパッドのやり取りをするというツールもありますが、
http://hokkaido.yomiuri.co.jp/kikaku/kikaku_s011102.htm
透明なパッドという実物があるところはやっぱり訴求度が高いような気もします。
話を映画に戻して
筋としては、早くからネタばれたことなどで ☆二つ。未来の町のデザインが好きだった(あの車も面白い。)ので、映像に関するおまけで +α で 大甘の☆☆☆
====以下ネタバレ
どう見ても人権侵害のプリコグ。最初から怪しいとおもっていたよ〜。の黒幕。 「いつ私がそういいましたっけ?」という古典的なボロの出し方。 SFでなかったら。☆程度かも。 そういえば、あの植物!さりげなくサラセニアなんかもおいてあったのも面白。 |
■原題 Bridget Jones's Diary
■公開年 2001年
■監督【著者】 シャロン・マグワイア
■星 ★★★
ブリジット・ジョーンズの日記BRIDGET JONES'S DIARY
■説明
じっくり?軽くのどちらかとおもったけれど、とりあえずじっくりに登録。
笑顔は可愛いものの時々妙にオバサンぽくみえるブリジット・ジョーンズ(レニー・ゼルウィガー)は ふとリ気味の30を少し超えた頃。
ボーイフレンドもなく、親から離れて一人暮らしで会社づとめをしている。
毎日が寂しくて寂しくてたまらないのだが、必ず親戚が集る頃になると、まだ結婚しないの?とか大きなお世話がはじまることはうっとおしい。
ところが、どうやら 上司ダニエル( ヒュー・グラント)が彼女にちょっかいを出しているようだ。
■感想
ネタバレしてます。
と、ここまでの話であれば、私も結婚が遅かったことだし、(さほど寂しいとは思ってなかったが)
私が共感しても、至極もっともな話だと思うのだが。。。。。
テーマとして、共感できそうなテーマだっただけに、彼女の魅力がうまく描けていない。
二人がハッピーエンドになるだけの説得力がないのがとても残念。
物を考えない、すぐにベッドにでもどこにでもついてくる 豊満な女性が最高!な男の人と いまや死語となってしまった「3高狙い」の女の人のハッピーエンドの映画。。。
じゃないはずなのに。。。。。
詳しくは 2003年5月26日の 王様の耳はロバの耳を見てください。
■原題THE HUNT FOR RED OCTOBER
■監督ジョン・マクティアナン
■星 ★★★★★
レッド・オクトーバーを追え!THE HUNT FOR RED OCTOBER
■説明
ソ連の原子力潜水艦 レッドオクトーバーが突然アメリカ東海岸に接近してきた。
すわ、戦争?。という状況で、CIAアナリストのジャック・ライアンがその狙いをさぐることになる。
■感想
このショーンコネリーはまるで毛並みのよいシェパードのような、潜水艦の艦長です。
トム・クランシーシリーズの一作目、
このときは アレック・ボールドウインがジャック・ライアン役をやっていますが、これ以外は ハリソンフォードがジャック・ライアンをやっています。
手に汗握る展開。 ショーンコネリーファンでなくても、十分楽しめると 思います。
■原題SOPHIE’S CHOICE
■監督アラン・J.パクラ
■星 ★★★★
ソフィーの選択SOPHIE’S CHOICE
■説明
新しい家に下宿することになった主人公は、同じ下宿に住む一組のカップルと仲良くなる。
そのカップルの美しい女性にはなにか秘密があるように見える。最初は彼らの自由さにあこがれる主人公だが、だんだんと彼女の秘密が気になってくる。
■感想
これも不思議な魅力の女性(メリルストリ‐プ)の映画です。
重いテーマですが、見ごたえがあった記憶があります。
======内容に触れます======
以下激しいネタばれです。
ソフィの選択というのが ユダヤ人収容所で、二人の 子供の選択をせまられて、結局どちらか一人を選んで しまい、それを引きずっているという内容です。 これ。。どこかでみたことありませんか? |
■原題FRENCH LIEUTENANT'S WOMAN
■星 ★★★★
フランス軍中尉の女FRENCH LIEUTENANT'S WOMAN
■説明
一人の女性が暗くたれこめた空の下、黒いマントをはおって、荒波を見守っている。
彼女はどこか病的で暗い顔をしている。回りの人はみな彼女を「フランス軍中尉の女」と呼んでいる。
■感想
メリル・ストリープ主演の映画です。
虚構の世界と現実の世界が交錯し、対照的に進む物語がとても面白かった覚えがあります。
■原題THE SHINING
■星★★★★
シャイニング 特別版...THE SHINING
■説明
冬場の、ホテルの管理人を家族で請け負うことになった一家がホテルにつくと、次々に不気味な出来事が起こる
■感想
怖い。すごく怖い。1980年の映画で、CGなどもつかわれていないのですが、画像から冷たい空気が流れ出すかのように怖さがじわじわ伝わってきます
=========内容にふれます=========
怖い映画でありがなら、映像の美しさが記憶に残っています。エレベータホールの整然とした中に流れる赤い血。 庭の迷路。怖いくらいの静けさ。 |
■原題 風の谷のナウシカ
■公開年 1984年
■監督【著者】 宮崎駿
■星 ★★★★★
風の谷のナウシカ
■説明
舞台は未来のたぶん地球。過去の戦争により、文明も一度失われ、人間達も汚染された土壌に苦しみながら生活をしている。 そんな中でも平和に自然に寄り添いながらつつましく生活していた風の谷がある日突然戦争に巻き込まれる。 ナウシカは風の谷の姫。
■感想
ナウシカは、2,3年前までの私が大好きだったキャラクターだ。真剣に彼女のようにすべてのものを愛したいと思っていた。
今はいろいろなことがあり、現実を知り、少し考えが変わってしまっているが、やはり、ドロドロとした日常を書き連ねた上の本よりも、彼女やこの物語が「大好き」と言ってしまう。
映画も面白いが、アニメージュにのった原作はもう少し後まで書かれている。私は映画も好きだが原作も好き。
大王くらいの子供には、どのくらい理解できるかはよくわからない。
ささくれ立ってしまった気持ちのときに自分ひとりでじっくり見て、忘れていた気持ちを思い出し、リフレッシュしたいなあと思ったりした。シーンとしては、他の映画にくらべると子供が見ても問題ないレベルだと思う。
■原題 Greenfingers
■公開年 2000年
■監督【著者】 ジョエル・ハーシュマン
■星 ★★★
グリーンフィンガーズGreenfingers
■説明
刑務所に入っていた囚人達が 園芸の楽しさに目覚めていく話です。実話を元にしているそう。
冒頭は クライブ・オーウエンの手紙からはじまります。そうして舞台は刑務所へ。
■感想
前評判が高かったので、私の期待が大きすぎたのかもしれません。
また切れ切れに見てしまい、話に入り込めなかったところにも問題があるかも。
最初に作り上げた庭は素晴らしかった。花が咲き乱れていて、まさに百花繚乱。
もっとじっくり庭を見たかったなあ。
また、自然も綺麗だった。やはり一度は行ってみたいと思いました。
気になったシーンは、ネタバレになるので、これから見たいと思う方はこれ以降読まないで下さいね。
1)クリスマスにもらったプレゼントは、violaと書いたおなじみのビオラの写真付きの種だった。
それを蒔いたのに、生えてきたのは、 ビオラ?と思うようなセントポーリアみたいな花。
(蒔いた種と咲いた花が違うじゃん!造花か?)
