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December 28, 2004

ミスターインクレディブル

■原題 Mr. Incredible
■公開年 2004年
■監督 ブラッド・バード
■星 ☆☆☆☆☆

■説明
スーパーマンやスパイダーマンに代表されるようなスーパーヒーロー達が日々人々の平和を守っている時代があった。しかし、その行動が訴訟沙汰になるような事態に発展し、そのような力を持つ人たちは普通の人たちにまぎれてその力を秘密にしながら過ごすようになった。 ミスターインクレディブルもその中の一人。
昔はいろいろな事件を解決してきたのだが、今は保険会社に勤めるサラリーマン。実は妻も元スーパーヒーロー。ということは、もちろん二人の子ども達も超人的な力を持っているのだけれども、かれらはまだ子どもなのでその力を隠すのもたいへん。 そんなある日、元スーパーヒーロー達をひそかに追いかけている人物が。

■感想
 久々にすっきりとしたアニメという感じで頭をからっぽにして楽しく見ることができました。
最近はCGも発達してきたので、映画の中では人間もアニメと同じように動き回ることができるのだけれども、頭のどこかで知らず知らずに否定してしまっているのか小さな違和感があったんだなあと再確認しました。つまりアニメで見ることで、どんなことがあってもすんなりと受け入れてアハハと楽しめる。そういうストレス解消になるような映画です。
 ピクサーの映画だけに、キャラクターもかわいらしいし、その性格の割り振りのバランスもよく、年末からお正月に家族で見る娯楽作としてちょうど良い出来上がりだと思います。

 ストーリーとしては、設定上「スパイキッズ」などと重なるものがあると思いますが、ストーリーそのものよりもこまごました演出やらキャラクターやらそういうものを単純に楽しみながら見るのが良いと思います。
 特にオススメなのは、子どもと一緒に家族全員で見るということ。楽しさが倍増すると思います。
逆に、カップルで見に行くんだとしたら、別の映画の方がよいかもしれません。
 「大人」の雰囲気を期待する人は予告編などから少ないとは思いますが、まったく大人向けではなくターゲットはファミリーや子どもというところだと思います。

 私はピクサーのアニメの中でも、とても好きな作品のうちに入ります。楽しかった〜。映画館を出てからもインクレディブル婦人になったような気持ちで歩いていました。もちろん息子は 長男ダッシュになりきっていました。 
公式サイトはこちらですが、人物紹介やらストーリーやらみちゃうと最後のオチが予想できるかも。。。楽しみたかったら見ないことをオススメします。

火垂の墓

■作者 野坂昭如
■星 ☆☆☆☆

アメリカひじき・火垂るの墓
野坂 昭如

新潮社
1972-01
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■説明
昭和43年台58回直木賞を受賞した作品の「アメリカひじき」「火垂の墓」を含む短編集。
戦後の彼の実体験をもとにしたものであるとのこと。 火垂の墓は、スタジオジブリの映画で有名になった。

■感想
先日火垂の墓を見直して感想を書いたところ、友人が原作を読むことを勧めてくれて読んでみることにした。まず、感想は、高畑さんの映画を悪いと言っているのではないのだが、「戦争の映画」ではないんだなと思った。(あの映画に出てくる戦争の映像はほんの少しだ。見終わった後に戦争の映像もたしかに残るが、それ以上に大量に表現されている自然の美しさや兄弟のかわいさ、はかなさ、綺麗な映像がそれを打ち消す効果があるように思う。主題は戦争ではなく、多分美しい映像表現にこだわって製作されたであろうと思う。)

 美しく、悲しい物語も感動を呼ぶのですが、私はやはりこの本を読むことを勧めてもらってよかったと
思った。この本の中には、戦争の現実が詰まっている。それが淡々と、涙を誘うでもなく主人公は当事者でありながらどこかさめた目で自分を見つめているかのような文でつづられている。
 その虚無感というかそういうものが伝わってくると同時に その生活の「ただ悲しいだけでなく」受け入れざるを得なかった、そうせざるをえなかった事情というものもすんなりと入ってくるものがあった。

