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■原題 THE SHIPPING NEWS
■監督 ラッセ・ハルストレム
■星 ★★★
シッピング・ニュース 特別版 | |
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■説明
クオイルは父から教育を受けた頃から父にはついていけなかった。そうしてどんどん大人になっても、その経験を乗り越えることもなかったのだが、 奔放な女性ぺタルに出会い、彼女に拾われでもしたかのように人生が回り始めた。うまくいくかのようにも思えた出会いだったのだが。
■感想
何よりもびっくりしたのが、 ぺタル。ケイト・ブランシェットのイメージがまったく重ならなかったので後からキャストを見るまで気づきませんでした。 すごい存在感。
映画自体は表現しづらいです。まず、好き嫌いがものすごく分かれそうな映画です。DVDのジャケットには「優しい愛に癒される感動の名作」とあるけれど、 うーん。そうかなあ???そうかなあ??
優しい愛に癒されるという部分がどうも私にはしっくり来ませんでした。
また、クオイルの身の回りに「これでもか」というほどにはりめぐらされた不幸の糸がつらかったです。
性的な内容(さほど場面として出てくるわけではないのですが)がかなり嫌悪感を感じるようなものだったのも、私にはマイナスポイントになりました。(単なる不幸というよりも、受け入れがたいシチュエーションが多くて)また、中盤過ぎまで、運命のなすがままにあきらめてでもいるかのような彼の姿勢がまた受け入れにくかった理由のひとつかもしれません。
後半、物語の展開がみえてきてナゾがとけてきはじめてからの、彼の娘を通しての夢ともうつつとも偶然とも因縁ともつかないような不思議な展開は面白く、また、グレーを基調としたような美しい風景も心にしみます。
子どもさんと見るには向かない映画だと思います。
■著者 ロアルド・ダール
■星 ★★
魔法のゆび | |
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■説明
主人公は8歳の女の子。魔法のゆびを持っているのです。彼女の打ち明け話。
■感想
これは、もしかしたらペーパーバックで読んだほうがよかったのかも。私としてはいまひとつ中途半端の感がありました。それほどたくさんダールの本を読んだわけではないけれど、ダールにしては常識派すぎるような気もしたし、教訓的な気もして。(あまりにもめちゃくちゃなストーリーだとそれはそれで心配になる親心なのですが) 。
最近気になることは、日本語訳にしたときに、日本語の文体がたくさんありすぎて同じことを言うにしてもしっくりこない場合があるんじゃないななあということです(私は英語は苦手で自信がないのですが)
たとえば、
「私は、狩りなんてだいきらいです。自分のたのしみだけのために、鳥やけものをうちころすなんて、良くないことだと思います。」 というのと、
「私は、狩りなんてだいきらい。自分の楽しみだけのために、鳥やけものをうちころすなんて良くないことだとおもうわ。」 と、読んだだけで読み手に話し手の人格設定がそれぞれ違う形でできてしまうような気がします。
この本の場合は、女の子をもう少しいたずらっ子のような語りにさせたほうがおもしろかったのではないかなあなどと、英語が苦手なりに思ったりしました。やっぱり翻訳本には訳者との相性というのがあるように思います。 「マチルダは小さな天才」を読んだときには面白く読めたので、訳者の問題ではないかもしれません。
マチルダは小さな大天才 ロアルド・ダールコレクション 16 | |
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以下ちょっとネタバレ
とはいえ、物語ぜんたいの流れではなくて、お隣の家族の一人一人の行動をみてみると面白いものがあります。大変なことになってしまうのに、あっという間にその環境になじんでしまうその姿をのぞき見ている楽しみというか。そういうのはありそうかも
たとえば、この物語が映画になったとしたら、おもしろいものになりそうな気もします。
■著者 シンシア・ライラント
■星 ★★★
ヴァン・ゴッホ・カフェ | |
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■説明
カンザス州の昔劇場だった建物の片隅にある ヴァン・ゴッホ・カフェに起こるふしぎなできごとは、
ほのぼのと暖かい。という感じ。。
■感想
名前に惹かれて購入した本。ゴッホの絵のようなドラマ性を期待して読んでしまったからか、少し今の私には物足りない感じがしてしまいました。
昔に見た バグダットカフェという映画を思い出しました。これはとても好きだった映画。詳細をわすれてしまったのでまた見たい。
バグダッド・カフェ 完全版 | |
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大人が読める本ですが、ふりがながついているところから子供向けの本なのかとも思います。
シンシアライラントについては、メイおばちゃんの庭でもう一度チャレンジしてみたいと思っています。
■著者 梨木香歩
■星 ★★★
西の魔女が死んだ | |