ニオイスミレだといっていたけど、あんな種類のニオイスミレがあるのかな?せめて種袋はニ オイスミレの種を準備して欲しかった。
2)園芸の楽しさ、植物を植える楽しみを知っている人にしては、生きている植物を自分が気に入らないテーマだからといって バーナーで焼き尽くすっていうのは?本当のことなのかな?
可愛そうな多肉植物やサボテン。
だいたい、他の場面で、自分の罪を悔い、人の命を奪ってしまったことに対して、生命を慈しむ楽しみをといていた人が、「植物を生命とみなしている」自分の都合で、丸焼けに植物をしてしまうなんて。。
3)コンテストに出した庭のよさが実は私にもわからなかった。
道端の草にもよく見るとかわいらしさ、よさがあるのに、ただぼうぼうとした草むらのようで。
全体構成として、見てよさがわからない庭だったとしたら、地味な花のよさは寄ってみないとわからないところもあると思う。
ただのめちゃくちゃな庭ではなく、こだわった庭であることを映像としても納得させてほしかった。(単に壊れた車や、仲間の像だけじゃね。。。点数は入れられないなあ。
この庭のよさが映画を見ている人にわからないと、女王の申し入れは単なる女王の自己満足に終わると思う)
一般には高い評価を得た映画のようですが、きっとこの監督は園芸のエの字も知らない人ではないか。興味がない人なのではないか。
感動映画が作りたかっただけなのではないか?
なんて思ってしまった私は。。。。
■原題 外科室
■公開年 1992年
■監督【著者】 坂東玉三郎
■星 ★★★
外科室
■説明
吉永小百合扮する、奥様が胸の病気を手術することになるのですが。。。。
泉鏡花の耽美の世界です
■感想
玉三郎が、言葉遣い、衣装など細部までこだわって当時を再現したという映画。
映画としては 入り込めない感はいなめなかったが、吉永小百合の美しさを再認識した。
また、大半を費やす植物園の美しさがすばらしく良い雰囲気になっている。
言葉遣いは現代と差がありすぎて違和感が大きかった。
記入日時 2003/05/05/18:07:22 No.98
記入者 pon2
■原題 Indochine
■公開年 1992年
■監督【著者】 レジス・バルニエ
■星 ★★★★
インドシナINDOCHINE
■説明
植民地時代の インドシナでの ゴム園を所有する女主人の物語。
■感想
内容はドロドロとした内容だったと思うのですが、まったくそのあたりを忘れてしまっています。
ただただ、カトリーヌドヌーブが美しかった。
みなおしたらまたこれを書き直します。
■原題 Basic Instinct
■公開年 1992年
■監督【著者】 ポール・バーホーベン
■星 ★★★★
氷の微笑BASIC INSTINCT
■説明
ショッキングな殺人事件の場面から映画が始まる。
容疑者として浮かんできたのは、売れている作家(女性:シャロン・ストーン)。
彼女を捜査していくうちに、彼女の妖しい魅力に翻弄されてしまう警官(マイケル・ダグラス )
■感想
この映画を「じっくり」に登録するべきかどうかも悩んだのですが、(ちょっとカテゴリが違うような)でも、家族と一緒にはみられないし、軽くみてるとたぶん筋が追えないかもしれないので。。。
性的描写の方で有名になってしまった映画ですが、私はこの映画の性的描写はあまり興味なかったのですっかり忘れてます。もしかしたらかなりえぐかったのかも。
それよりも別の部分が、気に入っている映画のひとつです。
海辺の別荘?に マイケルダグラスたちが捜査に来るのですが、海辺にたつシャロンストーンがさりげないファッションで美しかったこと。
記憶で書いているので、詳細は違うかもしれませんが、サンドベージュの色をかさね、寒そうな砂浜の色と彼女の髪の色とよく合っていました。
見ている私たちまで、結局キャサリン(シャロン ストーン)に翻弄されているかのような結末:犯人がわかったようなわかんないような:も良かったと思います。
(ナイショですが、彼女がとても頭がよくて、ミステリアスな悪女風で、色気シーン抜きの部分でも、捜査陣が翻弄されまくるところなどちょっと好きでした。本当にこんな人が身近にいたら困るけど。) 昔見た感想なので、今見るとまた違うかもしれません。
怪しい映画は見たくないわ!と思われる方も、そういうシーンは飛ばしてみても、私は楽しめる映画だと思うのですが。
(あ、でも、子供さんと一緒とかはダメです。それと他の人と見る場合もヘンな誤解を呼びそうなので気をつけて。気まずいかもしれません。かといって、こっそり見ても怪しいしなあ。。。)
マイケル ダグラス(顎がわれている?)はなんだかこういう エッチっぽい役柄が多いですね。
■原題 Someone to Watch Over Me
■公開年 1987年
■監督【著者】 リドリー・スコット
■星 ★★★★
誰かに見られてるSOMEONE TO WATCH OVER ME
■説明
お金持ちの独身女性( ミミ・ロジャース)が命を狙われ、そのガードにつく警官(トム・ベレンジャー )が、妻帯者でありながらその女性に惹かれてしまうという映画。
■感想
公開当時に、おすぎとピー子が 「もう。すばらし〜ぃの」とうっとりとしゃべっていたのを思い出します。たしか、主役の女性が胸につけていたのがシャネルだったとかなんとかそういうことと、家の中の様子や高級アパートの様子など。
誰かに見られている。。。の歌ではじまります。この歌と 夜の摩天楼の映像とがすごく綺麗で、す〜っと映画の世界にひきこまれました。
監督は、ブレードランナーや ブラックレインのリドリースコットです。
主婦の身でありながらこういうことを書くと問題かもしれませんが、たしかに、警官の方にたつと、妻は子供と生活につかれており、豪華で生活感のないそうして、フィアンセがいても不幸せそうな女性につい、ひかれてしまうという気持ちは、物語としては説得力あるかもしれません。
