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October 29, 2004

The Haunted Castle

■著者 Leo Hatras , Miriam Farbey , Nicholas Turpin
■星 ☆☆☆☆☆
The Haunted Castle: An Interactive...
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■説明
大判サイズの絵本形式のインタラクティブアドベンチャーブックです。
それってなに? 最初にシンボルマークを選んでストーリーを追うと、それぞれ展開が違ってきます。
正しいマークでないとラストにたどりつけないというしくみになっています。

■感想
少し対象年齢は高め(9歳から)です。中には緻密な絵が書かれていて何回みても新しい発見があるようで、飽きません。ストーリーはおどろおどろしく進み最後はあっと驚く結末が。
何度も遊べる本です。息子はものすごく気に入っています。
ハロウインに向くなあと思い、引っ張り出してきました。

Tell Me a Scary Story but Not Too Scary

■著者 Carl Reiner, James Bennett
■星 ☆☆☆☆☆
Tell Me a Scary Story but Not Too Scary...
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■説明
子供用の絵本に効果音つきのCDがついています。表紙からわかるように、怖い話。でも怖すぎないはなし。どんな話なんでしょう。

■感想
子どもはなぜか怖い話が好き。実は私も好き。絵もおどろおどろしくて不気味な様子をかもしだしています。 途中何回か、大丈夫か?怖すぎないか?続けるか?と 子どもに問いかける場があり、それがまたうまい具合に怖さを盛り上げる効果があるように思います。
 ハロウインにぴったり。私は読んだあとにハロウインのアレンジメントの横において玄関に飾っています。
ハロウイン気分が盛り上がりますよ。

October 23, 2004

ねじまき鳥 クロニクル

■著者 村上春樹
■星 ☆☆☆☆
ねじまき鳥クロニクル (第1部)新潮文庫
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■感想
先日出たばかりのアフター・ダークを海外の電車の中でたくさんの日本人がむさぼり読んでいるという記述をblogめぐりでみつけた。
 彼の本を村上朝日堂1冊しか読んだことがない私にとって村上春樹とは、村上朝日堂なわけで、私と感覚的に共通するところの多い現実感のある人という印象だったわけだが、この本を読んでみて その外国の電車の中で会う日本人会う日本人がみなアフター・ダークを読んでいるというその光景のあまりのシュールさが、この本にピッタリなのだった。 
 
 そう。もともと、この本は私にとって「これは読まない本だ」と思う本だった。 題名が「ねじまき鳥 クロニクル」だから。
大人の童話には興味がなかった。 なぜうちにこの本があるかというと話は長くなる。 もともと興味がないはずなのに、なぜか私は「読んでみたい」と言ってしまい、保育園の役員だったというつながりだけでほとんど個人的な会話もしたことのないある人からもらった本だったのだ。 この不思議な因縁?もこの本に必然としてあった出来事のようにさえ思える。 彼女については、夕闇の中保育園に迎えにいった娘さんと二人で帰っていく姿を思い出すくらい、後はまるでこの本の中で主人公に関わってくる人のように、単に、伝言を伝えていただいたり、その程度のことしか知らないのだった。
 そもそもそれも、彼女の子どもさんが卒園した数年前の記憶だ。それ以来彼女には会っていない。そうして、本をもらって何年もして、彼女の顔さえ思い出せず、夕闇に歩く彼女と娘さんの姿しか思い出せない頃になって、ふと私はこの本を手にとることになったのだ。

 さて、本を開いてみた。童話ではなかった。「ねじまき鳥」は実際は「ねじまき鳥」ではなかった。まずはそれに驚きながら読み進めるのだが、この本は静かで深い孤独に満ちている。現実とも夢ともつかない白昼夢のような長い物語が繰り広げられるわけだけれども、主人公は淡々と、まるで、今日見た夢を誰かにかたるがごとくにどこか自分をさえも離れた場所で見守っているかのようである。
 自分を取り巻く人々との奇妙なズレを感じながら、どうみても現実とは思えない不思議な出来事をそのまま淡々と受け入れて物語が進むのである。
 