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■説明
まいは母の迎えで学校から家に帰ることになる。 母は英国人と日本人との混血。まいは黒に近く黒よりソフトな印象を与える瞳のママの目が好きだ。 「何があったの」「魔女がー倒れた。もうだめみたい。」 魔女とは英国人の祖母のこと。まいは、祖母の元で暮らした日々を思い出した。
中学生にあがったばかりの周りも自分も どう自分を扱ってよいか分からないほどもてあます時期、まいは学校へ行けなくなってしまった。
■感想
残念ながらデリケートなその時期からは少し遠く離れてしまった私は、息子もまた、今度はその時期にまだまだ遠い年齢であるために まいの悩みがあまり張り詰めては伝わってこない。
おばあちゃんのいい味も、ちょっともどかしくうまく伝わらない。(外国人であるということがそれを少し救っていると思う)ちょっともどかしい結果になった。
しかし、本の内容から少し離れて客観的にみてみると、たとえば 「おばあちゃん」のような 日々いきるためだけに生きている、そういう人とのふれあいは生きる意味を見失った人たちにとても重要な意味を持っているのではないかとおもう。
考えてみると、父親は家族の生活のため働くということが第一の目的になっているかもしれない。 母親も家族の生活の足しに働いている場合もあるかもしれないし、家族の世話をするために生きている部分があるかもしれない。もしくはこのまいの母のように、なんとなくまだ娘時代のわがままを残しながら娘と自分のウエイトを測り損ねてしまっているかもしれない。 お金や名誉や地位というもののために働くのではなくただ、生きるためだけに生きる。生きることを楽しむ。そんな忘れている生活を思い出すことが全ての基本なのかもしれないな。などと思ったりもした。
「西の魔女が死んだ」という題で、てっきりファンタジーなのかとおもいつつページをめくると、そこには
さらりとした文体の現在の日本が書かれている。ちょっとした違和感を感じつつ読み進んだ。
さて、読み終えた私は、おもったほどどっぷりと本のせかいに浸りこめなかったことを残念におもいながらも、ふと「西の魔女のように年をとりたいな」などと思った。
自然にさからわず、どっしりとしかし敏感にものごとをとらえつつ。そんなステキなおばあさんになれるだろうか。
■著者 田村理恵
■絵 朝倉めぐみ
■星 ★★★★(ステキな絵に★をひとつおまけ)
コスモス・マジック | |
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■説明
ミセスグレースの得意なことはお掃除。スーパーに行く途中町でも評判の大きな家「コスモス邸」の前に「お手伝い募集」のお知らせをみつけたミセスグレースは、「この仕事、わたしにぴったりだわ」と今日の予定を変更し、お手伝いに応募することにしました。ミセスグレースには仕事をしなければならない理由もあったのですが、そのコスモス邸へでかけてみると。。。。
全てのページにイラストがあり、カラーイラストページの比率もとても大きい絵本と小説の間のような印象の本です。児童書です。そのイラストがオシャレで綺麗でかわいくて。女の子ならとても好きになりそう。中の漢字には簡単なものには振り仮名がついていません。
■感想
小学校中学年以上を対象にかかれたものだと思います。テーマは「愛する人を信じて待つこと」みたいな感じ。 夢見る女の子?向けなのかも。 その年齢の女の子が家族にいないので今ひとつ子どもが読んだ場合が分からないので、わたしの感想を。
全体に、ゆったりとした時間と幸せ(決して幸せだといえない状況であったとしても)を感じるお話です。信じて待つことの楽しさがじんわりつたわってくるような。絵の雰囲気・色合いもとても綺麗で、手元にあるだけでぱっと心が明るくなるような。 また、人と人?とのかかわりが暖かく、どんなときもこんな風にゆったり幸せな気持ちで暮らしていけたらいいなあなどと思う本でした。
■監督 サム・ライミ
■原題 SPIDER-MAN 2
■公開年 2004年
■公式ページ スパイダーマン
■星 ★★★★
スパイダーマンTM 2 | |
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■説明
スパイダーマンのピーター・パーカーは(トビー・マグワイア)どうもさえない毎日を過ごしていた。スパイダーマンであるがために自分の生活を犠牲にすることもあるし、持ち前のドジが原因のこともある。
勉学もおろそかになり、バイト代がはいらないために家賃も滞納している。
■感想
ピーター・パーカーほどついてないやつはない。多少のドジは愛嬌。そんなの彼くらい勉強ができれば問題ではないはずなのに、なぜか友達運・恋人運に見放されているとしかおもえない。
みるからに、意地が悪そうな(ファンの人ごめん) メリージェーン MJ (キルスティン・ダンスト)は、自分の舞台を見に来てくれないからとさっさとほかの男に乗り換えようとするわがままぶりだし、親友?のハリー・オズボーンは、ピーター・パーカーのことを友達と言う割には、ピーターの言い分を聞こうともせずに、自分の主張ばかりを押し通し、ピーターを責める。 勉強ばかりしていたせいか、身内にやさしいひとばかりいたせいか、ピーターはそういう状況に気づかないのだろうか? 「これが親友?」「これが恋人?」という疑問はもたないのだろうか?