 私も戦争を知らない世代だが、ぜひ、これからの人々に読んでおいてほしい本だと思った。

私は「火垂の墓」も心に残りましたが、同じく収録されている「焼土層」も心に残った。

December 21, 2004

ポーラーエクスプレス

■原題 THE POLAR EXPRESS
■監督 ロバート ゼメキス
■公開年 2004年
■星  ☆☆☆

■説明
主人公は、もうそろそろサンタが信じられなくなりそうな年頃の男の子。いるのかいないのか、気になって落ち着かない。「いない」と思える証拠をスクラップしたりしながらも、サンタの正体をみきわめたいと寝たふりをしながら待っていたのだ。両親はすっかり息子を寝たものと思い、「急行列車が来ても目が覚めないよ」なんていいながら部屋を出て行った。

■感想
トム・ハンクスが何役もやっているのですが、アニメなので、トムハンクスの必然性が感じられない。
オマケに見たのは 息子と一緒に日本語吹き替え版でしたので(--;)、彼の吹き替えの妙はあじわえないままでした。
 トム・ハンクスが子どもの頃に大好きだった絵本の映画化ということでしたので、絵本を検索してみると、オールズバーグ(ジュマンジの絵本の作家:クリス・バン・オールズバーグ)作だそうです。
この絵本は未読ですが、ジュマンジの緻密さの中に 静けさと不気味さがある奇想天外なストーリーと通じるものがあるのだろうと思いました。

絵本はこちら。

急行「北極号」
クリス・ヴァン・オールズバーグ 村上 春樹

あすなろ書房
2003-11-10
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ジュマンジはこちら
ジュマンジほるぷ海外秀作絵本シリーズ
jumanji.jpg

 どこからともなく轟音とともに、自宅前(線路もないのに)にあらわれた急行列車は大きくて黒い影をおとし、そこから降りてきた車掌は、お世辞にも「サンタのように親しみやすい」雰囲気を持った人ではありません。どうしよう、乗ろうか乗るまいか、迷う主人公に 「乗ったほうがよいとおもう」とにこりともせずに助言をした車掌は、後ずさりする主人公を見て 「どうぞお好きに」とつきはなし列車を発車させるのです。 好奇心を押さえきれずに追いかけて乗ってしまった主人公。

 サンタの存在を信じているか信じていないかというのはこの映画を見るときに大きな差となってでてくるように思います。私は悲しいことに大人であり、息子にプレゼントをする側の人間なので、話にのめりこむことができませんでした。

 しかし、映像的には見所満載のものがあります。ネタバレにつながりそうなので以下フォントの色を変えます。マウスで反転させて読んでくださいね。

まず、最初に不気味で怖いという思いを乗り越えて乗った急行の中の楽しいこと。ホットチョコレートを配る給仕さん達のパフォーマンスも素晴らしく、わくわくとします。そうしてあっという間、一瞬でまた静けさが戻ってくる。 本当に北極点(サンタの居る場所)まで行くのだろうか。 クリスマス前の町中の楽しくうわついた雰囲気とはまた違った列車の中。大変なアドベンチャーもあります。列車の屋根伝いに移動すると、そこで火をたいてまるで野宿でもしているかのようなhobo(しかし、幽霊のような存在)に出合ったり、ストーリーは一貫して冒険物語です。

くだらないことですが、日本語吹き替え版ならではの(大人の?)楽しみもありました。
子どもたちが見ることを想定して、いたるところの映像が日本語化されているのです。
辞典を開いた主人公が見たものは 「生き物はいない」という日本語の文字だったり、そのほかこの物語のあちこちの映像が日本語化されています。(これってどうやって配給してるんだろう。大変だなあ)なんて思いました。

 当初この映画を見た時点では、クリスマスなのに全く楽しそうではない、どこか「しん」と静まり返った不気味な雰囲気に違和感を覚えたのですが、これは多分「オールズバーグの本の映画化」ということだからではないかと思うのです。あの雰囲気を壊さないように、あのミステリアスな物語をそのまま映画にという配慮があったのではないかと思いました。(しかし、私のようにオールズバーグの本を読んでない人からするとどうでしょうね。)以下ちょっとおもいつき。フォントの色がかえてあります。