 主人公は主夫をしている。熱烈な恋愛結婚をした末の結婚も、今では他人との生活のように心の交流がない。静かで孤独な世界だ。
 そうして、どこか現実感のない白昼夢のような世界が勝手に自分の周りに繰り広げられていく。自分だけが取り残されているのか、自分だけが現実なのか...。

October 21, 2004

ターミネーター3

■原題 TERMINATOR 3 Rise Of The Machiness
■監督 ジョナサン・モストウ
■公開年 2003年
■星 ☆☆☆
ターミネーター 3...TERMINATOR 3:RISE OF THE MACHINES
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■説明
2で助けられ、成長したジョン・コナーは、できるだけ世間とかかわりを持たないように生活してきていた。 世界の破滅は防げたはずであったのに、また新たな 新型ターミネーターが送り込まれてきた。
今度は女性型だ。

■感想
悪くはないと思います。が、やっぱりいまひとつの感が否めない。 この後ものすごい放言ですがお許しを。あくまでも私感ですから。(^^;)

たしかに、この映画の主役は シュワルツネッガーの初代ターミネーターであり、今回のT-X クリスタナ・ローケンだと思う。でも、でも、でも、 ジョン・コナーの ニック・スタール あの T2のあの子がどう育ったらこんな風になるのか?と思うほど かっこ悪すぎ。 もう 「いけませんのいけません」。
 おまけにヒロインとなる  ケイト役の クレア・デーンズ。 彼女がまた魅力に乏しい。 少し後に結婚を控えている女性の輝きというものがまったく見られない。文句ばっかりいっていて、頭のよさスマートさもまったく感じられないし。 いや、100歩譲って これはクライマックスまでもって行くための必然だということにしようか。 でも、こればっかりは。。。
(一応検索してみたら、この役が特殊なようで、ほかは素敵な役をやっている人みたい) 

 シュワちゃんですが、あの筋肉増強剤の塊のような体を惜しげもなく?披露してくれたわりには うーん。もう年だからねえ。。。という感想が頭に浮かんだり。 やっぱり3匹目のドジョウはね。ちょっとね。

 新型ターミネーターの クリスタナ・ローケンは良かった。 よく知らない女優さんだったので、画像検索しましたら、この映画のほうがずっと良い。冷たい機械的な魅力が良く出ていると思います。
時々、インコのピーコちゃんのように首を曲げるしぐさも まあご愛嬌。ロボットらしさを出す演出なのでしょうが、ロボットはそんなことしないよね。きっと。

それからそれから、新型弱すぎ。旧型強すぎ。いや、たしかにこういう世界、旧型のほうが融通がきいたり新型の方が脆弱だったりすることは往々にしてあるとおもうけれど、そういう雰囲気ではなくて、やっぱりシュワちゃんだから機械だったとしても、パワー・根性という感じだし。

思えば、この映画の醍醐味は、機械であるところのターミネーターが 見かけは人間であっても 結局は機械でしかないところが見所であって、その機械が人格やらなんやらをかんじさせるようになってしまったところが敗因だったりしたのではないかなあと。

 細かい演出は、いいなあ!スキ!と思ったところがいくつか。以下反転させてください。

T-Xが携帯電話をかけた先がファックス。 口からファックス送信音を出してデータを引き出す。う〜。おもしろ〜い。
T−Xは、性能だけでなくそのしぐさでも人間を震え上がらせるような機能を持っている。たとえば 血をぺロリとなめて分析。 DNA情報から 本人さんか本人さんでないか特定できるという高機能。
ちょっぴりツッコミを入れたいと思ったのは、相変わらず金属ならば磁石にくっつくという発想。 いやいや、金属だからといってそうなんでもくっつくもんじゃないというのは子どもでも理科でならうぞ。鉄・コバルト・ニッケルが磁石につくらしいのだが、結局ロボットと磁石の関係というのは未来まで続いたわけなのね。