キルスティン・ダンストって、どこかで見た顔だと思ったら、ジュマンジの子なんですね。もうひとつはインタビュー・ウイズ・バンパイアに出ていたとのこと。 あの頃はそんなに意地悪そうな顔じゃなかったような記憶。今度見直してみよう。
という話はさておき、単なるアクションとして脳みそ空っぽにたのしむぶんにはかなり楽しめました。
ドクターオクトパスの オクトパスというよりは?な動きもおどろおどろしくて良いし。
なんといっても、ピーターパンを買おうかとおもったときに見つけた3枚組3000円のDVDだったので、満足度は高いです。(DVDの規格がゆらいでいるからか、最近とても安いですね)
半額半蔵 メガ・ヒットパック「スパイダーマンTM2」「バッドボーイズ 2バッド」「ピーター・パン コレクターズ・エディション」 | |
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■著者 おの りえん
■星 ★★★★
メメント・モーリ | |
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■説明
メメント・モリとはご存知の方も多いでしょうが、「死をおもえ」との意味。
すぐかっとなるたちと自分のことを言うお母さん、けれどお父さんが怒らないようにもくもくと家事をこなす画家のお母さん。なんでも自分のやることが一番で
「いいか。百人の人がいたら大切なのはたった一人の特別な者だけだ。あとの九十九人は自分の頭で考えたりできない。愚衆ってやつだ。トップは一人でいい。あとは、その一人についていけばいい。そしてお前は、その選ばれた一人の方だ。
わが家はそういう家系なんだ」
■感想
対象年齢は子どもに親のあらが見えてきて 「いやだな」と思うところが増えてくる頃だと思います。残念ながら私はそれをとうに通り越してしまったので、その辺の思いが薄れていてなかなか物語に入り込めませんでした。中盤くらいまでは、まるで「千と千尋の神隠し」のような展開です。なんとなく、面白いというよりも借りたから読みきりたいとおもう気持ちで読み進んでいた私ですが、残り三分の一くらいになり、突然一気に読み終えました。
読み終えての感想は、大人にも感じるところの多い本であるということです。
「守るものがあればあるほど、人の中には恐れがふくらむのよ。」友達になった水の鬼の叔母にあたる人がほほに言います。彼女はうまれつき目も良く見えなくて体も弱かったのです。 だから彼女は水の鬼から薬草の鬼になったのだということ。
「人はときどき、考え違いをするわ。弱さを取り払ったところに、本当の自分があるって。でもね。ほほ、弱さはその人の始まりよ。取り払うことはできないし、取り払う必要はない。その人の芯」
ほほの旅と一緒に、大人も時間をさかのぼり、子どものころ解決しないまま忘れ去っていた自分の思いを片付けることのできる本ではないかと思いました。
■著者 湯本 香樹実
■星 ★★★★★
夏の庭―The Friends | |
![]() | 湯本 香樹実 徳間書店 2001-05 売り上げランキング : 44,958 おすすめ平均 ![]() ![]() ![]() ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |
■説明
小学校6年の夏、でぶの山下が学校を休んだ。おばあさんが亡くなってお葬式へでていたらしい。いままで想像の世界でしかなかった 「死」というものに遭遇した主人公たち3人はそれから怖い夢を見たり 死とはなんだろうと突き止めたい思いに駆られる。
河辺は、近所にすんでいる死にそうだと思われる一人暮らしの老人の死ぬところを見ることで死とはどんなものかを知ろうとボクと山下に言う。気が進まない僕と山下。しかし、死について思いがまさり、僕たちは老人の家を見張ることにした。
どこの町にでもありそうな一人暮らしの老人の家はゴミ袋が詰まれ、住んでいる老人は夏なのにコタツに入ってテレビばかり見ているようだ。
■感想
たぶん小学校高学年から中学生あたりを対象として書いた本だと思われます。
