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September 06, 2006

【ネタバレ】 モンスター

注意)ネタバレ

この記事は ネタバレを含む感想です。本の冒頭のみ知りたい方は、下の ■説明 の部分のみお読みください。

■原題 MONSTER
■星   ★★★★

モンスター 通常版
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■説明
 アイリーンとセルビーがはじめてあったのは、アイリーンがたまたま入ったバーだった。 アイリーンは絶望して死のうと思っていた。セルビーは自分の人生につまずきを生じて気晴らしをしたいと思っていたときだった。 
 美貌で有名な シャリーズ・セロンが 役作りのために体重を増やし、メイクで変身したことで話題になった映画。

 アメリカ犯罪史上初の女性連続殺人犯、アイリーン・ウォーノスの実話に基づいた映画とのこと。

■感想
# ベルリン国際映画祭銀熊賞(女優賞)(2004)
# アカデミー賞主演女優賞(2003)
# ゴールデン・グローブ女優賞(ドラマ)(2003)
と、たくさんの賞をシャリーズセロンがとった映画ということで、知りました。 ところが、シャリーズ・セロンが出演した映画はいままであまり記憶になかったため、この映画でオスカーをとったシャリーズセロン(映画後のダイエットを終えた姿)を見ても、なんだかふけていて、コメントには「あの姿からダイエットしてここまで美しく戻るなんて信じられない」なんていうコメントがピンとこない感じでもあった。ドレスもいけなかったのか、胸がなく妙に寸胴な感じがしたし、眉がない顔は 「まあ、綺麗だけれどね」という印象。 でも、ネット検索すると、まあお人形さんのような美貌で、たしかにこの映画のリーと同一人物とは思えない。

 その程度の興味で「どんなに彼女が変貌しているか?」ということと、「いくつもの賞をとった映画だから」ということがこの映画を見ようと思った発端でした。

 最初の画像が出てビックリ。ものすごい老け方。メイクでつけていると思えるそばかすを差し引いても、あごの辺りのへの字口のたるみといい、あの口のあけかたといい、演技でそこまでできるのだろうか。10キロ以上体重を増やしたという彼女の体(ストリートピープルなので、風呂に入れないから、トイレで身支度をするシーンがある。)は、あんなに美貌の主でもこんな体になれるんだというオドロキがあった。そうして、今はたぶん元にもどっているんだよな。 別の意味で、「やる気があり、努力すればある程度綺麗になれるんだよ」と思いたくなるような、変貌振りでした。

 物語は、つらくて悲しい映画。救いが無い。
いくつかネット上に書かれている映画評を観たけれど、
これ以降 ネタバレです

彼女が、車が欲しいだけのために殺人を繰り返したり、うんざりした毎日から抜け出すために売春をしたんじゃないと私は思う。 彼女自身、今まで誰からも愛された経験がなかったからこそ、まだ子供じみていてワガママなシェルビーの駄々にさえ応えたいと思ったし、それを実現するためには、自分にはとる道が思いつかなかったし、なかったのだとおもう。食べるものがないからといって、「売春してたべさせてくれるっていったじゃない。どうして売春しないの?」なんて言われて普通に生活している人がその通りにするなんてありえない。自分が殺されかけて殺人を犯してしまってから、売春自体が怖くてしょうがないのに、お金を得る手段がそれしかないと思った場合。そこまでしても、シェルビーからの愛情(ほんとうに愛情か?共感か?)を失うのが怖かったのだと思う。しかし、そうはいってもつのる売春相手に対する嫌悪感で、自分は正しいことをしている。世の中の間違った汚い男たちに罰を与えていると思うようになってしまったのではないかと思ってみた。 同性愛傾向のあるシェルビーとの関係についても、家族の愛情を知らない自分にとって、自分を愛してくれているとはじめて思った人がたまたま女だったということなのではないかとおもいました。

 内容が内容だけに、ショッキングで醜悪な映像が多いです。家族や恋人と見る映画ではないと思います。
当初、女優の力量を見たいという軽い気持ちで見始めた映画だったけれど、アメリカに代表される社会の闇を思いました。そうしてとてつもなく悲惨で悲しい映画でした。

最後の最後まで、アイリーンの気持ちを 失いたくなかった。そのために罪を重ねていった。ところが、証言台に立ったそのアイリーンに冷たい表情で指を指されて 切り捨てられてまで、それでも強がって口をへの字にして仁王立ちして罵詈雑言を吐くしかない彼女の強さ(生きていくなかで身に着けた強がりだと思う)がとても悲しかったです。

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