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March 31, 2004

七年目の浮気

■原題 THE SEVEN YEAR ITCH
■監督 ビリー・ワイルダー
■公開年 1955年
■星 ★★★
七年目の浮気〈特別編〉the Seven year itch
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■説明
奥さんと息子が避暑にでかけてしまい、一人留守番することになったトム・イーウェル。
久々の独身気分を満喫し、羽をのばしているうちに、モテモテ妄想をはじめとする非現実的な妄想に翻弄される。 そんなところに、二階の部屋には若くてお色気たっぷりの娘さんが一人で留守を預かるらしくやってきたからもう大変。妄想に歯止めがきかなくなってきて。。。
 あの有名なマリリンモンローの白いドレスのスカートが 地下鉄の風でふわ〜っつという場面のある映画です。

■感想
 まったくオジサンの妄想ときたら、もうそこまできたら参りました。という感じ。難しい顔をして薀蓄たれながら、く〜らくら〜です。昔のアメリカのホームドラマ(奥様は魔女とか)で、テレビから笑い声がどっと上がるけれども、そんな感じにいつ笑い声がバックで流れてもおかしくないほど、もう浸りきってます。
 マリリンモンローは本人の顔とスタイルはお色気たっぷりだけれども、ココロは至って子供という雰囲気。オジサンの妄想の中ではすっかりとお色気むんむんの女性になりますが、それ以外ではイマドキの高校生以下のあどけなさ。

 女性としては いまひとつ 分からない心理ではあるけれどもこれだけ支持される映画だということはここまで大げさではないけれども、男性はそういう気持ちを多少は経験したことがあるってことなのかな?

 マリリンモンローはたしかにお色気たっぷりで無防備すぎ。オバサンとしてはそれはイカンでしょうとおもうけれども、魅力たっぷりではあります。
 私としては、この映画よりも 100万長者と結婚する法 の彼女の方が生き生きしていてかわいらしかったなあと思います。
でも、典型的な「マリリンモンロー」を見ようと思うならやっぱりこの映画だと思います。

個人的には、
 彼女は不幸な亡くなり方をしてしまったことでも有名な人ですが、こういう役柄が定着したら、たぶん女優さんとしては辛いだろうなあ。 頭が少し弱くて色っぽいことだけを要求されてしまうとかなり葛藤してしまいそう。なんて思ったりもしました。

アパートの鍵貸します

■原題 The apartment
■監督 ビリーワイルダー
■公開年 1960年
■星 ★★★
アパートの鍵貸しますThe Apartment
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■説明
ジャックレモンはサラリーマン。しかし、彼は同僚の知らない秘密を持っている。彼の出世の鍵だ。
彼は就業時間が終わってからの数時間、数人の上司に予約制で彼のアパートを貸し出しているのだった。彼には片思いの女性がいる。エレベーターガールの シャーリーマクレーンだ。でも、彼女は、彼は眼中にないようだ。勇気を振り絞って彼女をさそってみるが。。。

■感想
以前みたときには、お人よしの男性のかわいらしい映画だと思っていたのですが、サラリーマンをやっていたからか、今回見直してみると ジャックレモン。とんでもない!イヤなやつだなあ〜。そんなことで出世しようなんて。。とどうもそちらが気になってしまいました。
小ネタバレ

(実際窓付き絨毯付きの個室のある管理職に、映画が始まってからすぐはやばやと抜擢されてしまうのです)

 それに、上司が女性を連れ込むのを黙認して自分のアパートを貸しているっていうのは主婦としても今ひとつ受け入れがたいシチュエーションだし。。。。
こういう映画だったとは。。。

 まあ、そういうシチュエーションを抜きにすると、やっぱりお人よしの男性の恋愛コメディ映画ということになります。そうして、やはり昔の映画らしくほのぼの系ではあって楽しめます。
残念なのはシャーリーマクレーンがどうも私には美人に見えない。でも、これはジャックレモンというちょっと風采があがらない男性とシャーリーマクレーンという親しみやすい普通の女の子の映画だからこれほど支持されるのかもしれませんね。
 そうして、そういうえげつないことをしていながらも、お人よしすぎるほどお人よしのジャックレモン(持ち味)がしっかりと出ています。 ほのぼのとした気持ちを味わえる映画だと思います。