ついでに書いてしまうけど、ぶつぶつ文句を書いたけれども、結末の選択は良かったと思う。

でも、まあ、見て損したという感じはしない映画でした、私としては好きですね。

公式サイト

アイ ロボット

■原題 i,Robot
■監督 アレックス プロヤス
■公開年 2004
■星 ☆☆☆☆

■説明
2035年シカゴ。世は、今のパソコンのように、一家に一台ロボットがあるような時代になっていた。
そのロボットも過渡期になったようで、新機能を自動更新(まるで、今のウインドウズを思い出すような)機能を持つ新モデルの発表を控えていた。
 そんな中、ロボット研究の第一人者の博士が自殺をするが、人間の力ではその状況はありえないものだった。 そうして、ウィル・スミスに博士からのメッセージが届くが。。。
アシモフ原作(私は原作は未読)

■感想
ロボットのいる未来図はよくできているものの、CG慣れしてしまっていて 多少のことには驚かなくなってきた。それだけCGの技術も全体的に上がってきて違和感がないということだろう。
 ロボットが動いたり未来の車がどう走ろうと、「ふ〜ん」という状態である場合、やはり一番重要なのはストーリーという基本に戻ると思う。
(個人的には、駐車場のシステムが面白い絵だったと思いました)

 では、そのストーリーはどうだ?と聞かれると、うーん。平均点かな?と思ってしまう(ほかの映画に比べて辛口かもしれないけれど) 特に今回ネックだったのは息子と一緒だったため日本語吹き替えをみてしまったところ。
 この映画の見せ所のひとつである「謎解き部分」で、「なあるほど」というところが 日本語でしっくりとこなかったのがよくなかったのだろう。 ふきかえた場合、下に英語字幕がほしくなるのはDVDに慣れすぎかしら?

どこが?と思われる方は 下に
一番の鍵になるはずのロボット三原則。これが謎解きに絶対必要なんだけど、日本語でしゃべられると 「ああ、なるほど」ということがしっくりこないのです。
多分、もとのロボット三原則を日本語訳し謎解きの場面を日本語訳したところで そういうニュアンスが抜け落ちてしまったのだとおもうけれど。 (翻訳者は戸田さんだったのかな。第一人者だけれど、頭の中でラクラクと英語のニュアンスが理解できるからこそ、日本語にないニュアンスをもりこめなかったのかもしれないと思ったりしました)いや、日本人である私は日本語を聞いたとたんに私の頭のなかでそれは概念化されてしまうので、そのせりふを一言一句きちんと覚えているわけではないし、こうやって日々すごしているうちに、ますますぼんやりとしてくるので、もしかすると翻訳はきちんとしていたけれども、私が自分の概念として取り込むときにそれを失敗してしまっただけかもしれないとも思ったりしているわけです。

 3原則を検索してみると
A robot may not injure a human being, or, through inaction, allow a human being to come to harm

A robot must obey orders given it by human beings, except where such orders would conflict with the First Law.

A robot must protect its own existence as long as such protection does not conflict with the First or Second Law.

ということです。

推理ものだけに、最後にすっきり「なあるほどね」とならないと気持ち悪いので、ストーリーとしては単純だけれども もう一度 字幕版か、シナリオを読んでみたいなあと思うのでした。(理解できるかどうかは次の課題として。。。(^^)
i,Robotのサイトはこちら

最後の最後にストーリーを明かすことに近いほどのネタばれだけど、書かずにはいられないことを書かせてください。色変えてますので反転してくださいね。

ストーリー的には 新奇性のないものだったけれども、最後の最後まで「う〜んどっちかなあ」という楽しみはありました。ブリジット・モイナハンのスーザン・カルビン博士。
 あちこちに、引っ掛けのせりふが多くて、最後の最後まで 彼女もロボットだと思っていましたよ。
結構そういう人多かったのではないかしら。 でも、ストーリーは小手先の引っ掛けでは評価できないなあと思ったり。 アシモフの原作はどんな感じなんでしょうね。

