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March 29, 2007

Shall we dance?

■原題 Shall we Dance?
■監督 ピーター・チェルソム
■星  ★★★

Shall we Dance ?(初回限定版)
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■説明
 遺言書を主に取り扱っている弁護士のリチャード・ギア (John Clark)は、オフィスからの帰り道、電車からふと外を見た。そこには、ダンススクールがあり、その窓から外を見ている女性ジェニファー・ロペス (Paulina)が見えた。心ひかれた彼は、なぜか後日その駅で降りて引き寄せられるようにそのダンススクールを尋ねてしまう。

■感想
周防正行監督の日本映画 Shall we dance? のハリウッドリメイク版。

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 細かいシーンや、人物設定など、ほとんど日本版と同じような感じなのだけれど、なんだか違う。「ハリウッド仕様にしたら、こんな風にあっけらかんとしてしまうんだなあ。」と思いながら見た。
 本家本元の役所広司(この映画のリチャードギアの役)は、しがないサラリーマン。どちらかというとくたびれかけているような彼。奥さんも普通のどこにでも居そうな主婦。その普通の人たちの日常に どこかありえない非日常が同居してくる。そうして、役所さんから草刈さんへの思いはハリウッド版よりももっと淡くて切ない思いなんじゃないかなあと思う。華奢で繊細な草刈さんの役柄が光っていた。 ナイスバディのジェニファー・ロペスとリチャードギアではちょっと違うんだなあ。

 しかし、ダンスシーンはハリウッド晩が圧巻。 日本版 Shall we ダンス?は、そこいらのオバチャン、オジチャンの カルチャーセンター発表会レベル(設定からそういう感じだからそれはそれで味がある)だけれど、ハリウッド版はやはり上手い。 ウリナリのダンス部なんてもう、お呼びでない感じ。美しいの一言。豪華絢爛の夢を見せるのがハリウッドなんだろうな。

 日本の文化(社交ダンスはだいぶお年を召した方中心にひろまっていて、その衣装もなんだかけばけばしくて洗練されているとはとてもいえないという文化。)を知らない外国の人が見たら、「こんなのは社交ダンスじゃない!見ていられない!」などと思うかもしれない。 いや、日本に暮らしている別の世代の人からみると、十分に奇異な感じがあの当時の社交ダンスにはあったような気がする。その社会に突然とびこんでしまった人の、いわば不思議の国のアリス的体験が元の映画にはあったと思うのだ。その辺のニュアンスはやっぱりこちらの映画にはなくて、すっぱりとダンス好きの人たちのハリウッド映画になっているという感じ。

 私にとって日本版のちょっとあこがれめいた中年の片思い?の方も胸に響くのはやっぱり日本人なんだなあ。。などと思った。両方見比べてみてどっちが好き?と話題にするのも面白いかもしれない。 日本映画の方の脇役の強すぎるくらいのアクの強さも、アジアの映画ならではのテイストなのかもしれない。私は、そのアクの強さも好きなのだ。 私の場合は、ハリウッド版もまあ、おもしろいけれど、日本版本家本元の方に軍配をあげてしまう。

ノッティングヒルの恋人

■原題 Notting Hill
■監督 ロジャー・ミッチェル 
■星  ★★★★

ノッティングヒルの恋人
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■説明
 ヒュー・グラント (William Thacker)は、ちょっと変わり者のルームメイトと暮らしている旅行専門の小さな書店経営者。
 そこにふらりと入ってきたのが、アメリカ人の人気女優ジュリア・ロバーツ (Anna Scott)だった。

■感想
 久々のラブコメ、pon1と一緒に見た。感想は「いいなあ。ラブコメ。」軽く見られてラストはやっぱりハッピーエンドでなければ。それがラブコメのお約束。ハッピーな気持ちになれるのが最初から約束されている。 嫌なことばかりが耳に入ってくるこの世の中、時々ラブコメでも見て、気持ちをリセットしたいものだなあなんて思った。

 ローマの休日を彷彿させるようなカットが多いけれど、それが却ってまた良い味を出している。 ヒュー・グラントも相変らずの 二枚目半の役柄がピッタリ。 こういう恰好よすぎない役柄は本当に彼によく合っていると思う。 本などの好みについて、ひと薀蓄たれたがる性格などは、リアリティがあってとても楽しめた。
 
 それから、忘れてはいけないのは、ヘンテコな脇役。彼が良いスパイスとなってこの映画を盛り立てていると思う。

  

March 13, 2007

海辺のカフカ

■著者 村上春樹
■星   ★★

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■説明
 家出をしてなにかに引き寄せられるように四国へ出かけていくボク。 猫の言葉が分かるナカタさん。 別々の人物、別々の場面を結びつける何かがだんだんに明らかになってゆく

■感想
 最初にかかねばならないと思うのは、私は村上春樹は合わないタイプだということ。村上春樹というと絶大な人気がある作家だけれど、たしかこの本のほかに読んだのは、もらった「ねじまき鳥クロニクル」 だけだ。でも 村上春樹は私にはあわないという印象があったのに、過去の読書記録(リンク先)を見てみると、評価は★4つということはおもしろかったようだ。(実は筋をすっかり忘れてしまっている。)

 この本は、英語版が ニューヨーク・タイムズの選ぶ「2005年のベストブック10冊」に入りフランツ・カフカ賞をとりという 輝かしい作品であり、広く評価されている作品である。

 でも、文学を含める芸術の分野というのは、[評価されている][評価されていない]という基準以外に 自分の好みで「好き」「嫌い」といえる分野だと思う。 そうして、この本は、私にとってはいまひとつ好きになれない本だった。

好きになれなかった理由の一番はやはり、嫌悪感を抱くような表現や設定が非常に多かったことだと思う。 中学生の頃、読んだカフカの「変身」は大変気持ちが悪い小説だったように記憶しているので、それを受け入れることができる時期・できない時期というのが 私の中にもあるのかもしれない。そうして、今がたまたま受け入れられない時期であったとか。

 ファンタジーであるという点は私にとっては別に障害ではないと思っている。子ども向けの本なども読むし、ファンタジーは比較的楽しんで読む分野だ。だからだろうか。この本の中でも一番好意的に読み進んでいたのはナカタさんだった。

 謎解きのようで、謎が解けていないのがまた私のストレスになっている。全てのピースがきちんとおさまらない気持ち悪さ。その辺が私には向いてないのかもしれない。
 謎が多いことで、後に 少年カフカ(未読です)につながっていくものであり、きちんと完結させないことは不備ではなく「仕様」だったのだと理解しているのですが、それでもなんだかしっくりこないというところが私の「合わなさ」につながるのでしょう。

少年カフカ
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