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December 28, 2004

火垂の墓

■作者 野坂昭如
■星 ☆☆☆☆

アメリカひじき・火垂るの墓
野坂 昭如

新潮社
1972-01
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■説明
昭和43年台58回直木賞を受賞した作品の「アメリカひじき」「火垂の墓」を含む短編集。
戦後の彼の実体験をもとにしたものであるとのこと。 火垂の墓は、スタジオジブリの映画で有名になった。

■感想
先日火垂の墓を見直して感想を書いたところ、友人が原作を読むことを勧めてくれて読んでみることにした。まず、感想は、高畑さんの映画を悪いと言っているのではないのだが、「戦争の映画」ではないんだなと思った。(あの映画に出てくる戦争の映像はほんの少しだ。見終わった後に戦争の映像もたしかに残るが、それ以上に大量に表現されている自然の美しさや兄弟のかわいさ、はかなさ、綺麗な映像がそれを打ち消す効果があるように思う。主題は戦争ではなく、多分美しい映像表現にこだわって製作されたであろうと思う。)

 美しく、悲しい物語も感動を呼ぶのですが、私はやはりこの本を読むことを勧めてもらってよかったと
思った。この本の中には、戦争の現実が詰まっている。それが淡々と、涙を誘うでもなく主人公は当事者でありながらどこかさめた目で自分を見つめているかのような文でつづられている。
 その虚無感というかそういうものが伝わってくると同時に その生活の「ただ悲しいだけでなく」受け入れざるを得なかった、そうせざるをえなかった事情というものもすんなりと入ってくるものがあった。

 私も戦争を知らない世代だが、ぜひ、これからの人々に読んでおいてほしい本だと思った。

私は「火垂の墓」も心に残りましたが、同じく収録されている「焼土層」も心に残った。

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