 中でジャックレモンがスパゲティをゆでるシーンがあります。水を切るのにテニスラケットを使っていました。このテニスラケットの小物シーン。別の映画でつかわれていませんでしたっけ。
記憶違いかもしれませんが、クレイマークレイマーでやっていたような気がします。もしそうならこれがネタ元かもしれませんね。

March 30, 2004

コットンクラブ

■原題 The Cotton Club
■製作年 1984年
■監督 フランシス・フォード・コッポラ
■星 ★★★★
コットンクラブ
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■説明
 1920年代?禁酒法とギャングたちの時代のアメリカ。トランペット奏者のリチャードギアは ひょんなことから、この辺で幅をきかせている ギャング?の親分、ジェームズレマーの襲撃現場に居合わせて関わりをもつようになる。 この当時、黒人差別の横行している時代。 
 トランペット奏者リチャードギアと歌手ダイアンレインの物語と並行して黒人のタップダンサーグレゴリーハインズの物語が語られていく。
 舞台はその当時の伝説的なクラブだったというコットンクラブ。

■感想
映画の楽しみの一つに、自分が経験できない場面を疑似体験できるということがあると思う。
まさに、コットンクラブはその楽しみを満喫できる映画。
 禁酒法時代のアメリカのクラブ。どこか退廃的で、ギャング達が金にものを言わせて贅沢三昧な幅をきかせるきらびやかな面と、どこで命を落としてしまうかわからないような暗い残酷な面。どうにかなりあがろうとしている若者達。

それにしても、ダイアンレインはとても綺麗で魅力的。リチャードギアは若い!最初はだれだかわからない。綺麗な弓のような眉のグレゴリーハインズのタップダンスも見所。

 映画の中でくりひろげられるショーはとても素晴らしくて、きらびやかな衣装を身に着けて、私もこういうショーを見てみたい!。お酒を飲みながら。
ファッションはアールデコなのでしょうか。すとーんとした 長いシルエットにぴったり頭に沿った帽子やビーズ細工が綺麗。(スタイルと顔がよくないと似合わない?)

もちろん、全体にちりばめられた音楽も素敵。
ミニー ザ ムーチャ 最高!
たとえば、筋を追ってじっくり見るのも魅力な映画ですが、雰囲気もたっぷりなので、ウイスキーやバーボン片手にゆっくり飲むときにこういう映像が流れていても雰囲気があるなあ。。と思います。

ところで、アールデコのファッションってどんな?と思われる方に
ぴったりのものが見つからなかったのですが、
http://www.antique-decoupage.com/etc/paper.htmlこんな雰囲気でしょうか。
ドレスはこんな感じ
http://www.s-russia.co.jp/catalog-p/deco-dress.html

ここで、ちょっとだけ興ざめしそうなことも書いてしまおう。
年代的には ミッキーマウスが育った時代とつながっているようで、オコチャマと一緒にディズニーに毒されてしまった頭には 素晴らしいショウをみながら、「なんだかディズニーランドに似ているなあ」なんて思ってしまうところが (TT)

頭をぶんぶん振ってディズニーキャラクターは追い出して、素晴らしくおしゃれなあの時代のきらびやかなドレスを身にまとった人間になったと想像をふくらませて見たい映画です。

パリの恋人

■原題 Funny Face
■監督 スタンリー・ドーネン
■星 ★★★
パリの恋人
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■説明
古本屋の店員のオードリーヘップバーンは自分に自信がなく、ブス?(っていっていいのかな?ヘンな顔=Funny Face )だと思っている。彼女の憧れは共感主義。そんな彼女がカメラマン:フレッドアステアのおめがねにかなって、ファッションモデルにならないかという話になる。「こんなにヘンな顔なのにとんでもない!」という彼女に彼は「君はとってもユニークなんだ」と説得。そうして、彼が出した条件は。。。