それから、今になってみるとこのしんとした不気味な雰囲気はサンタに会うシーンのにぎやかさを引き立てているようにも思います。


 映像の話をすると、3Dアニメ(っていうか最近のCGとアニメの差がよくわかってないんですよ。アニメでも最近はコンピュータ使ってるのが多いですし〜)です。検索で知ったのですが、Pocket Warmer (ポーラー エクスプレス)によると


モーション・キャプチャーをより発展させてパフォーマンス・キャプチャーと呼んでいる技術で作られています。細かい表情までキャプチャーするため、全身に取り付けるマーカーの数とカメラの数を大幅に増やしたようです。

ということでした。なるほど。トムハンクス 一応アニメの中で演技してるんだ。。。演技度合いを見逃したのが残念。

 好きと嫌いがわかれそうですが、公開中に(この場に公開中にレビューを書くことは珍しいですね)見にいけて興味があるようだったら 映画館に行ってみても良いかな?と思います。
多分、予告編でも見られるようなスピード感溢れる描写や迫力のある描写が、家庭でDVD鑑賞となるとスクリーンの大きさによって楽しみ半減することがあるのではないかと思うので。 もし私がDVDでみたとすると「つまんない映画だったね」と思いそうな予感もあったりして。(問題発言?)
 
 しかし、あまり興味がないのに見に行く必要があるかというと なさそうだなあ。。という感想でした。ちょっと中途半端な映画という感じもします。

 映画をみて最後に思ったのは

私にはもうとうに鈴の音が聞こえないんだよね。ってこと。
これがこの映画を見た時の感想の温度差になりそうに思いました。
そうして 息子のようにサンタの存在を信じている子からみたらこの映画はどんな感じなんだろう。また、主人公のように サンタの存在を信じられなくなりかけた子が見た場合それから数年してときは、どんな感想を持つだろうと思いました。
 しかし、親としてこねくりまわした考えを書いちゃうと サンタの存在というのは、子どもを大切な存在としてとらえ、プレゼントを贈ってよろこばせたいと思う親心の集合体だということだと認識すると たしかにサンタはいるんだよなと思う今日この頃です。 そうして、その愛情の集合体ならば信じることは私にもできるぞ。

 

December 16, 2004

夢のチョコレート工場

■原題 WILLY WONKA & THE CHOCOLATE FACTORY
■監督 メル・スチュワート
■公開年 1971年
■星  ☆☆☆?
夢のチョコレート工場WILLY WONKA & THE CHOCOLATE FACTORY
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■説明
世界中の子どもたちに人気のワンカのチョコレート。その工場の中はどうなっているのか絶対の秘密。
世界で5枚だけチョコレートの包みの中に入れられた金の券をみつけたひとだけが工場を見学させてもらえることになったので、世界中は大騒ぎ。 貧しいチャーリーはチョコを買うことさえままならないのだけれど、やっぱり工場見学に行ってみたいのは同じ。

■感想
ロアルド・ダールの原作も有名なので読んでみようと思いながらペーパーバックが行方不明でまだ未読です。同じくダールの原作の子ども向けの映画では ジャイアントピーチ。子供向けのペーパーバックは、英語が苦手な人にもオススメの物が多いようです。この園丁にも書いたThe Witchesも彼の物語です。
 ジャイアントピーチをごらんになった方には説明がしっくりくると思うのですが、奇想天外で、少し怖くて、不気味で、でも子どもをひきつけて放さない不思議な魅力があります。子ども向けの話としてハッピーエンドであることも好ましいと(親として)思います。

さて、夢のチョコレート工場。 残念なのは、DVDでありながら、吹き替えが入っていないこと。(現在はオリジナルの英語音声だけです)子供向けの映画であればぜひ吹き替えが入っていてほしいのですが、字幕が難なくよめるようになるまでの辛抱といえば辛抱かもしれません。(リアルタイムでごらんになった方は、字幕でごらんになったわけですしね。)

 中はところどころミュージカル仕立てになった、劇という感じです。今は当然のようになってしまったCGや特撮がないので、劇場で劇を見ているような印象を持ちます。 社長の ウィリー・ワンカ(ジーン・ワイルダー)がこれまたどこが不気味とはっきり表現できないのですが、妙な不気味さを漂わせていて最後の最後まで何がおこるのか、小さな不安があったりで目が離せません。