主婦としては、これを反面教師とし、疲れ果てて魅力ナシの妻にならないように努力しよう。
独身の頃に見たので、今みると「このヒト許せない!」と、感想が変わっているかもしれません。
でも、この音楽と摩天楼の映像は何回みても本当に綺麗ですよ。
リドリースコットの映画と知らずにブレードランナーとこの映画が好きになったので、リドリースコットの映像に無意識に引かれる部分が私にあるのではないかと思います。
■原題 Shine
■公開年 1996年
■監督【著者】 スコット・ヒックス
■星 ★★★★
シャインSHINE
■説明
このデビット・ヘルフゴットは、父の英才教育を受けた末に精神の均衡を欠いてしまった人であり実在の人です。ヘルフゴッドもピアノの才能をみとめられていたのですが、演奏後に倒れてしまい、それ以降表舞台から忘れ去られてしまいます。
1997年には主演のジェフリー・ラッシュがアカデミー主演男優賞を受賞しました。
■感想
ネタバレ含みます。
前半のデビットが倒れるあたりまでは緊張の連続です。
ジャケット写真にのっていたように、幸せになった彼、よき理解者を得た彼の後半の部分は
人によっては退屈と思われる方もいらっしゃるようでした。
私は、この後半、理解者があらわれたことハッピーエンドであることは実話であることですし、とても嬉しく感動して見ました。
■原題 Amadeus
■公開年 1984年
■監督【著者】 ミロス・フォアマン
■星 ★★★★
アマデウスAMADEUS
■説明
モーツアルト(トム・ハルス)の死因は、才能に嫉妬したサリエリ(F・マーリー・エイブラハム)が原因!という話。
彼の告白から映画が始まります。
■感想
面白いサイトも発見!
">http://www4.plala.or.jp/trillweb/c_amadeus.htmさて、この映画はサリエリの告白という形で見てその筋の斬新さに最初は驚いたよくできた物語という印象が強かったのですが、
今回見直してみて、サリエリの気持ちが実によく描かれている気がしました。
彼は努力してあそこまでの地位を得た人だった。
しかし、相手のモーツアルトが、自分が昔から「悪い」と教えられ、軽蔑するべき行動ばかりとるような人間だったら。
なのに、まざまざと天才の才能を子供のような無邪気さから悪気なく見せ付けられていたら。
以前見たときは全体がとても面白かったのですが、今回みなおしてみて、セリフ面のうまさも感じました。
サリエリがモーツアルトの作り出す音楽の美しさを誰よりも理解し賛美していることがそのセリフから伺えます。
そうして、それが理解できるだけに、自分の作り出す音楽との力量の差に悩み苦しむところが。
単に、才能をもっているからというだけの嫉妬ではなく なぜ彼が許せなかったのかというのが分かるような気がしました。
一度目に見たときは、モーツアルトの強烈な性格に流されてしまったのですが、じっくりみるといろいろと感じることのある映画だと思います。
■原題 Shakespeare in Love
■公開年 1998年
■監督【著者】 ジョン・マッデン
■星 ★★★★
恋におちたシェイクスピアSHAKESPEARE IN LOVE COLLECTOR'S EDITION
■説明
ジョセフ・ファインズ(シェイクスピア)は売れない劇作家。演劇好きの(ヴァイオラ)グィネス・パルトロウと 女王陛下の観劇会で初めてで会う。 ヴァイオラは、演劇にでたくてしょうがない。男装して、オーディションを受ける。
そうして、ロミオとジュリエットと話が交錯しながら進んでいく。
■感想
衣装や町並みがすばらしい。その時代にタイムとリップしそうでした。
グィネス・パルトロウのインタビューの様子はテレビで見たことがあったのですが、さほど印象に残っていませんでした。
また、シェイクスピア役の俳優においては、ほとんど私は知りませんでした。
ところが、一歩映画の中で彼女・彼を見るとそれはそれは魅力的に変貌していて驚きました。
グィネスパルトロウの金髪に合った衣装や表情の美しいこと。
眉の濃さが気になっていた シェイクスピア役のジョセフ・ファインズも魅力を充分に発揮していました。
これが役者の役者たるところなんですね。
ただこの映画、根底のところで私には受け入れがたい描写が多かったのが、いまひとつ乗り切れなかったです。
グィネスパルトロウが ジョセフファインズと惹かれあうのはわかっても事の展開が急激すぎて
恥じらいがなさすぎるというか。。。ロマンチックというよりも。。。
映画を見る自分の境遇によって、評価が変わるものでしょうから今の私の境遇がそれにあわなかったのかもしれないと思いました。
しかし。全体的には大変面白かった。
DVDには おまけ映像がいろいろついています。
カットされた場面よりも 実物の映画に 使われた場面だけのほうがずっとよくできているのは 監督の力なのだなと納得しました。
※子供さんと一緒に見るには問題のある場面があると思います。
=====少しネタバレ=========
この二人の関係について、期限付きの恋を楽しむと評している人がいたけれど、私はまた
別の意味合いでとらえました。
そうではなくて、彼女は運命を受け入れながらも前向きの強い女(もしくは、現実的なクールな女)だったのだと思う。
その強さの象徴が、エンディングの映像にあるように思いました。
■原題 Bram Stoker's Dracula
■公開年 1992年
■監督【著者】 フランシス・F・コッポラ
■星 ★★★★
ドラキュラBRAM STOKER'S DRACULA
■説明
おなじみのドラキュラですが、
怖い化け物物語というより耽美的な映像によるドラキュラのラブストーリーです。
死んでしまった最愛の王妃にそっくりのミナをみつけたドラキュラは....