 調べてみて驚いたのですが、この音楽はあのジョージガーシュイン。衣装もジバンシー、イディス・ヘッド(この方私は知らなかった)と、錚々たるメンバーだったのですね。

■感想
以前見たときには、オードリーファンの私としては「わたしってこんなにヘンな顔だから」なんていわれても
別にヘンじゃなくてかわいいのに。。と 変身度合いが少なくてあまりピンと来ない映画でした。
 また、例のごとくファザコンっぽいほどの年の差の恋愛っていうのも ピンと来ない。(フレッドアステアが好み出ないってことなのでしょうか(^^;))

 でも、見直してみるといいですね。特にダンスシーンは必見です。
私が以前みたときにはまったく興味がなかった場面ですが、特にすごいなあと思ったのは、共感主義の酒場で「私は今踊りたい気分なの」と言い出して踊りだすオードリーの踊りはすごい。
 以前バレエコンクールのモダン部門審査というのをテレビでみたことがあるのですが、そういうエキスがギュッと詰まっていて 「何回練習したんだろう」と思うほどすばらしい。

また、ファッションがすごく良いです。オードリーのように細くて若い人が着ている洋服が素敵なのは勿論当然ですが、中年女性の洋服までもがとてもおしゃれ。(ファッション業界の人という設定)
名前を知らない女優さんだったので、これも調べたらK.トンプスン。 50台くらいのおばさんなのですが、彼女がパリに行ったときに来ていたコートが素敵!!!!
 すこしAラインかかったしなやかな素材の襟の大きめなコートは普通の動作のときも、踊っているときもとても綺麗です。脇のところにスリットのようなものが見え隠れしていてどういう形になっているのか トラッドっぽくてふつうっぽいけれどちょっと違う。 <あのコート。欲しい。。。。 

 ファッションとオードリーと踊り。 そういう楽しい映画でした。
 

March 26, 2004

裏窓

■原題 REAR WINDOW
■監督 アルフレッド・ヒッチコック
■星 ★★★★
裏窓Rear Window
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■説明
カメラマンのジェイムス・スチュアートは 足を骨折していて、動けない。毎日自分のアパートで退屈に生活している。今彼の目に見えるものは、向かいのアパートの人たちのドラマだけ。
来週にはギブスがとれることになり、美しいモデルの婚約者グレースケリーが 有名店でケータリングを頼み訪問してくれた。ところが。

■感想
有名なヒッチコックの作品です。血や死体や残酷シーンなどは出てこないのですが、裏窓ごしだからこその距離を置いた怖さがひしひしと伝わってくる。本当に面白い映画です。
グレースケリーのドレス姿も美しくて古い映画ですが、今みても充分面白い映画だと思います。 

子供が大きくなったら子供と一緒に見ても大丈夫な映画かもしれません。

March 24, 2004

クライング・ゲーム

■原題 The Crying Game
■監督 ニール・ジョーダン
■星 ★★★★
クライング・ゲーム
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■説明
アカデミー賞オリジナル脚本賞受賞映画。
IRAが人質解放のために兵士をとらえ人質にして、たてこもる。重苦しい人質とのやりとり、そうして、見張り役になった男性は人質の兵士に対して「人質らしく」扱うことが出来ず、「人間」として扱えない葛藤を感じ始めた頃、彼の処刑を命じられる。ところが。。。

■感想
最初私がこの映画を見たときには、IRAと兵士の友情物語として聞いたのですが、見てみるとまったく違っていた。受け入れられない人にはまったく受け入れられない話だと思う。
子供には不可な映画だと思います。
 私は、この、予想を覆す展開に驚き、そうして主人公と同じように相手の思いに戸惑いながら、最後は純粋でどうしようもない思いを感じられて 涙が出てしまった映画でした。

 IRAの女性兵士が対照的にとても怖い。彼女はとてもデキル女なのでしょう。でも、たしかに格好は良いのですが、こういうかわいさも何もないギスギス女にはなりたくないもんだなと思ったりしました。

この映画は展開に特徴があります。そのためネタバレで書いてもこれを書いてしまって読んでしまってはもうほとんど語られてしまったことになってしまう。そのため詳細は書きません。
ネット検索すると それはもう、完全なネタバレにヒットします。アマゾンもそうですね〜。