October 14, 2004

メン イン ブラック 2 MIB II

■原題 MEN IN BLACK II
■監督 バリー・ソネンフェルド
■公開年 2002
■星 ★★★
メン・イン・ブラック 2MEN IN BLACK II 2Disc S音声:ecial...
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■説明
MIBのメンバー Jは相変わらず地球の平和のために働いていたが、今回は凶暴なエイリアンに手を焼いていた。 こんなとき、彼がいないと。。。 一旦MIBを抜けた K(トミー リー ジョーンズ)を迎えに行くが。。。

■感想
1の終わりで、 トミーリージョーンズがいないMIBなんてなりたつのか?と不安になったけど、そうこなきゃね。やっぱりトミー リー ジョーンズ なしではつまんないでしょ。
 郵便局員になり平和に暮らしているトミー リー ジョーンズは すっかり顔立ちも 平和ぼけしていて、「こんなトミー リー みたことない!」というお顔。(というよりタダのジジイ) 実は私 トミー リーの ファン。 あの、コワモテぜひに復活を!と。

オープニングから少し、だらだらとした雰囲気が漂い、 マーズ アタックを思い出すような出来上がり。(マーズアタックは私には合わなかった)眠かったです。

ラストは

なかなかきれいにまとまっていると思うのですが、嫌いな人多いのかな。 

こわもてトミー リー が出ているだけで満足なので、点が甘いかも。(^^)ゞ
 

メン イン ブラック MIB

■原題 MEN IN BLACK
■監督 バリー・ソネンフェルド
■公開年 1997年
■星  ★★★★
メン・イン・ブラック...MEN IN BLACK COLLECTOR'S EDITION
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■説明
日々平和で何の変哲もない毎日は、実は秘密の組織MIBによって守られているといっても過言ではない。 MIBとは 黒い制服に身を包み、宇宙からの侵略やもめごとを解決すべく日夜努力している男たちである。
 NY市警の警官ジェームズ(ウイル スミス)は犯人を追っていたのだが、あまりに人並み外れた能力に翻弄されていた。そこに現れたのはなぞの黒ずくめのケイ(K)という男、トミー リー ジョーンズ。

■感想
大満足!こわもてのトミー・リー・ジョーンズ がまじめな顔をして出てくるだけでもこの映画の楽しさ倍増。 なによりも、宇宙人たちがこれまた奇想天外。武器もなにもかも笑える。
不思議なことに おおばかな話をまじめにやってしまう映画。つくりがヘタだとしらけてしまいそうなものだが、これが最後まで一気に見たくなるのは 役者の力なのか監督の力なのか。双方なのか。
 はっきりいって くだらない映画です。でも、そのくだらなさが楽しい。くだらないことが好きな人必見。

「さあ。くだらないものでも見に行くぞ」という心構えで見るのが吉ではないかと思います。

October 07, 2004

ムーランルージュ

■原題 Moulin Rouge
■監督 バズ・ラーマン
■公開年 2001年
■星  ★★★
ムーラン・ルージュMoulin Rouge
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■説明
ボヘミアンにあこがれて家を飛び出した若者 ユアン・マクレガーは、安ホテルで才能豊かでちょっと変わった劇作家たちに出会う。連れて行かれた先は、ムーランルージュ。
 そこで、彼は運命的な出会いをするのが、スター サティーン(ニコール・キッドマン)。彼女の勘違いから、公爵と間違われ...

■感想
まず、トム・クルーズと別れた後の二コール。もう「オバサンやね」と思っていたのだが、女優の底力。最初のシーンで出てきたときは「ああ、ふけたものね。昔の踊り子さんとかそういうのはそれなりにトシ食ってたかもしれないしね」なんて思ったのもつかの間、いや。まだまだ美しい。(実は彼女好きなんです。
あの、きれいな顔して怖そうなところがいいです)

正統派のラブストーリーだと思って見た人には、ちょっと入り込めないところがあるかも。どちらかというと、「エンターテイメント」という面が大きいのかと思いました。
 昔の映画が好き。観劇がすき。そうして、ちょっと昔の洋楽からはやり物は押さえてる人。そういう人がはまると大好きになりそうな映画だと思います。