テーマとしては12歳の少年たちの忘れがたい夏ということで 映画「スタンド・バイ・ミー」みたいなものかな?と軽く読み始めたのです。ところが、スタンド・バイ・ミーは見た当時私はあまり感動しなかったけれどこの本はずっしりと心に響きました。
子どもたちからすると 老人はただ未知のものであり自分の世界には存在しないような存在だったわけです。もちろん相手は赤の他人で言葉をかわしたこともないわけですし。当初は動物でも見るかのように老人に接していた彼ら。
老人も長い間世間から隔絶されて(いえ、自分から世間を隔絶して)生きてきて、その仲間はずれ感になれきっている。身の回りが皆敵だとでも思っているかのようなそういう気持ちになっている。
その老人と子どもたちが出会って、だんだん話をしはじめた。 それによって、老人を人として認めはじめる子どもたち。 そういうかかわりを通して 世捨て人だった老人がまた 一般社会の一員として認められていく様子。 そうして、子どもたちの老人への思い。
老人とかかわることで、その老人とだけでなく、彼らの世界は確実に広がっていきました。
いままで、家族と友達だけしかいなかった自分の世界に、「その他」としてしか認識されていなかった人々が皆生き生きとそれぞれ「一人の人」として認識されます。
そんなにたくさんの思い出がこのふたりの中にしまってあるなんて驚きだった。もしかすると、歳をとるのは楽しいことなのかもしれない。歳をとればとるほど、思い出はふえるのだから。そしていつかその持ち主があとかたもなく消えてしまっても、思い出は空気の中を漂い、雨にとけ、土にしみこんで、生き続けるとしたら...
子ども向けの文学ではあるけれども、大人の私が読んでも、老人・戦争・死ぬということ などたくさんの思いを引っ張り出して、そうして あらたな想いへと導いてくれた本でした。
これも、 手元においておきたい本。 児童文学ってすごいなあと、思う一冊です。
■著者 モーリス ドリュオン
■星 ★★★★
みどりのゆび | |
![]() | モーリス ドリュオン Maurice Druon 安東 次男 岩波書店 2002-10 売り上げランキング : 32,865 おすすめ平均 ![]() ![]() ![]() ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |
■説明
何不自由ない裕福な家に生まれたチトは美しい子でした。父の仕事をつぐために小さい時から特別な教育をうけさせられることになりますが、なかなかお父さんのおもうようにはいきません。
ある日のこと、植木鉢に種を植えたところ、あっという間に植物が育ち花が咲きました。
チトは隠れた種を発芽させて立派に育たせる「緑の指」の持ち主だったのです。
■感想
「園芸がすき」 と言う人に有名なこの本「みどりのゆび」を初めて読みました。 てっきり植物を育てるのが好きな園芸家の話だとおもっていたのです。 冒頭の部分にある
「うつくしいということは、チト(主人公の緑の指の持ち主)にはごくあたりまえのことでした。」「チトの両親はふたりとも、本当に綺麗でした。だから、いつも二人を見ているチトには、うつくしいということはあたりまえのことで、みにくいことのほうがむしろ例外か、それともいけないことのようにおもわれたのです。」「おとうさんとおかあさんはすごいお金持ちだったのです」
という文を読み、私が思っていた筋と違うことに気づき、このままこの物語が進んでいくのだったら私は最後まで読めるだろうかと心配になりました。
お金と美貌に恵まれた人生。 皆それはうらやましいと思うことだと思うけれども、今の私は今のままの生活で十分満足しているし、それについての私から見た価値というのはさほど高いと思っていないから、そういうことばかりをならべたてた本は読む気がしなくなるのではないかとおもったのです。
ところが、読み進むにつれて、ただの「子供向けの童話」ではないことに気づきます。
強烈な平和へのメッセージが感じ取られるだけでなく、深い洞察力にみちた本だったのです。
小さなチトはおぼつかない子どもです。しかし彼の澄んだ目と穢れていない心は大人たちが見失っている真実をみのがしません。ありのままにとらえ、自分が信じる通りに行動します。
心に残る、手元におきたい一冊になりました。