愛と死の間で

■原題 Dead Again
■監督 ケネス・ブラナー
■公開年 1991年
■星 ★★★★
愛と死の間でDEAD AGAIN
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■説明
不穏な音楽とともに唐突に殺人のニュースから始まる。
そうして、死刑囚、それから犯行の映像。そうしてそれは記憶をなくした女性エマトンプソンの悪夢であった。彼女は繰り返しこの夢を見る。そうして彼女は声を失っている。

■感想
実力派 ケネスブラナー、エマトンプソンによる映画。
91年の作であるが、それ以前の昔の映画の展開を見るようでもあり、またそれだけにはおさまりきれないような映画の醍醐味が感じられる映画です。

 ひとつ、難点といえば、エマトンプソンが そんなに美人に見えなかったこと。

内容について、語りたいのですが、こればっかりは。見るときにそういう条件がないほうが絶対楽しめると思うので。(展開を知ってしまうと楽しみ半減)
ストーリに最初から入り込みやすいし、楽しめる映画だと思います。ヒッチコックの昔の映画のような、直接的でない怖さが怖いですよ。
 最後まで目がはなせません。

March 21, 2004

逃亡者

■原題 The Fugitive
■監督 アンドリュー デイビス
■星 ★★★★
逃亡者THE FUGITIVE
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■説明
パーティから帰る途中、突然の手術の呼び出し。ハリソンフォードは 美しい妻を先に返し、自分が後から帰宅すると、妻は虫の息だった。そのうえ、状況は自分に不利。妻殺しの判決をうけてしまう。

■感想
テンポの良い展開で、じわじわと追われる主人公。
最初のパーティーシーンが、ぜいたくで美しい映像を焼き付けて、主人公の境遇の変化が強くかんじられてしまう。
 ハリソンフォードもかっこよいし、殺されてしまう奥さんシーラ・ウォードも 本当に綺麗。
そうして、ここですばらしい存在感を放つのが、こわもて トミー リー ジョーンズ。
 それもそのはず、彼はこれでアカデミー 助演男優賞を受賞したということ。

以下ネタバレ

綺麗な愛する妻をころされて、おまけに自分が犯人にされてしまうという逆境。
犯人はだれ?執拗においかけてくる こわもて トミーリージョーンズをかわしながら犯人をつきとめて冤罪をはらそうとする ハリソンフォード。
 耐えた分だけ、最後は すっきりしないとね。

恋人達の予感

■原題 When Harry Met Sally
■星 ★★★★★
■監督 ロブ・ライナー
恋人たちの予感 特別編When Harry Met Sally
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■内容
ビリー クリスタル は メグ ライアンの親友の恋人。たまたま車に乗せて送ることになるが、お互い最低の印象をもつ。実際、ビリーはデリカシー不足の根暗野郎。 メグは かわいらしいけれどもとても細かいことにこだわる神経質女。
 それっきり会うこともないとおもっていたところ、5年後に偶然再会してしまう。

■感想
見直してみました。うまいなあ。この映画。最初に仲がよさそうな老夫婦がでてきて軽妙な音楽とともにところどころ噴出しながらみてしまいました。

以下ネタバレです。
最初の印象から ビリー クリスタル 最低! ブドウの種を窓に吹きかけたりして、まったく信じられない。見た目もハンサムでない彼。突然理屈をこねはじめるし。
 いますよね。こういう一般ウケしないのに、なぜかもてる男性。蓼食う虫とでもいいたくなるような。

この頃のメグ ライアン 若い若い! そうして本当にかわいらしい。しかし、ヘンに神経質でこれまたなんだか変わってる。

そんな二人がなんとなく友達になって、一緒に映画をみているうちにそういう相手のヘンで嫌なところがなんだか素敵にかわいく思えてくる。

登場人物と一緒に 「あら?いい人じゃない」「かわいいじゃない」なんておもいはじめたら、この映画とても楽しめると思います。

やっぱりこの映画。好きだったなあ。


 

ペリカン文書

■原題 PELICAN BRIEF
■星 ★★★★★
■監督 アラン・J・パクラ
ペリカン文書
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■内容
最高判事の殺人事件について、女子大生ジュリアロバーツが書いたレポートが思いもよらない展開に。