■感想
コッポラが監督した作品のドラキュラです。
印象は、こうもりに変身したドラキュラがあまりにも醜悪で、ちょっとイメージと違う。。でした。
あくまでも 化け物っぽくて、突然ロマンチックなドラキュラの話から化け物映画になってしまう。
でも、本当に化け物がいたら、こういうものかもしれませんね。
衣装や映像は とても綺麗。
記憶がさだかではないのですが、多分この映画だったと思うのです。
赤のドレスが 綺麗に空気になびいて美しかったのが頭にあります。
でも、ウイノナ・ライダーは 地味な服だったよなあ。この映画ではなかったかな?
もう一度見てみたいです。
コウモリ ドラキュラが出てきた時の描写は、ちょっとあからさまで私はあまり好きではなかったです。
たしか、ドラキュラ伯爵のゲイリー・オールドマンが なんだか田村正和そっくりに見えてしまった
ような変な記憶もあり。
■原題 Howards End
■公開年 1992年
■監督【著者】 ジェームズ・アイボリー
■星 ★★★★★
ハワーズ・エンドHowards End
■説明
植物で思い出す映画のひとつ、「ハワーズエンド」
イギリスの郊外の家にまつわる 運命的な不思議なお話です。
明確な起承転結とか勧善懲悪があるわけではないのですが、その家をとりまくエピソードが
続きます。
■感想
たんたんとしたエピソードが続くのですが、その不思議な雰囲気に飽きません。
じんわりと好きになり、最後に不思議な運命を感じるような映画です。
郊外のその家を持つお金持ち(上流階級なのかな?)と、都会の(中産階級かな?)家の違いに驚き、また、線路の下の住まいに驚き、(都会の家のなんと狭いこと。日本の住宅とはりあうような狭さではないでしょうか)
その郊外の小さな、質素な家と一見草深くみえる庭のよさを認めてくれる人は。。。
などと考えたりしました。
しっかりもののお姉さんにエマ・トンプソン (優しそうだけどちょっと間延びした顔で美人ではなさそうですね。でも、演技力には定評のある人です)
「眺めの良い部屋」に出てきたホームベース型の顔の中心に目鼻とおちょぼ口がついているような
ヘレナ・ボナム・カーター も惚れっぽい妹の役で出てきます。
■原題 七人の侍
■公開年 1954年
■監督【著者】 黒澤明
■星 ★★★★★
七人の侍
■説明
世の中は不景気。農作物もあまりできず、浪人がごろごろしている。
そんな世に、度重なる野武士の襲撃に耐えかねてある村で、侍を雇おうということになった。
そうして、町にでかけ、協力してくれる侍を探す。しかし、村にも金はわずか。米もわずかなのだ。
■感想
たらこクチビルの志村喬が思慮深く、剣の達人としてでています。ステキです〜。
有名なところで、三船敏郎が出ています。
私が知っているような、苦味ばしった、渋い三船敏郎ではなく、野ザルのような敏郎です。
彼には彼の秘密があるのです。
そうして、その生い立ちをよみとれるような名演であるように思いました。
最後に、すかっとするような後味の良い映画です。
■原題 Conspiracy Theory
■公開年 1997年
■監督【著者】 リチャード・ドナー
■星 ★★★★
陰謀のセオリーCONSPIRACY THEOR
■説明
メル・ギブソンは、誇大妄想狂っぽいタクシー運転手。いつもお客に自分が想像した国家レベルでしくまれた陰謀をペラペラとしゃべりつづけている。
彼はなぜか、司法省に勤めるジュリア・ロバーツにその内容を伝えようと何度もやってくる。
そうして、彼女の家を見張る。(ストーカーのよう)
■感想
導入部からの メル・ギブソンがあまりにも「なんか、この人。。マズイ。アブナイ。」
という空気がうますぎて、最後まで見られないかと思いました。(そういうの、苦手なんです。
タクシードライバー:ロバート・デニーロも名作だったらしいのですが、苦手な部類)
メル・ギブソン自身も 危ない人で、誰が本当に恐い人なのか分からない。
なにがおこっているのかわからない。何が本当で何がウソなのか。その謎が解けてきたときに
。。という緊張感漂う、面白恐い映画でした。
メル・ギブソンは 顔は「良い」部類に入るのでしょうか?私はいまひとつ苦手なタイプでは
あるのですが、彼のリーサル・ウエポン シリーズは好きな映画です。
彼について、苦手な人も多いようですが、この映画で私は彼の演技力というものを実感したように
思います。
ジュリア・ロバーツは、なぜか美人ですよね。 顔のパーツを一つ一つ見ると
大きな口であまりバランスが良いとは思えないのですが、すごく魅力的。
見ただけで清楚な雰囲気がするのは、どうしてでしょう。 好きな女優の一人です。
ネタバレです。=============
ネット検索すると、メル・ギブソンのアクションシーンでこの話を乗り切っているとか、 演技があまりうまくないように書かれている方もいらしたのですが、 アクションシーンについては、彼は殺し屋の また、演技については、前半の彼、とラストに |
■原題 Nuovo cinema Paradiso
■公開年 1988年
■監督【著者】 ジュゼッペ・トルナトーレ
■星 ★★★★★
ニュー・シネマ・パラダイス...NUOVO CINEMA PARADISO
■説明
映画が大好きな少年トトは、パラディーソという名の映画館に入り浸りです。
映写技師のアルフレードにあこがれています。
子供の頃から映画が大好きで大好きで。。という子が大人になったら..。
■感想
映画館で最初にみてから もう何度も見ました。
トトの子供の頃が可愛いいと評判になりましたが、ただそれだけの映画ではありません。
イタリアの片田舎の(実際はシチリア島あたりの島で撮影したとか。。)雰囲気もよく、
暖かく、見た後に感動の残る映画でした。
なぜ涙がでるのかわからないままに
画面に映った主人公の微笑みをみながら涙をだしていました。
音楽がやさしくひきたてています。
いろいろなバージョンがでていますが、どれも少しずつ違っていますので、見比べてみても楽しいかもしれません。
■原題 Les uns et les autres
■公開年 1981年
■監督【著者】 クロード・ルルーシュ
■星 ★★★★★
愛と哀しみのボレロ
■説明
ボレロにまつわる小さな個人個人の物語がひとつひとつ描かれ
それが織物のように折り合わされていきます。