  感想を検索してみると、「ロートレックのムーランルージュを想像している人には耐えられない映画だろう」と書かれているものにヒットしたのですが、私はちょっと違う感想をもちました。冒頭のはじめてのムーランルージュのシーン。私は、ロートレックも好きだけれども、この映画。構図や色合い(たしかに映画は強烈な原色ですが)。コントラスト印象的で、頭の中で次々にフラッシュをたかれているようにロートレックのポスターを思い出しました。 ロートレックのポスターでは人々のシルクハット山のように書かれていても静寂そのものですが、実際のムーランルージュの表側は、こんな風に熱気にあふれたものではないかと思ったのです。そうして、表のにぎやかさと対比するとシビアな舞台裏がある。

  冒頭。クラシカルな劇場のカーテンが開く場面が伏線で、「この映画は、劇としてごらんください」ということではないかと。

 昔ながらの有名な劇をいくつかご覧になった方にはわかっていただけるかと思うのですが、有名なものでも筋はかなり単純。普通の映画のようなストーリー性を追求するとは別の楽しみがあるものも多いと思うのです。 たとえば、舞台装置・衣装・音楽。
 そうして、ところどころに、小さな笑いが入っていたりと、まさに劇を見ているかのよう。

大スペクタクルも映画館で見るほうが楽しいでしょうが、この映画も、この熱気や迫力をきちんと感じるためには、テレビでなく、舞台のサイズ=つまり映画館で見るべきものだったなあ。と思いました。

 私は洋楽にはあまり詳しくないのですが、かなり大ヒットしたと思える=詳しくない私でも聞き覚えのある曲が、映画から、ヒット曲から年代のバラエティも豊かに選ばれて、そちらだけでも楽しめるでしょう。 たとえば、映画のサウンドオブミュージック、ビートルズ、たぶん、マリリンモンローの ダイヤモンドは女の友達 マドンナの マテリアルガール。 (これは、マドンナのマテリアルガールが マリリンモンローを意識して作られたもの)というような(私は細かいことを知らないのですが)細かいことをご存知な方はきっともっともっと楽しめると思います。

 当初は「なんだ?この映画は?と思ったのですが、ラスト頃には、ああ、一度ムーランルージュの劇を見てみたい。この劇を劇場で、こういうセットで見たい!」と思った私でした。
そうそう。ミュージカルですから歌も。歌は期待していませんでしたが、お上手でした。

 あ、それとニコールキッドマンですが、これもネット検索すると、この撮影のコルセットで肋骨骨折までしたということです。すごいですね。
インド風衣装の彼女。本当に美しい。衣装も見所たくさんでした。劇として、ミュージカルとして楽しみました。

ムーランルージュとロートレックについてはここにヒットしました。
下のリンクの2ページ目に支配人のツィドラーが出ています。かなり雰囲気が似ていると思いました。
http://www.nhk-p.co.jp/tenran/lautrec/lautrec.html
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/picture/f_000520_1.htm

ジョン・レグイザモが ロートレックとして出演している(とおもっていたけれども確証なし。もう一度見てみます。名前は違っていたかも。)扮装や 足が悪いところ、背がひくいところ、顔立ちなどかなりロートレックを意識して作られていると思います。 ロートレックファンからすると、受け入れられないかもしれないキャラクターですが。

と、ほめておきながら、★が三つなのは、つい、コットンクラブを思い出すから。
コットンクラブとは種類が違うとは思うものの。あれは見ごたえがあったような記憶がある。

October 05, 2004

インテリア

■原題 INTERIORS
■監督 ウッディ・アレン
■公開年 1978年
■星 ★★★★
インテリアInteriors
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■説明
薄暗くてまったく生活感のない、人の住んでいる気配のしない家の映像からはじまる。外は砂浜。海辺にたった邸宅のようだが、海も暗く、波があらい。
  女性がひとり。もうひとり。そうして年配の男性...。 