 今の映画ほど、テンポが良いわけでもなく、セットも「いかにも」という感じですが、こういうセットだからこその楽しみというものがあるようにも思いました。
筋は見てからのお楽しみ。

そうそう。夢のチョコレート工場で検索していましたら、リメイクされるという情報にヒットしました。
ワンカ社長は あのジョニーデップ。 彼のミステリアスで不気味な雰囲気は適役のように思います。
YAHOO MOVIE の夢のチョコレート工場情報
 このページのリンクから 予告編(動画)が見られます。 こちらはこちらで楽しそう!。来年七月公開予定のようですね。

予告編の途中あたりに、赤いチョコレートがたくさん並んでいる映像があるのですが、 ウォンカ とカタカナで書かれたパッケージがあるのを私は見逃しませんでしたよ! なんてね。
http://www.timburtoncollective.com/charlie.html
こちらも ティムバートン(ジャイアントピーチもそうですね)監督なんですね。なんだか期待してきてしまいました。

December 13, 2004

火垂の墓

■監督 高畑 勲
■原作 野坂昭如
■星 ☆☆☆☆

火垂るの墓 
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■説明
 空襲で突然母を失ってしまった兄と妹。おばの家に厄介になるが、おばにつらくあたられることも多い毎日。二人で暮らすことを決断する兄。しかし。。。

■感想
 今回は大幅ネタバレなので 大幅に隠しています。(日記からの転載です)マウスで反転させてください。

以前見たときには悲しくてつらい印象が強かったのですが、今回は年のせいで理屈っぽくなっているのか、それとも戦争のことを知らないせいか「なんで?」と思うことが多かったです。

 この映画を見るときに、私は兄に感情移入をしてしまいます。「自分も幼い子どもであるということを自覚しながらも、もっと幼い妹をどうにかしてまもらなければいけない」という自分の身にあまる責任を感じながらも妹のために頑張り、結局その妹を自分の力不足から失っていってしまうという悲しさがやりきれないのですが、今回はそのやりきれなさを感じ、涙をこらえられないなかにも、納得できない思いが沸き起こってきました。

 主人公のお兄ちゃん。年齢的には小学校高学年か、中学生くらいだと思います。その子がどうして全く大人を手伝わなかったのだろう。おいてもらっている家の手伝いをしないこともあり 嫌味や小言をいわれたのではないだろうか。 自炊できるくらいのことができるのだったら おばさんの家事を手伝うべきだったのではないだろうか。

 妹と二人住むようになってから 火事場泥棒をすることを選ぶ前にどうして何か働こうとしなかったのだろうか。 二人で防空壕の中で住むことができるくらいだったら、子どもでも何かできるはず。また、映画の中でもおばさんの家においてもらったほうが良いと助言があったように、嫌味を言われても、おばさんの家に戻れば配給もあり、あれほどの栄養失調で妹を亡くすこともなかったろうに。(母の着物と交換した米をおばさんに搾取されることはたしかに、おばさんソリャナイゼ!とおもったけれども) 「あやまりもしないんだよ」とおばさんが言っていたように、たとえば食器を出しっぱなしで洗ってもらったときにありがとう、ごめんなさいと言って、次回から自分であらったりおばさんを手伝っていれば多少は違ったろうに。(おばさんからすると米は迷惑料だと思っていたと思われる) また、いとこのお姉さんが「おかあさん、またきついこと言うたんやないん?」と言っていたから、そのまま家にいてもまったくの四面楚歌ということはなかったろうになあなどと思ったのでした。  

 一番気になったのは、子どもたちの悲惨な運命が戦争のせいだというよりも、「いじわるな叔母のしうちのせい」と理解されてしまうことがあるのではないか。 叔母は叔母で、たぶん’其の当時の正論’をしゃべっていたはずだと思うのでした。
 理解力に欠ける小さな子どもが戦争をしらずにこの映画を見たときに、戦争の悲惨さを感じるよりも ’叔母にいじわるされた孤児の悲しいものがたり’と理解することはないのだろうか?と一抹の不安を感じたりしました。