■感想
う〜ん。笑顔さわやかな ジュリア ロバーツ とデンゼル ワシントン 二人の歯並びを見ているだけでうっとり。
 内容は知っていても手に汗握るストーリです。(私は何回か見ているので展開が分かっている)
どうなるんだろうと、緊張が続き飽きません。
ジュリア ロバーツのなんと可憐なこと。デンゼル ワシントンのまた紳士なこと!二人にほれ込んでしまいます。
 つまり、あまいかもしれないけど二人のさわやかな笑顔に ★五つ。

March 20, 2004

おどるサボテン

■著者 川端 誠
■星 ★★★★
おどるサボテン

■説明
植物園に住んでいるサボテンたちのハッピーな一日

■感想
絵もかわいらしくて、大人もたのしめる素敵な絵本。
続編のサボテンたちのゆきあそび と共に子供も大人も大好きになれる絵本です。


サボテンたちのゆきあそび

■著者 川端 誠
■星 ★★★★
サボテンたちのゆきあそび
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■説明
おどるサボテンの続編。
サボテンのマルティたちが、雪遊びをします。

■感想
絵もかわいくて、発想も素敵。
植物園って、もしかしたらこんなことあるかも?なんておもえるとてもハッピーな絵本。
子供も大人も大好きになれると思います。
サボテンたちがつくったゆきだるまがこれまたキュート。

March 18, 2004

コドモ界の人

著者 石坂 啓
 ★★★
コドモ界の人朝日文庫
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説明
石坂さんが、実際に自分の子育てについて書いたエッセイ

感想
育児の楽しさが伝わってくる楽しい本です。
石坂さんのほんわかと楽しい肩肘張らない育児に ココロなごむこと請け合い。
母親は最近メディアでも「ああしてはいけない、こうしてはいけない」などと叩かれることが多くて
「どうすればよいのでしょう」と 途方にくれてる方に特にオススメです。

石坂さんはそういう「模範的?」な母からは少し違っていて、自分の都合で子供を叱ってしまったりというようなこともあるわけですが、子供に対する愛情が溢れていて、育児って楽しいもんなんだなあ。自然体でいいんだなあ。ときっと思えるでしょう。

2歳から4歳までの子供を持つお母さんに特にオススメですが、子供さんが大きくなられた方も、独身の方でも楽しめる内容の本だと思います。

まんぷく劇場

著者室井滋
 ★★★
 まんぷく劇場文春文庫
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説明
後書きをよんでから知ったのですが、クレアという雑誌の「死ぬ前にもう一度見たい!100の映画」という記事から 映画エッセイにつながり、それを単行本にまとめたものだということだ。

感想
 この本、最初の2,3編を読んだときに、「室井さんには申し訳ないが、あまり面白くないなあ。読み終わったらブックオフに持っていくかあ〜」と思っていた。
ところが中盤から後半になるにしたがって、映画について書かれた度合いが増えたり、私が見たことのある映画について書かれていたり、また、室井さんの人柄があらわれていたりして楽しく読み終わり、巻末の映画データをみたあたりから 売ろうか売るまいか悩んでいるのである。

 アマゾンでは皆さん4つ☆だけど、う〜ん。私としては☆は3つかなあ。。。ごめん室井さん。
 本職でないのにここまでエッセイが書けるのはすごいとおもうけど。。

アナザヘヴン

著者 飯田 譲治 , 梓 河人
 ★★★★
アナザヘヴン〈上〉角川ホラー文庫
アナザヘヴン〈下〉角川ホラー文庫
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内容
 最初からまったくのSFで始まる。キーワードは「悪意」。その悪意を求めているものは自分の住処?をさがしているらしい「できることならば、もっとも平和そうな所の、もっとも平和そうな巣が望ましい。自分の与えられた才能を抑えこみ、自分を善良なる者と信じている愚かな者の住処」を探しているようだ。
そうして、残虐な事件がさっさとはじまってしまう。容疑者はどうやら女らしい。

感想
一気に上下巻読み終わってしまった。最初は説明会に行ったときの待ち時間に読むのに丁度良いかと、軽いものを選択したつもりだったのだが、飯田譲治のほかの本を読んだときのように止まらなくなってしまったのだった。
陰惨で、いかにも現実にありそうだったりすると気分がわるくなるのだが、まったく自分の予想を超えていた物語だと現実味がなく さっさと描写を素通りできるという感じだ。
この本は私にとっては後者であった。