随分前にみたものなのですが、モスクワ、パリ、ベルリン、ニューヨークで別々に始まった物語がラベルのボレロの旋律のようにながれはじめ〜 関わりはじめ というような、音楽と映像と物語が一体になっていくような感じをおぼえています。
■感想
長編の映画ですが、それぞれの物語にひきこまれて見ました。
■原題 Ludwig
■公開年 1972年
■監督【著者】 ルキノ・ビスコンティ
■星 ★★★★★
ルートビヒ ― 神々の黄昏...LUDWIG
■説明
ルードヴィッヒ2世(ヘルムート バーガー)が繊細で、純粋だったゆえにたどった人生とは。
■感想
ルードヴィッヒ2世は実在の王であり、
地下に洞窟を作った実在のノイシュヴァンシュタイン城などを作りました。
画像が豪華絢爛。目を奪われます。
そうして、繊細なルードヴィッヒ(ヘルムートバーガー)、美しいエリーザベト(ロミーシュナイダー)
の出てくる物語に少しずつ引き込まれていきます。
レンタルビデオですが、何度も見た映画です。
長い映画です。
■原題 Blade Runner
■公開年 1982年
■監督【著者】 リドリー・スコット
■星 ★★★★★
ブレードランナー 最終版BLADE RUNNER:THE DIRECTOR'S CUT
■説明
ロサンゼルスは日本語、英語、中国語混沌とした町。廃墟と化した町並みと立派なビルが立ち並ぶ。
ハリソンフォードは、現在は引退しているが 見かけは人間と見分けがつかず、能力は人間以上の
レプリカントの処分を行っていた 元「ブレードランナー」だった。
その彼に、突然仕事の依頼が来る。
■感想
ショーンヤングの美しさにくぎ付け。
映画館で見てすっかりとりこになってしまい、
その後何回か映画館で、そうしてビデオでと
もう何十回も見ている映画です。
最初の虹彩に写る炎の色からすっかりとひきこまれ、この映画はひとつの未来の町のプロトタイプとなっているようにもおもいます。
レプリカント役ででていたルトガーハウアーも
人気がありましたね。
つくられて、しばらくしてから感情をもつようになってきたレプリカントの葛藤に感情移入してしまい、美しい映像とその悲しさが印象にのこっています。
■原題 12 Monkeys
■公開年 1995年
■監督【著者】 テリー・ギリアム
■星 ★★★★★
12モンキーズ12MONKEYS
■説明
はじまると同時に赤いサルの模様がぐるぐると螺旋階段のように、こまの模様のようにどんどんと
中心に向かってまわりながら、アコーディオンのアンバランスでギクシャクしている古風なメロディとともに
印象に残ります。 舞台はウイルスで地上が汚染されてしまい、人類は地下生活をしている未来。
ダイハードで有名な ブルースウィリスが使命をあたえられ、現代までタイムとリップします。
■感想
この未来像は、汚く雑然としているようなのですが、その中にもひとつのまとまりがあり
美醜と分けると醜に入るものでしょうが、不思議に私には受け入れやすい映像です。
物語は未来からの謎解きを中心にすすんでいきます。
この映画にはブラッド・ピットも出演しています。彼の演技は、好き嫌いがあるようでしたが、私は通り一遍の二枚目役ばかりでなく
こんな役もできるということで、彼を見直しました。
■原題 Milou En Mai
■公開年 1989年
■監督【著者】 ルイ・マル
■星 ★★★★
五月のミルMIROU EN MAI
■説明
場所はフランスの田舎町。
おばあさんのお葬式に親族がぞくぞくと集まってきます。お葬式といっても、なぜか淡々としていて ちょっぴり明るい。
■感想
映画館で公開されたものを見ました。
家族のなかの出来事を傍から見ているような感覚の映画です。
印象としては、明るい日差し、美味しそうで楽しそうなピクニックの様子。ミルの無邪気な笑い顔。
そういうどちらかというと 気持ちのよいフランスの田舎の昼下がりのような映画だったと記憶していますが、 ここに書こうと思ってネット検索してみると、どうやら なんだかドロドロしたものもあったようですね。こちらのほうはすっかりと私の頭の中からけしとんでいました。
相手の振る舞いを傍からみていて くすっとおかしくおもったりあらあら。。と驚いたりという 観客は小さな感情の起伏を感じられるけれども、全体は幸せな映画だったように記憶しています。
もう一回みてみるとどうだろうかなあ。。。。
■原題 The Name of the Rose
■公開年 1986年
■監督【著者】 ジャン・ジャック・アノー
■星 ★★★★★
薔薇の名前THE MAME OF THE ROSE
■説明
中世の僧院で、殺人事件が起こります。
そこに偶然居合わせたたびの僧侶(ショーン・
コネリー)がそれの謎解きをしていくミステリー映画です。
これは筋よりも、なによりも、映画をみなければその魅力はわかりません。
■感想
渋くて適度に汚いところが良い味でショーンコネリーが素敵だった映画です。
実は年とってからのショーンコネリーのファンだった頃があります。
肉体派よりも 頭脳派な役どころのほうが好きです。
■原題 The Philadelphia Experiment
■公開年 1984年
■監督【著者】 スチュアート・ラフィル
■星 ★★★★
フィラデルフィア・エクスペ...THE PHILADELPHIA EXPERIMENT
■説明
フィラデルフィアで行われた戦艦を見えなくする実験が発端のSF。
アメリカで本当にそういう実験があったとかなかったとかいう話もあります。
■感想
もう古くなってしまったので、SFX技術が進んだ今見てみるとつまらないかもしれないが、面白かった記憶がある。
最近はみていないので、見直してみたい。
■原題 Screamers
■公開年 1996年
■監督【著者】 クリスチャン・デュゲイ
■星 ★★★★
スクリーマーズSCREAMERS
■説明
兵器として開発された、生物を切り刻んでしまうスクリーマーという機械(ロボット)がこの題になっています。遊星からの物体Xとにたような雰囲気のSF映画です。
■感想
最後のオチが少し不満だったようなきもしますが、途中のハラハラはとても楽しめたと思います。
後からブレードランナーや、トータルリコール等の原作者のフィリップ.k.ディックの原作だということを知りました。
ブレードランナーもトータルリコールも大好き。
以下ネタバレ
もしかして、絶望的な未来をどうにかしようと微力ながら戦っている人間っていうのが好きなのか?