■感想
ウッディアレンの監督映画だったからか名前が頭に残っていた映画。
印象的なのは、インテリアデザイナーの神経質な母のしつらえた部屋のあまりにも生活感のなさ。
きれいにととのっているけれども、人が住んでいるという現実味がない。 まるで、マンションのモデルルームのよう。 そういう違和感のある家に どこかからもってきたかのように、そう、まるでモデルルームに行ってみたら、そこに生活している人がいて、突然バスローブで出てきたかのような 違和感を感じる。

もちろん、普通の映画をとるときに、その部屋では人が生活しているわけではないのだけれども、いかにもそこに人が生活しているかのような心地よい遊びというか乱れをどの場面でもきちんと作りこんでいるということなんだなあと改めて思った。

 才能豊かな母は自分の気に入るインテリアをずっと追い求め、娘夫婦にも自分の趣味をおしつけようとしたりする。いや、押し付けるというよりも、彼女からみると、それが疑いようも無く正しく、正しいはずのそれを受け入れない娘夫婦を、理解できないというような感じだ。
母の真ん中わけでぴっちりと整った髪や、素材や色、形にこだわった服装にまで性格が表れている。 そういう母に息苦しくなってしまった父が新しい母を連れてくる。
 まったく母とは正反対。明るく、陽気で人懐っこく、そうして、多少いい加減でだらしない雰囲気をかもしだしている。 

 テーマは 家族同士の不協和音だろう。それぞれ、こだわってないようでありながら、母をうっとおしいと思いながら、傍からみると神経質でこだわりすぎの母と娘たちは皆通じるものがある。そうして、それが周囲と小さな不協和音をかもし出している。

interiorというのは「室内装飾」的な建物の中身的意味あいと、「内心」とか「本性」とか人間の中身的な意味合いを持つ単語のようで、たぶん、双方を意味した題名なのだなあと思った。

兎の目

■著者 灰谷 健次郎
■星 ★★★★
兎の眼角川文庫
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■説明
新卒のお嬢様先生小谷先生が受け持った一年生のクラスには、口をきかずほとんど意志の疎通が確認できないような鉄蔵という変り種の子どもたちがいた。 自分なりに「先生」のあるべき姿を模索していく小谷先生と子どもたちの成長のものがたり

■感想
昭和初期だろうと思う。この本を読むと、今の世が豊かになってきたことを痛感せずにはいられない。
物があふれ、いくらでも豊かな教育を享受しているはずの今の子どもたち。
 たしかに、自由になるお金、一人当たりに使われているお金は多いだろうけれども、果たしてそれが本当に「豊か」と呼べるのだろうかと考えた。
 子どもらひとりひとりの成長をきちんと見守ってくれている先生がその時代に本当に何人もいたかどうかはわからないし、今の時代にも実のある先生方もいらっしゃるとはおもうけれども、この今の義務教育の中途半端さは何なんだろうなあと思った。

 本来は、彼女と子どもたちの関わりに感動するべき話なのかもしれないが、私はまた別のところが気になった。
(少しネタばれなので、色を変えます)

鉄蔵をそだてているおじいさんのドラマだ。これを欠かしてはこの話はなりたたない。
 一流大学まで出た彼が、ごみ処理の仕事をして孫を養わなければいけない。そうして、彼は淡々とその運命を受け入れて生活しているというところ。
 
 今の「良い学校に入るため」の教育をみながら「こんなことでよいのか」と思っている私なのに、「大学を出る=それなりの仕事がある」という因果関係を知らず知らずのうちに頭の中でつくってしまっていたことにも驚いた。昭和から平成の今まで、あっという間に日本はどんどんと発展してしまった。
 豊かな日本しか知らない人たちが大半になった。  人間ぬるま湯につかってなにも考えないようになってしまっては、これからの発展は見込めない。 苦しいとき、そこから抜け出したいといろいろ考えるから大きな発展があったのではないだろうか。 豊かさボケをしている私には目を覚まされる本であったことはたしかだった。