■原題 Being There
■監督 ハル・アシュビー
■公開年 1979年
■星 ★★★★
感想を見る場合は上で。値段は下が980円
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■こんな人にオススメ
じっくりじんわりと心に残る映画を見たいと思っている人
シャリー マクレーンのファンの人
ピーターセラーズのファンの人、彼のクルーゾー警部とは別の演技を見てみたいと思う人
■説明
チャンス(Chance)は庭師だった。ところが屋敷の主人が死んでしまい、屋敷を出て行くことになる。チャンスは生まれてこの方屋敷を出たことがなかった。おまけに、彼の存在自体、記録になかった。屋敷の主人が亡くなってしまった今、彼はどういう素性のものかもわからなくなってしまった。はじめての屋敷の外。見るもの聞くものすべてが珍しいチャンス。
■感想
チャンスという日本語の題名とパッケージの裏の「チャンスは一躍時の人となるが」という説明でいつものアメリカンサクセスストーリーや 軽い映画だと思って見始めたのだが、なんとも不思議な雰囲気の映画だった。 購入当時みはじめてじっくりと見る時間がなくお蔵入りになっていたもの。
先日、花時間という雑誌の書籍紹介欄に「庭師ただそこにいるだけの人」という本があり、その名前と表紙に引かれて説明を読んでみたところこの映画にゆきついた。映画の原題は Being There. そうか。私がチャンスというイメージに振り回されていたんだな。
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楽しんでみるというよりも、心配性の私はいつか周りの人が気づいてしまうのではないかとハラハラしながら見ていたので最初のうちはかなりつらかった。
彼の言葉を比喩として理解する成功者達のよりどころのなさや、政治の世界の滑稽さも描かれているけれども、それはいままで私が見たアメリカ映画のような軽い扱いではなくふしぎにじわじわとした感覚でせまってくる。 そこにいるだけの人。あることをあるがままに言う人。人はものごとを理詰めで考えるとき、あるがままに受け入れることを忘れ勝ちになってしまうのかもしれない。
物事は、あるがままにあることをそのままに受けとめることが大事なのかもしれないと思ったりした。
ハラハラしながら見た映画だけれども、全体を通して静かな運び。見終わった後はなぜか チャンスと一緒に雪の残る林をあるき、水面を見守り、気持ちがしんと静まっていた映画でした。
主演はピーターセラーズ。 聞いた事があるとおもったら、クルーゾー警部ということ。名演技です。