August 2007 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

July 25, 2007

花まんま

■著者 朱川 湊人
■星   ★★★

花まんま
花まんま朱川 湊人 文藝春秋 2005-04-23売り上げランキング : 90610おすすめ平均 starstar大人のファンタジーstarぞくぞく、じんわりstar久々の良書Amazonで詳しく見る by G-Tools

■説明
大阪を舞台にしたセピア色の短編集。直木賞受賞

■感想
最近ブーム?になっている昭和30年代頃?を舞台にしているのではないかと思う。短編集。6編入っている物語はすべて現実から離れた不思議な物語になっている。 私が好きだったのは「トカビの夜」「送りん婆」お化けなどが出てくる話はぞっと背筋が寒くなるものが多いけれど、この短編は そういう強烈な怖さは感じない。どこかぼんやりと霧にかかったような印象があり、まるで夢で見たことのような後味だと感じた。

July 22, 2007

憑神

■著者 浅田 次郎
■星   ★★★★

憑神
憑神浅田 次郎 新潮社 2005-09-21売り上げランキング : 91927おすすめ平均 starstar古典落語!?star「幕末」でどこまで商売するのでしょう??starカタルシス!Amazonで詳しく見る by G-Tools

■説明
下級武士の次男坊として生まれた別所彦四朗は、次男坊は養子に出されるのが常の世の中、よりよい家に養子に行けるようにと武芸にも学問にも励んできた。その甲斐あってよい家に婿養子に行けたと思ったのもつかの間、後継ぎが生まれたらさっさと婿いびりで実家にかえされてしまったのだ。まったくついていない。

■感想
前半はとんとんとテンポよく、おもしろく落語のように進んでいるかのように思ったのだけれど、ラストはどうも私の思うのと違う方向に進んでしまった。
 幕末の無気力が台頭している世を今の世におきかえて読んでしまったからか。 憑神とはその名の通り、人に憑く神のこと。どんな神に憑かれたのかは読んでのお楽しみ。 ネタバレになるので詳しくは書かないけれど、感想は「なんてもったいない。」だった。

 この話、映画化されたようだ。映画もラストは同じなのだろうか。

July 15, 2007

センセイの鞄

■著者 川上 弘美
■星   ★★★★★

センセイの鞄
センセイの鞄川上 弘美 文藝春秋 2004-09-03売り上げランキング : 18070おすすめ平均 starstarリアルでした。映画も見てみたい。star書棚の一冊としてstar久々の感動Amazonで詳しく見る by G-Tools

■説明
第37回谷崎潤一郎賞受賞作。高校のときの国語の先生と、ばったり居酒屋で出会った月子はそろそろ40になろうかという年。お互いの持つ空気に同じものを感じるかのように時々一緒にその店で飲むようになるが、示し合わせてくるわけではない。たまたま出会ったら一緒に飲むという微妙な距離を置いた付き合いだった。

■感想
 なんとなく構えて読み始めたけれど、ドラマを見る前に本を読めたのは幸いだった。ドラマになるときっとこの淡い感じは出すのが難しく恋愛中心に描写されてしまうのじゃないかなと思ったので。(実際はどんな感じだかは見てないのでわからないけれど)
 月子さんの不器用な点、人との間に距離を感じる点など、結婚前に読んでいたらずいぶんと共感を感じることも多かったろうと思えた。

 最初の部分は このページで読むことができます。

July 11, 2007

明日の記憶

■著者 荻原 浩
■星   ★★★★★

明日の記憶
明日の記憶荻原 浩 光文社 2004-10-20売り上げランキング : 5718おすすめ平均 starstar50歳の働きざかりを襲う悲しい病気。starある意味読者にとって、怖い話であるかもしれないstar自分自身の中でアルツハイマーが進行していくようなリアリティーAmazonで詳しく見る by G-Tools

■説明
広告代理店の部長を務める主人公は、そろそろ50歳。だんだんと「アレ」とか「ソレ」という言葉が多くなり、人の名前が思い出せない。若いものとの会話にもなかなかついていけないのを自覚していたのだが。。

■感想
 他人事じゃない。最近私は漢字がかけない。間違える。間違えたも気づかない。人の名前や顔を覚えられない。忘れてしまう。忘れ物が多い。トシかしら。。と思っていたのだけれど、この本をよみはじめてだんだん怖くなってきてしまった。もし私もアルツハイマーだったらどうしよう。
 最近、肉メニューばかりに偏っている(家族はあまり魚がすきじゃないので)一昨日と昨日は魚メニューにしてしまった。 気休めだけれど。
 読んでいるときには、主人公の気持ちが良くわかったけれど、妻という立場で読むと、もっと頼って欲しいと思う。きっと主人公の妻もそうだろうなあ。