 この本はナイトヘッドの飯田譲治と新たに梓河人の共著となっている。
解説から知ったことだが、テレビドラマ 「沙粧妙子 最後の事件」や「リング」を映像化した際の脚本も飯田氏ということ。

■意識していない悪意

少女時代にカトリック系の学校に通っていた私の母は、聖書からの引用をしたり、賛美歌などを歌うことも多かったので、キリスト教を信じているわけではなかったのだが、私には中途半端にキリスト教は身近なものだった。有名なフレーズ「人はみな罪びとである」というのも小さな頃から聞いていた言葉だとおもう。
意味を問うと、母も少女時代の知識だと思うが、たとえば生きていくために生き物を消費しなければならないこと自体、他の生き物の生命で生かされている。人間はそういう生き物であるということなどを話してくれた。

そのときは、子供だったので、それで納得したわけであるが、今になってその罪を考えると、かなり難しいと今更ながらに思う。
 たとえば、動物を口にせず植物だけを口にするベジタリアンという人達がいるが、植物もまた生き物である。生命を食べてそれを栄養にして生きているということ、他の生き物によって生かされているということには動物を食べることと変わりがないことだと私には思える。本当に生物を食べることが罪なのか、どこからどこまでが罪なのか。

 ここからはベジタリアンの理念がきちんと分かっていないので仮説になるけれども、もし、ベジタリアンが「動物を食べることは悪」という理由で菜食を選んでいるのであれば、動物の命と植物の命の差(重み付け)はどう決めているのだろうか。
 動物の中にも、肉食動物と草食動物がいるのだが、では草食動物は善で肉食動物は悪なのか。
命を永らえるためにではなく、単なる欲望(たとえば毛皮とか美食とか)のためだけに動物の命をとることを悪としているのであれば、食べるわけでなく、狩猟本能のおもむくままに小動物をいたぶるネコは悪なのか。

 反対に、動物だって動物を食べるし、戯れに生命を奪っている。だから人間は善なのか。

こういうことは、考えても考えても答えが出ないものであろうと私は思う。

たとえば、あなたが嫌いな人の嫌いな理由をいくつか思い浮かべてみる。沢山あげればあげるほど、掘り下げれば掘り下げるほど、自分とその人の差がなくなってくるように、自分もそういう面を持っているような気にならないだろうか。そうして、その差が明確に定義できないことに気づくことがないだろうか。
 (とにかく自分が善で相手だけが絶対の悪だと定義できる人は 失礼だがかなりのエゴかもしれない)

多少ネタバレがあるので隠してみよう


この物語の冒頭から出てくる悪意にひきつけられるものが最初にとりついたのが思いもよらない人だった
それが語った彼女の内面は
「-略-世間から自分がどのくらいいい子に見えるかってことが一番大事だった。それがあの女の価値のすべて。-略-」

そんな風に、人間の矛盾を次々に「おまえだって悪いだろう」「悪意をもっているだろう」と さまようという設定。

最後まで一気に読んでしまったのは、このテーマについてどう決着をつけるかというところへの興味がそうさせたのだろうか。
 
 読後感は悪くない。こういうテーマについて希望がなく打ちひしがれる結末の本は苦手だ。
ナイトヘッドもそうだったが、嫌な気持ちにならずに読み終えられるこの本を私は面白かったと思う。

 細かい設定をつくと、矛盾や突っ込み不足もあるのはあるだろうが、そういうことを全部抜きにして、この本の最後への結びは私にとって好ましかった。
漫画やテレビドラマの類だと思って軽く読んで欲しいと思う。 

以下は激しいネタバレ結末に関わる部分が書いてあります



とはいっても、昔から哲学者やそのほかの人々がそれなりの唯一無二の結論にたどりついていないように、この物語にもきちんとした悪意に関する決着はない。この結末を「甘い」と見る人も多かろうとは思う。