それにしても、皆自分が生きるのに精一杯だったとしてもそんなに生きるか死ぬかの子どもにそんなに冷たい世の中だったのだろういか? こう思うこと自体が 戦争を知らない私の現実感のない平和ボケなんだろうか?とも思いました。

 映画自体は、妹があまりにも良い子でかわいくて、また海辺などで兄と妹のたのしく無邪気に戯れるさまが、あまりにも美しいだけに話の悲惨さが際立ってやりきれません。高畑さん、うまいなあと思います。

 戦争を知らない息子のためにと思って買ったDVDですが、結局は私自身もほとんど戦争を知らないことにあらためて気づきました。今、戦争を知っているはずの世代の政治家達はどんどんと戦争向きの行動をとっているかのように見えるわけだけれども、あの人たちから見た戦争はどんなものだったのだろうか。
 あの人たちは戦争の中でも恵まれた環境であったために本当の悲惨さを経験してない人たちなのだろうかと思ったりもしました。

■追記

原作の野坂昭如の本を検索してみたら、レビューに

実際に妹さんを栄養失調で亡くしたのも本当らしいです。
映画のパンフで彼は「映画程実際妹に対して優しく接していなかった」という言葉が印象的でした。

とありました。
やっぱり私が上で書いたように、おばさんの家においてもらっていれば、妹を栄養失調でなくすこともなかったろうにというのは、戦争を知らない大甘なコメントかもしれません。
 たぶん、おなかのすいた妹は映画のようにいつも天使のように良い子ではなく、かんしゃくを起こすことも多かったとおもいますし、(子どもはおなかがすいたり眠かったりするとぐずぐずと、機嫌がわるくなります)そういう妹に対して兄はいつもいつも優しく接してないということも確かでしょう。 本は未読でしたが、読んでみようと思います。

アメリカひじき・火垂るの墓新潮文庫

■さらに追記

 今ふと思ったのですが、今回違う感想を抱いたのは、私が家庭を持っているからかもしれません。責任のない時代には、自分が気ままに食べていけばよかったわけですが、家族をもち、家族のために家事をするという経験から おばの気持ちや、周りの大人の対応のわけも少しはわかるようになってきているからかもしれないと思いました。 (子どもに説明のないまま、コメを着服したり、嫌味を言ったりするのは典型的な’継母’の姿で、肯定はしませんが、そういいたくなる気持ちも多少は理解できるというか) 

December 09, 2004

ハウルの動く城

■原題 ハウルの動く城
■監督 宮崎 駿
■星  ☆☆☆☆

■説明
父の残した帽子屋をほそぼそとやっているソフィー18歳。ひょんなことから 悪名も高いけれども美形とのうわさのある魔法使い「ハウル」に会い、ただ一緒に歩いただけなのに荒地の魔女から呪いをかけられてしまう。 なんと90歳の老婆になってしまったのだ。 この姿では帽子やを切り盛りできない。
決心したソフィーは家を出る。

■感想
記憶では宮崎駿監督は 自分の子どもの成長にあわせて 見せたい映画を作っていると聞いたことがある。本当だろうか。となると子どもさんは18歳くらいの年になるのであろうか。
 アニメとして大変楽しいものではあったが、前回の千と千尋では、私は千の年齢までさかのぼって同化しながらみることができたのに、今回はソフィーの年齢にさかのぼってみることができなかったのが、前作ほどに楽しめなかった理由ではないかと思った。
 
  ソフィーは自分が美人ではないと思っている、仕事をもった女の子。男の子にももてないし、これといってきまったボーイフレンドもいないようだ。
以下大きなネタバレなので文字を隠します反転してください

おまけに、魔法使いのハウルはハウルで、魔法の力は持っているけれども、髪の色にこだわり、まったくわがままで子ども子どもしている。その子ども子どもしているハウルを しっかりもののソフィーがもりたてていく。 しっかり物の女の子の恋の力で見かけは素敵だけどいまひとつダメな男の子が立ち直る物語。

一番この映画を楽しめるのは 中学生から上の年齢の未婚の人たちじゃないかなあと思ったりしました。つい、ここのところの「だめんず」ブーム、昨年の「負け犬の遠吠え」ブームを思い出しながらみました。 あ、登場人物?で一番好きだったのは カルシファーかな?

