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■監督【著者】 宮部みゆき
■出版社 講談社文庫
■星 ★★★★★
天狗風―霊験お初捕物控〈2〉講談社文庫
■説明
霊験お初捕物控の第二弾。
1巻目のお初よりもスケールがアップして、お初も活発に活躍する。
下駄屋の娘が神隠しにあう。それも、父親の目の前で。お初は、南町奉行所の奉行に依頼され、この出来事をしらべてみることになった。奉行は、不思議な出来事に前から興味をもっているのだ。
■感想
まるで犬夜叉。一つ前に読んだのが「堪忍箱」だったので、とつぜんあやかしが始まったときには かなり驚いた。そうだった。そういう話だった。
しかし、あっという間にひきこまれて一気に読んでしまった。次のページをめくるのが待ち遠しい本だ。
今回は相手も一筋縄では行かない大妖怪のようだ。
大活躍する鉄という名のネコもかわいらしい。
お気に入りの一冊になった。
■監督【著者】 宮部みゆき
■出版社 角川文庫
■星 ★★★★
あやし角川文庫
■説明
時代物の短編。
中にはあやかしがたくさん
■感想
女の首が一番好きだったかな。
子供の頃に読んだ怪談のようで。不思議な余韻がのこります。
■監督【著者】 宮部みゆき
■出版社 新潮文庫
■星 ★★★★
淋しい狩人新潮文庫
■説明
田辺書店という古本屋にかかわる小さな事件の短編集だ。
イワさんは稔のおじいちゃんでこの本屋の店主。
この二人が主に登場して謎をときあかす。
実際にその場にでかけていくわけではなく、はなれたところで人の話を聞いたりして解き明かすタイプの
アームチェア デテクティヴ <っていうんでしたっけ
■感想
謎ときもそこそこ面白いのだが、イワさんと稔の関わりがおもしろい。
おじいちゃんと孫という設定だが、ある意味子供の成長にどうにかついていこうとする大人の視点というのはこういうものなのだろうか。と思って読んだ。可愛らしい稔が最後に近づくにしたがって、家族に心配をかけたりする。
下は大幅なネタバレ
稔は自分より十歳も年上の27歳のスナック勤めの劇団員の女性と知り合う。そうして、夢中になり、夜中に家をあけることが多くなる。 心配した両親の依頼により、イワさんが彼女と会うことになる。
「不純な動機で付き合ってるんじゃないわ」
「誰も不純だとは言うとらんですよ」「しかし室田さん、あなたは稔と違って、純粋ならなんでも正しくて、不純ならなんでもいけないんだと思うような子供ではないでしょう。わしらがあんじているのもそのへんのことなんです。」
「あたし、今まで、稔るさんほどあたしのことをすきになってくれたことありませんでした。今まで、そんないいこと、一度だってあったことなかったんです。だから、あたしにとって、とっても大切なことなんです。」
「きっとそうなんでしょう。」
「稔はあなたにとってそれくらい意味のある男の子なんでしょう。しかしね。室田淑美さん、あんたは大人だ。大人が子供を逃げ場にしちゃいけませんよ。」
「逃げ場...」
このあたり、うなってよみました。
じいさんになったときにコレくらい諭せるようになるとすごいな。<実際は私はバアサンにはなるけどじいさんにはなれない。
■監督【著者】 宮部みゆき
■出版社 新潮文庫
■星 ★★★★
魔術はささやく新潮文庫
■説明
一見無関係な女性が突然自殺する。
その女性たちに共通するものはなになのだろう。
■感想
日本推理サスペンス大賞受賞作だそうだ。
その共通点だけでひとつ話が完結するであろう筋にいくつもいくつも糸をかさねて織り上げていくところがうまいなあと思う点。
■監督【著者】 宮部みゆき
■出版社 新潮文庫
■星 ★★★★
堪忍箱新潮文庫
■説明
これは時代物の短編集である。霊験お七シリーズとは違ってこれには あきらかな物の怪は出てこない。
■感想
ただ、ゆっくりとした時間と、長屋などで暮らしている人たちそれぞれの心の動きが見事にかかれている。こういう本を読んでほろっとしたりじんわりとした気持ちになったりするのは、きっと私たちが似たような感覚を味わったことがあるからだろうか。
この人は本当に守備範囲が広い。さらっと平易に読めながらも いつのまにか すっと物語に引き込まれ「ああ、そうだったのか」と「これ」と言葉や形にできないものが残る。
先日行った江戸東京博物館では 長屋の様子などの模型があった。読みながら一層はっきりと長屋の様子が頭に思い浮かんだ。
■監督【著者】 宮部みゆき
■星 ★★★★
心とろかすような―マサの事...創元推理文庫
■説明
パーフェクト・ブルーの続編であり、短編集である。こちらは上に比べると軽く気楽に読めるものだ。
■感想
パーフェクトブルーではじめて登場したジャーマンシェパードのマサは この事件簿では生き生きと動き始める。実はパーフェクトブルーでは「犬の視点で書いてある」とはいってもなんとなくぎこちない気がしていたのだが、こちらの短編集ではマサは雄弁でマイペースに活躍するマサの姿が目に浮かぶようだ。動物好きの方にもオススメ。
内容は、パーフェクト・ブルーよりも身近な事件だが、これも下町の出来事のように親しみやすくて良いようにおもう。
主要な登場人物の一人に犬好きの友人と似ている名前があるのも私が親しみを感じてしまっている理由のひとつ。
こちらは通勤時の読み物としてオススメ。
推理小説は、どうしても作者のパターンというのが色濃く感じられるものが多いのだが、作者を意識せずに読むと同じ人が書いたと思えないほどいろいろな著作があり、多才な人だとあらためて思った。
■監督【著者】 宮部みゆき
■出版社 創元推理文庫
■星 ★★★★
パーフェクト・ブルー創元推理文庫
■説明
探偵事務所にいるマサは元警察犬。その視点から野球部のエース殺人事件の謎をとく。
■感想
赤川次郎をおもうような軽妙な話。だけど読み進むうちに話はどんどんと織られておもったような話ではなかったことに気づく。
読後には、こんな話だったのか。と
最初は赤川次郎からはじまって、最後はロビンクックのような読後感の、才能を感じる本でした。
これが長編第一作だそうです。