続編もあるようなので、それも読んでみようかと思っている。果たしてどうかな。

そうそう。この本の中に出てくる映画「ブレードランナー」は私が大好きな映画だったので、そういう面でもとても楽しめた。この映画のテーマは 「レプリカント」という人造人間の人格や命についてだととらえるとかなりこの本のテーマと近いところにあるように思う。
 悪意を求める物体の超人間的な能力も レプリカントを思い出す。

恋におぼれて

原題ADDICTED TO LOVE
監督グリフィン・ダン
★★★★
1500円から3400円まであるみたい。 リンク先の題名か画像をクリックすると
ほかの人の感想が見られます。
恋におぼれてADDICTED TO LOVE
恋におぼれてADDICTED TO LOVE
恋におぼれてADDICTED TO LOVE
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内容
メグ・ライアン マシュー・ブロデリック 主演のこの話。
メグが彼女のイメージとは少し変わった役で出ています。

黒目が大きくてタレ目という(ちょっとかわいらしすぎるけど、基本的にこういう顔は私は好みでごんす:見た目という点で好感を持ちやすいということですが、これだけで人を評価したりはもちろんしません。あくまで見た目。)マシューは天文学者。毎日昼の日課は、恋人のリンダ(ケリー・プレストン)を天体望遠鏡で観察して レンズの向こうで手を振る彼女を確認すること。

 しかし、ある日彼女は都会へ出かけていってしまう。そのうえ、帰って来るはずの日に帰ってこないとの連絡が。。。。

メグ・ライアンは 恋人に裏切られてうらみを晴らすことに燃えている女性の役。
ファッションもメイクも、いかにも「ワル」そうな役で彼女の役としてはとても珍しい。(目の周りは ブレードランナーのレプリカントみたいに真っ黒。洋服はヘソが出ていたり)

感想
ネットで検索してみると、メグ・ライアンにはこういう役は似合わない という意見もあったのだけど、彼女の役というのは型にはまったものが多いので、前回見た ユー・ガット・メール のような雰囲気とはかなり違っていて私は楽しかった。

思うに、この「復讐に燃える女」の可愛さがわかんないようだったら、そうして、ただ多少幼稚さを思わせるようなかわいいだけの彼女しか受け入れられないような男性は人を見る目はないぞ〜と オバサンは苦言を呈してみたりして。(^^;)

 彼女、コワーイだけの女かと思いきや、根底の可愛さがちらりちらりと見えていて
こういう根底のかわいらしさを見つけることができるかできないかがキミの運命の分かれ道だ。(なんちゃって。)
今まで生きてきた中で思うことは、日ごろの「メグ・ライアン」の役のようなイメージに男性が好感を持つことは 大抵の女性はわかっているはずで、中にはそういうイメージを演じることも上手な人もいるわけで、 いつまでもそういう「僕の理想のメグ・ライアン」を追い求めていると 「ありゃ?」ということもありそうだと思う今日この頃。

 見た目のそぶりが可愛くなくても、突っ張っていても、心の底はカワイイ人もいるという意外性だらけなのが世の中。 男でも、女でも 先入観をできるだけ取り去ろうとしてつきあってみると じんわりとその人の性格というのがわかってくるわけで、 そういう 「本当のところを分かろうとする」っていうのが 結構大切だと思うんだなあ〜。

 オバ全開のコメントでした。

■メグから離れて

そうそう。大切なことを書き忘れてました。
この中に出てくる望遠鏡レンズを使用した投影装置。これがまたとても良い。
とても美しい効果を生んでいます。

たとえば、最初にその装置を作って(ほぼオタクというかストーカーもどきですが)白ペンキを塗るあたり。あまりにもうまい演出にうなりました。 本当に彼女が好きで好きでたまらないという気持ちがこちらに伝わってくるような感じ。

また、その投影された映像に不意に飛び込んでくる実在の人間の画像。
テレビではなく、ビデオの盗撮でもなく、そういう少しローテクな世界。
ものすごく味のある演出だと思いました。うまいです。そうしてとても綺麗。

同じような仕掛けのもう少し不鮮明なものを ディズニーシーの城砦の中で見たことがあります。

 カメラ・オブスキュア(カメラ・オブスキュラ)という名前のしかけです。
ディズニーシーの記録は
http://pon.sub.jp/roba/2003/02.htm