解せないところも書いておこうと思います。激しくネタバレなので、同じく反転させて読んでください

戦争。どうして戦争しているのか。ハウルはそれをどういう目的で見て回っていたのか。
サリマンのいる場所に王に化けて出向いていったときに「魔法使いは戦争の手伝いはしない」などと反戦の意思を表したりするのですが、彼自身が結局は ソフィーたちを守るためといって戦争の中に出て行きます。
 サリマン曰く、ハウルに王室付きの自分の地位を譲りたいと思っていたのに彼が悪魔と取引したとのこと。それを聞く限りでは ハウルが悪・サリマンが善となるはずだけれども、実はハウルは自由気ままな生活をしているだけで、なんら危害を与えることなくすごしている。却って王室付きとなって戦争に加担しているサリマンのほうが悪なのではないかと思う。
 それはそれで、「世の中善や悪というのは、実は決められないものなのだ」という深い哲学がこめられているのかとおもいきや、ハウルがカルシファーと分裂したとたんに戦争をやめてしまったり。何のために戦争してたんでしょうか?と肩透かしをくらったかのようでした。

 けなげで、しっかりとした愛情深い女の子が出てくるのが宮崎アニメの特徴ですが、今回については「ハウルや、いつまでもうじうじせずもっとしっかりせい」と思ったりしました。

 原作を読んでみたらまた感想が違うかもしれませんね。

December 08, 2004

アメリ

■原題 Le Fabuleux destin d'Amelie poulain
■監督 ジャン=ピエール・ジュネ
■星   ☆☆☆
アメリ【期間限定スペシャル...Le Fabuleux Destin d'Amelie Poulain
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■説明
 「見ただけで幸せになる映画」といううわさが流れ、ブームになった映画。
空想好きで内気な少女アメリの 恋の物語と書けば簡単だけれども、実はなんだか不思議な世界。
メルヘンかというと、なんだか猥雑な毒もちょっとだけある。 「見ただけで幸せになる映画」なんてきかないで見ていた方が絶対面白かったと思う。(これから見る人はこのうたい文句は忘れて見るのをオススメ) フランス語はまったく分からないのだが、 原題は「アメリ・プーランの素晴らしい運命」という題だということだった。フランス語の和訳はそうだけど、fabuleux を辞書で引くと、「想像を絶する」とか「途方もない」という単語になるので、「素晴らしい運命」でもあり、かつ 「途方もない運命」っていう題のイメージなんじゃないでしょうか。 どちらかというと 「素晴らしい」というよりはそっちのほうがしっくりくるような気もします。

■感想
 レンタルで見て、おまけに見ないうちに返却期限を迎えてしまったので 急ぎ足で見たけれども、途中寝てしまい(不覚なり)見直すまもなく返却という。 今日コレを書くためにアマゾンを検索したら、期間限定廉価版2500円が出たんですね。 う〜ん。どうしようかな。

 この映画自体がなんとなく現実のようで、現実味のないようで、空想の産物のような雰囲気をかもしだしています。時代も現代のようでもあり、ちょっと昔のようでもあり。 子どもと家のことでこんなに忙しくなる前、まだ独身時代のいろいろと空想をめぐらすことも多いような時代にこの映画を見ていたらもっと楽しめたのではないかなと思いました。
 内容は 変わった生い立ちのアメリがひょんなことからおもいついて、人を少しだけ楽にさせるウイットの効いたちょっとおかしなイタズラをするという筋です。

イタズラの内容を楽しむもヨシ、アメリの不思議な運命をドキドキ一緒に見守るもよし。
随所にちょっと悪趣味なものがちりばめてあったりもするのですが、それはそれで、その空想の恋のゆくえをたどるだけでは単なる大甘のメルヘンになってしまうところを メルヘンでなくすという重要な意味を含んでいるのかもしれません。

 私はアメリのイタズラも面白かったけれど、ラストシーンがとても好きでした。ある映画を思い出したけど、それは これから見る人のためにナイショにしておきます。