■原題 Shall we Dance?
■監督 ピーター・チェルソム
■星 ★★★
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■説明
遺言書を主に取り扱っている弁護士のリチャード・ギア (John Clark)は、オフィスからの帰り道、電車からふと外を見た。そこには、ダンススクールがあり、その窓から外を見ている女性ジェニファー・ロペス (Paulina)が見えた。心ひかれた彼は、なぜか後日その駅で降りて引き寄せられるようにそのダンススクールを尋ねてしまう。
■感想
周防正行監督の日本映画 Shall we dance? のハリウッドリメイク版。
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細かいシーンや、人物設定など、ほとんど日本版と同じような感じなのだけれど、なんだか違う。「ハリウッド仕様にしたら、こんな風にあっけらかんとしてしまうんだなあ。」と思いながら見た。
本家本元の役所広司(この映画のリチャードギアの役)は、しがないサラリーマン。どちらかというとくたびれかけているような彼。奥さんも普通のどこにでも居そうな主婦。その普通の人たちの日常に どこかありえない非日常が同居してくる。そうして、役所さんから草刈さんへの思いはハリウッド版よりももっと淡くて切ない思いなんじゃないかなあと思う。華奢で繊細な草刈さんの役柄が光っていた。 ナイスバディのジェニファー・ロペスとリチャードギアではちょっと違うんだなあ。
しかし、ダンスシーンはハリウッド晩が圧巻。 日本版 Shall we ダンス?は、そこいらのオバチャン、オジチャンの カルチャーセンター発表会レベル(設定からそういう感じだからそれはそれで味がある)だけれど、ハリウッド版はやはり上手い。 ウリナリのダンス部なんてもう、お呼びでない感じ。美しいの一言。豪華絢爛の夢を見せるのがハリウッドなんだろうな。
日本の文化(社交ダンスはだいぶお年を召した方中心にひろまっていて、その衣装もなんだかけばけばしくて洗練されているとはとてもいえないという文化。)を知らない外国の人が見たら、「こんなのは社交ダンスじゃない!見ていられない!」などと思うかもしれない。 いや、日本に暮らしている別の世代の人からみると、十分に奇異な感じがあの当時の社交ダンスにはあったような気がする。その社会に突然とびこんでしまった人の、いわば不思議の国のアリス的体験が元の映画にはあったと思うのだ。その辺のニュアンスはやっぱりこちらの映画にはなくて、すっぱりとダンス好きの人たちのハリウッド映画になっているという感じ。
私にとって日本版のちょっとあこがれめいた中年の片思い?の方も胸に響くのはやっぱり日本人なんだなあ。。などと思った。両方見比べてみてどっちが好き?と話題にするのも面白いかもしれない。 日本映画の方の脇役の強すぎるくらいのアクの強さも、アジアの映画ならではのテイストなのかもしれない。私は、そのアクの強さも好きなのだ。 私の場合は、ハリウッド版もまあ、おもしろいけれど、日本版本家本元の方に軍配をあげてしまう。