■原題 The Thing
■公開年 1982年
■監督【著者】 ジョン・カーペンター
■星 ★★★★★
遊星からの物体X THE THING
■説明
場所は南極基地。
犬を追いかけるヘリから始まる。なぜ犬を追いかけるのか。犬を助け、最寄の基地まで行ってみると人っ子一人いない。
■感想
SFX技術が進んできて、最近では映画で何が起ころうとも驚くことがないようになりましたが、
この映画を最初に見たときはショックでしたね〜。これはこれなりに、今でもすごく恐いと思います。
夢にでてきそう。
■原題 Copycat
■公開年 1995年
■監督【著者】 ジョン・アミエル
■星 ★★★★
コピーキャットCOPY CAT
■説明
シガニーウイーバーは犯罪心理分析医。講演で、「犯罪者は、ごく普通のあなたの隣にもいるような人が多い」(数年前に見たので詳細は失念しています。ごめんなさい)と講演する。
そこのトイレで、暴漢におそわれてしまう。そのショックで彼女は外出恐怖症になってしまう。
■感想
セブンと一緒の時期に公開されました。
「じっくり」に登録しましたが、あまり真剣にみてなくても筋は追えます。
怖かったです。一回見終わってからもう一度最初の画面を見てみるとまた発見があります。
■原題 Farewell My Concubine
■公開年 1993年
■監督【著者】 チェン・カイコー
■星 ★★★★
さらば、わが愛〜覇王別姫覇王別姫 FAREWELL TO MY CONCUBINE
■説明
京劇が舞台の香港映画。
子供の頃から 訓練して人気俳優と女形として
押しも押されぬ地位についた二人の幼馴染の話。
1993年度カンヌ映画祭パルムドール賞受賞
■感想
鮮やかな京劇の世界。蝶衣(レスリーチャン)の思いがまた純粋で泣けます。
この映画を見た後、なぜかヒスイの腕輪がほしくなり、探しました。(結局ほとんど使わずに家にあります。高くて緑色のものは購入せず。それはそれでよかったのかも。高いたんすの肥やしになるところだった)
■原題 Kiss of the Spider Woman
■公開年 1985年
■監督【著者】 ヘクトール・バベンコ
■星 ★★★★
蜘蛛女のキスKISS OF THE SPIDER WOMAN
■説明
舞台は牢屋の中。二人部屋の住人は一人はゲイだった。繰り返し語る話は夢見がちなストーリの蜘蛛女の話。
■感想
ゲイ役のウイリアムハートの一途な思いがあまりにも純粋で。
見てから随分たつけれども、何度も挿入される蜘蛛女の映像が印象的。
全体的に 悲惨な話だけれど かぎりなくロマンチックだったような記憶がある。
■原題 The Professional Leon
■公開年 1994年
■監督【著者】 リュック・ベッソン
■星 ★★★★★
レオン 完全版LEON
■説明
主演の女優ナタリー・ポートマン (子役)と ジャンレノで有名な映画です。
ジャンレノは殺し屋。同じアパートの住人の家のトラブルに巻き込まれ、ナタリーポートマン
を助けることになる。
血みどろシーンなどあるので、嫌いな方はダメかも。
■感想
ジャンレノがずっと一株の観葉植物を大事にしているのが印象的でした。
この植物がアグラオネマだったというのは、偶然しりました。
====内容にふれます==========
最初にこの映画をみたとき、突然の冒頭の映像の美しさに
息をのみました。それも、美しいものではなくて
たしかそれはシャッターに打ちこまれるマシンガンの弾の
跡から射す日差しでした。
螺旋階段もあったように記憶しています。こちらも美しかったですが、やはり冒頭のシーンはやられた!とおもいました。
このビデオ。貸したきり帰ってこなかったので、なんだか残念で DVDを購入しました。こちらは完全版。
ところが、、完全版は。。冒頭のシーンの前に場面があり
あの画像の鮮烈さが死んでいました。残念。
■原題 Malice
■公開年 1993年
■監督【著者】 ハロルド・ベッカー
■星 ★★★★
■説明
ニコール・キッドマンとビル・プルマンは夫婦。医者のアレック・ボールドウィンを同居させることになる。
巷では女子大生連続殺人事件があり、物騒だ。
■感想
ニコール・キッドマン。トム・クルーズとわかれる頃からの彼女はすっかりと
恐い顔になっちゃって(化粧のせいかな)、オジ風オバとしては残念なかぎり。。。
まあ、良く言えば 今は「オトナの女」ってことかもしれませんが。オジ風としては引きます。
この映画の頃は天使のような、まあ〜カワイイお顔(<=淀川風) ええなあ〜 *^_^* ポッ。(記憶をたどると前歯がカワイかったような)
これは、サスペンスで 内容の一転二転がたのしめないと一気につまらない映画になるので、見るつもりの方は、ネットで筋など検索しちゃうとつまんないからご注意を。
===ネタバレあります=======
ニコールキッドマン。。。本当にカワイイ顔してそこまでえげつないか?っていう役でした。
しかし、この落差がすごくよかった。
いや。。実際にそんな人がいたらすごく恐いし。
■原題 Fatal Attraction
■公開年 1987年
■監督【著者】 エイドリアン・ライン
■星 ★★★★
危険な情事...Fatal ATTRACTION
■説明
妻子のあるマイケル・ダグラスは、知り合ったグレン・クローズと軽い気持ちで ベットを共にする。
それだけのつもりだったのだが。。。
■感想
とても有名になった映画ですが怖かったですねえ。。主役のマイケル・ダグラスはそういう顔つきなのか、こんな風な「えっちっぽい」すぐふらふらする役が多いように思います。
私は「真性オジ」ではなくて「オジ風オバ」なのでこんな風に「ちょっとふらふら」っていうのは理解できないし「いけないのは、アンタです!」と思うのですが、それにしても グレン・クローズが コワカッタぁ〜。
この人マユが薄いからか怖い役が多いです。
■原題 The Russia House
■公開年 1990年
■監督【著者】 フレッド・スケピシ
■星 ★★★★★
ロシア・ハウスThe Russia House
■説明
ショーン・コネリーとミシェル・ファイファーが主演のロシアが舞台の映画です。
冒頭には有名なキスチョコのような形の屋根の寺院。赤の広場の聖ワシーリイ寺院がすごい迫力でせまり、一気に映画の世界に入り込みます。
■感想
内容はスパイ物なんですが、このショーン・コネリーが まったく汚いオヤジで、いい味だしてます。
お風呂なんか2週間くらい入ってないのではないかと思うほど汚いです。
そのオヤジ(小さな出版社の社長)が諜報活動にまきこまれていく話で、基本的にはジジ恋物です。
