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April 03, 2005

ジキル&ハイド

■原題 Mary Reilly
■監督  Stephen Frears スティーブン・フリアーズ
■製作年 1995年
■星 ★★★★

ジキル&ハイド
ジュリア・ロバーツ スティーブン・フリアーズ ジョン・マルコヴィッチ

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2004-06-23
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■みどころ
ジュリアロバーツの おどおどした演技。溌剌としてニカーと笑うだけの女優さんでないという実力を感じました。ジョン・マルコビッチのジキルとハイド二役の変貌。CGまかせではない正統派の演技。こちらも素晴らしい。
映像の美しさ。

■説明
あまりにも有名なジキル博士とハイド氏。薬の力によってジキルと正反対のハイドという人格が発生して。。。という話が、今回はジュリアロバーツというお手伝いを通した目で語られます。

■感想
日の当たらない、霧ばかりの暗いイギリス。映画では全編を通して日があたることがありません。その陰鬱な雰囲気がとてもよく話にマッチして、一気に見るものを ジキル&ハイドの世界に連れていきます。
 キラキラと明るいイメージが先行するジュリアロバーツですが、ここでは怯えたお手伝いを好演しています。決して小柄ではない体を猫背気味に小さく縮め、おどおどとした振る舞いがうまい。いつものジュリアよりもずっと地味で「美人」という雰囲気はまったくない彼女です。それがまたうまいと思います。(ジュリアファンには不評かも)

 対する、ジョン・マルコビッチのジキル博士・ハイド氏もうまい。 神経質で自分を押さえがちなジキル博士と何をしでかすかわからないハイド氏を見事に演じ分けています。
しいて言うなら、ネタバレマウスで反転して読んでください最後のCGは蛇足という感もあり。映画では見飽きた変身シーンに目新しさを求めたのでしょうが、私は違和感を覚えました。

 全体的には、多分、これは身分違いの恋がテーマだったのではないかと思うのですが、どうでしょう。
邦題では「ジキル&ハイド」ですが、原題はMary Reilly 。あくまでもジュリア演じるお手伝いの話だと思います。
 お手伝いとして雇っている娘が気になるジキル。しかし、年齢差や身分差、世間の常識が気になって言い出せない。ハイドはそれを嘲笑するように彼の欲望をそのままに出して自由奔放に行動する。
ジキル博士の家がまた見所。広く素晴らしいインテリア。
映像も暗い中に回り階段を上から取った図など美しいシーンが多いです。実験室からの裏に作った釣り橋が不安定で、実際にはありえないとは思いますが、これがまた現代芸術を見るようで美しいと思います。ゆらゆらとゆれる不安定な橋は見ている人を不安にするそういう要素を盛り込みたかったのかもしれないと思いました。

 母が亡くなったと連絡を受け、貯めたお金で葬式を出してやりたいと出かけるジュリアですが、母の身に残ったお金は1シリング。「一生働いて1シリング」という言葉はジキル博士の優雅な生活ぶりと対比して身分差別の激しいイギリスを感じさせる言葉でした。 召使達相互でもランクがあり、ジュリアは一番の下働きだということがわかるシーンも沢山ありました。
 
 「ジキル博士とハイド氏の不気味なこわささを求める人」「ジュリアロバーツのかわいらしさを求める人」には評判があまりよくないかもしれないと思いながらみました。映像はグロいものもありましたが、そんなにはこわくありません。ジュリアも驚くほど地味です。
グレン・クローズは、期待通りの役柄で出てきています。

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