■原題 A BEAUTIFUL MIND
■監督 ロン・ハワード
■星 ★★★★
ビューティフル・マインド | |
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■説明
天才と呼ばれた ジョン・ナッシュ(ラッセル・クロウ)は人付き合いが苦手。学生時代から人とうまくやっていけない。そんな彼でも、彼の人柄を認めてくれたのか 彼を理解してくれるルームメイトとめぐりあい、なんとなくこれからうまく人生も進んでいきそうな様子になってきた。
ジョン・ナッシュは実在の数学者で1997年にノーベル経済学賞を受けている人だということです。 彼は30歳のときに統合失調症に悩まされ始めたとのこと。
この映画は彼が数学者として認められる前から、ノーベル賞を受賞するまでを描いています。
■感想
この感想をネタバレせずに書くのはとても難しいです。私は何も知らずにこの映画をみはじめて、あまりの居心地の悪さに、一旦「どういう話なのか」とネット検索をしてしまったほどです。
以降、ネタバレします。
統合失調症(YASU-Qさんのページ) によると、
・統合失調症は胃潰瘍・十二指腸潰瘍を併せた「消化性潰瘍」の有病率と同じくらいよくある病気である。
・この病気の人とは、その症状以外はほとんど普通の人と変わらない様子で話ができる。
・症状は幻聴・幻覚などが現れる陽性症状と、心のなかに通常存在する働きが鈍っている陰性症状の2パターンがある。
(詳しくはリンク先をご覧ください)
この映画は後半にいたるまで見ている人を 現実と非現実の区別のつかないような危うい世界に置きます。見ている本人も少しずつつじつまが合わない世界の住人になり、何が現実で何が非現実なのか迷ってしまう。
見る側にとってみてはナッシュの世界や苦しみを疑似体験するような気がします。
アマゾンの映画評には 実際にはナッシュには幻覚症状は現れていなかったという記載がありましたが、映画の中の医者のせりふ
「この病気は自分の大切にしている思い出さえも、信じられないというつらい病気です」何が本当で何が幻覚なのかわからない、そのつらさを映画を見ているこちらも疑似体験しているかのようです。
ジェニファ・コネリーの芯の強い女性の演技はたしかにすばらしいと思いました。
しかし、女の私からすると、彼女が彼を愛したというきっかけが良く見えない。それが残念でした。たぶん、彼の数学的才能や素直な人格に惹かれたのだと思うのですが。 いや、もしかすると 映画を見る側にジェニファコネリーに愛されているという実感を与えないように、これも何が現実で何が嘘なのかわからないように 緻密に計算された演出だったのかもしれません。