が、この「汚い」「ジジ恋」の二つで引かないでぜひ見て欲しい映画です。
この汚さがあるからこそ、感情の純粋さが引き立つ映画だと思う。
このミシェルファイファーがものすごく美しくて
(彼女は決して典型的な美人ではないと思うのですが)音楽がまたちょっと悲哀を感じる音楽で、あっという間に映画の世界に入り込んでいました。
===ネタバレあります=====
映画を見てから読んでくださいね。
酔っ払いの汚いジジイのショーン・コネリーが
はじめて ミシェル・ファイファーを見たときのあの表情。うなりました。まさに一目ぼれ。
彼と一緒に私も一目ぼれしてしまったようです。
■原題 Solaris
■公開年 1972年
■監督【著者】 アンドレイ・タルコフスキー
■星 ★★★★★
惑星ソラリス
■説明
映画やSFが好きな方には有名だが、かなり古い映画であることから、ご存知ない方も沢山いらっしゃることかと思う。
私もレンタルビデオではじめてみたのだが、その後何度も見たくなり、とうとう手元に置きたくなりDVDまで頼んでしまった。それほど好きだ。
(DVDってマニア?向け物はちょっと高いのですね。。足もと見られてるみたい。。ぐっすん)
ソラリスという惑星を調査に行っているステーションが音信不通になる。そこで起こっていたことは。。
■感想
人間の感情の奥底にあるもの。外には表さない悲しい部分。
なんとも言葉に言い表せない自分の感情が映画を見ることによってあふれてくるようなそんな感想を持った。
もしかすると このソラリスも、見る人により感想が違い、またこの映画自体が 映画の中の惑星ソラリスのように振舞っているのかもしれないと思う。
■原題 Falling in Love
■公開年 1984年
■監督【著者】 ウール・グロスバード
■星 ★★★★
恋におちて
■説明
クリスマスの書店で、本の取り違えをしてしまったメリル・ストリープと ロバート・デニーロは次第に会うのが楽しみに感じるようになる。
■感想
有名になった 不倫ものの映画です。こちらのメリル・ストリープやロバートデニーロは オジ・オバ でありながら、中学生、高校生のようなかわいらしさがあり、惹かれていく過程が
二人の演技で引き立っています。
随分前にみたままの印象で書いているので間違っているかもしれませんが、人に恋をしてしまう過程とココロの揺らぎがうまく表現されていて、ドロドロとしていないロマンチックな映画だったと記憶しています。
また見たい映画です。
■原題 The Bridges of Madison County
■公開年 1995年
■監督【著者】 クリント・イーストウッド
■星 -(なし)
マディソン郡の橋
■説明
メリル・ストリープと クリント・イーストウッドの不倫物語です。
一目ぼれした二人はたった4日間だけ一緒に過ごします。
■感想
私は気持ち悪かったです。
とりあえず、オジサンとオバサンの一目ぼれの話なんですが、クリント・イーストウッドに惹かれた理由がわからなかったし。
もう一度見たいとは思わない映画でした。
なぜあんなにヒットしたのかがよくわかりません。
■原題 Out Of Africa
■公開年 1985年
■監督【著者】 シドニー・ポラック
■星 ★★★★★
愛と哀しみの果てOUT OF AFRICA
■説明
前に書いた バベットの晩餐の著者 アイザック・ディネーセンの原作です。
アイザック・ディネーセンの実体験をもとにしているという話と聞いていますが、
この映画の見所はたくさんあります。
メリル・ストリープはお金持ちの娘。結婚後、夫とともにアフリカへ旅立つ。ところが予想していた結婚生活とは違い、夫は家にいつかない。彼女はひとりで農場を切り盛りしていくことになってしまった。そうして。。。。。
アカデミー作品・監督・脚本・撮影・作曲・美術・音響 の賞をとっているそうです。
■感想
見所は他にもたくさんあるのですが、
・ファッション。 メリル・ストリープの演じる主役は お金持ちの
役ですから、暑いアフリカへ行くのに麻のドレスを沢山着替えます。
暑さを感じないぱりっとした白のファッションが土の色に映えてとても綺麗です。
・アフリカの自然。 すばらしく綺麗な映像です。
本当は映画館で見るのが一番堪能できると思います。
私は 飛行機のシーンで見られるところがものすごく美しくて大好きで、印象に残っています。
詳しくは書かないことにしましょう。
・ロバート・レッドフォードとの大人の恋愛ものですが、ドロドロせずプラトニックな美しい話です。女性にはオススメの話です。じっくりとハンカチを用意してみてください。
ロバート・レッドフォードも最近はじい様になってきてまだまだ健在という役を見かけますが
あの年であの役はちょっとキモイというものもあるように思います。
この映画の頃は素敵に演じていると思います。
■原題 Babette's Feast
■公開年 1987年
■監督【著者】 ガブリエル・アクセル
■星 ★★★★
バベットの晩餐会BABETTES FEAST
■説明
舞台は、北欧。以前テレビで見た、アイルランドの漁村のような、さびれた貧しい信心深い村に、身寄りのない女がやってきた。
年をとるまで独身で通した姉妹の家で家政婦として働くこととなる。
知らなかったのですが、私の大好きな映画
(愛と哀しみの果て:原題 Out of Africa)
の著者と同じ アイザック ディネーセンの原作だったようです。
■感想
何も事件のないような平凡な毎日を送る村に
おこった出来事。
これは、まえもってあまり知識をもたずに見たほうが楽しめると思います。
==ネタバレあります===
前半に出てくる、パンをビールにつけて。。とか干した魚(記憶で描いているので、間違っているかも。)のまずそうなこと。
しかし、これがあるから 後半の話が生きてきます。
単に食べ物の話だけでなく、小さなドラマも織り込まれており、このあたりが映画の醍醐味だと思う。
まさに、食べ物は人を幸せにする。
■原題 Dune
■公開年 1984年
■監督【著者】 デビッド・リンチ
■星 ★★★★
デューン/砂の惑星...DUNE
■説明
西暦10191年というとてつもない未来のお話で、舞台は 複数の惑星(カラダン、デューンなど)での、王家の勢力争いという筋です。
カイル・マクラクラン 主演 ブレードランナーでレプリカントの役をやった ショーンヤングがとても綺麗で印象にのこりました。
変わったところでは スティングも出演しています。
■感想
長い映画でしたが。。はまりました。
眠れない夜に何度もみてたりしたかも。
どちらかというと 重苦しい画像の暗い映画です。
まずは、少し不快感と威圧感を伴う建物のセットに違和感を感じます。(この雰囲気は、ヨーロッパの聖堂をみたときに同じ思いをしたことがあります。)
しかし、この最初の導入部をのりきると一気に不思議な世界の物語に引き込まれていきます。
最初に字幕がでて、背景説明がありますが、そこを読みのがすと筋をとらえにくいかもしれません。
ネット検索をしてみたら、宮崎アニメの風の谷のナウシカの元ネタとかかれていたところもありました。
===ネタバレあります===
たしかに、これの後にナウシカがあったのですが、類似性が気になったことを思い出しました。(しかし、筋としてはまったく別の話になると思います。ナウシカの王蟲は思考感情を伴う生き物として描かれているのに対して、こちらの wormは思考をもたない只の虫としてかかれているように思います。)
■原題 Titanic
■公開年 1997年
■監督【著者】 ジェームズ・キャメロン
■星 ★★★★★
タイタニック
■説明
良く知られている、豪華客船タイタニック号の悲劇に、レオナルド・ディカプリオ と ケイト・ウィンスレット 主演の 恋愛物語がからむ。 映画の予告編では 船のへさきで、二人が両手を広げて風にあたっている様子が有名。
■感想
予告編を見て、劇場から出た人のインタビューも見て、「よかったです〜」なんて泣いているのを見ると、あまりにクサそうなので見ないかなあ〜とおもっておりましたが、ビデオで見て、その印象に反して、本当に面白かった。
そうか、お決まりのラブストーリーこの手があったか。
という設定。それに、やはり豪華絢爛な様子は映画ならでは。 堪能しました。
恋愛映画、レオナルド・ディカプリオに興味ある方はもちろん。 「恋愛ものはかったるくて。。」という方も一度見てみてもよいかもしれません。
ケイト ウインスレットは ちょっとぽっちゃりしすぎているかなあ。。と思いましたが、
お金持ちのお嬢様なので 違和感はあまりなかったです。
■原題 Moonstruck
■公開年 1987年
■監督【著者】 ノーマン・ジュイソン
■星 ★★★★★
月の輝く夜にMoonstruck
■説明
Moonstruck は 気が狂ったという意味らしい。 たしかに、日本語でいうと「どうかしている」ような出来事。
白髪がめだつようになってきたヒロイン(シェール)は プロポーズされる。
結婚相手の弟のところへわけあってでかけていくはめになるが、それからが どうかしちゃってることの連続。
■感想
シェールとニコラスケイジ ふたりとも美男美女ではないと思うし、性格派というか。。しかし、この映画、不思議なテンポで 最初から なんとも不思議な設定にひきこまれてしまいました。 イタリア人という設定も、ふ〜ん。イタリアならばさもありなん。なんて。。。
そうして、いつのまにか オペラにひきこまれるようにこの不思議な話しに引き込まれてしまいました。
大抵、設定に無理がある話を見ているとストレスがつのってくるのだが、このはなし、さりげなさすぎるが「うそ〜」という出来事の連続。
面白かったです。 音楽も最高。
自分の年を自覚してきて、もう私にはロマンスなんてないのかも?なんて思っているあなたが
さりげな〜く主人公になれてしまうような。
見終わった後、とても幸せで満ち足りた気分になるような、でもどうかしちゃってるような話です。
(記憶を頼りに書いています。)
===ネタバレあります===
お兄さんとの結婚話のときには、疲れた、ただはっきりした、女性だったシェールのオペラの待ち合わせでの 目を見張る変身ぶり。 ニコラスケイジも。ぜんぜん違う。
恋とはこんなものなのね〜。なんて楽しみました。
■原題 Green Card
■公開年 1990年
■監督【著者】 ピーター・ウィアー
■星 ★★★★★
グリーン・カードGreen Card
■説明
がっちりとした体と大きな鼻の ジェラール・ドパルデュー と いつまでも少女の面影のあるアンディ・マクドウエル が主演です。
アンディ マクドウエル は、夫婦者しか住めない 温室付のアパートに惚れ込み、そこに住む資格を
得るために 面識の無い人 (=>グリーンカードを欲していたジェラール・ドパルデュー)と偽装結婚をします。
■感想
衝撃的な事件はありませんが、心に訴えかけるものがあるような、
きっと好きになる映画だと思います。機会があったらどうぞ。
’91年度にゴールデン・グローブ賞2部門受賞した作品だそうです。
ネタバレも少し======
ジェラールドパルデューは、見た目もあまり一般受けするようでもありませんし、身なりも
かまいません。もちろんお金もないし。
でもみていくうちに 役柄の中の彼の良さが しみじみとわかってきて
そのうちに映画に引き込まれていくような。。。 そんな映画です。
サロン風な場でのピアノ弾き語りの場も印象的でした。
(マダムに ジョージ・フォーレ(ジェラール・ドパルデュー)ってあの
作曲家のフォーレ(家?)なの?<=うろ覚えですが
なんて いわれちゃうほど 叙情的な弾き語りだったようです。)
私もうっかり涙でました。
■原題 Another Woman
■公開年 1988年
■監督【著者】 ウディ・アレン
■星 ★★★★★
私の中のもうひとりの私ANOTHER WOMAN
■説明
老齢に差し掛かる頃の 主人公(ジーナ・ローランズ)は 大学教授。
彼女には、他の人からうらやまれるようなすべてのものがそろっているようで自分もそのように思っていました。
人からも完璧だとおもわれるようなキャリア、不自由のない生活。完璧に見える夫。etc.
彼女は論文を書くために アパートを借ります。隣はセラピストの部屋。
そこに通う女性(ミア・ファロー)の相談が漏れ聞こえ、それを聞くうちに 自分の人生に
疑問をもちはじめます。
■感想
自分の本当の幸せとはなにか?
非のうちどころのないと人からも見られ、自分もそう思っていたのだけれど。。
感動し、なぜか好きで 繰り返して何度もみました。
最後に見てから随分たつので、もう一度見てみたいと思います。
■原題 The Deer Hunter
■公開年 1978
■監督【著者】 マイケル・チミノ
■星 ★★★★★
ディア・ハンターTHE DEER HUNTER
■説明
ベトナム戦争に参加した若者たちを描いた映画です。
ロシアンルーレットが有名になった映画でした。
ロバート・デニーロ クリストファー・ウオーケン メリル・ストリープ
■感想
田舎町の美しい自然から一転してショッキングな戦争シーンがあまりにも対象的でした。
バックに流れている音楽がまた切なく美しい大好きなものです。
泣ける友情の話だと思います。