■著者 ロアルド・ダール
■星 ★★
魔法のゆび | |
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■説明
主人公は8歳の女の子。魔法のゆびを持っているのです。彼女の打ち明け話。
■感想
これは、もしかしたらペーパーバックで読んだほうがよかったのかも。私としてはいまひとつ中途半端の感がありました。それほどたくさんダールの本を読んだわけではないけれど、ダールにしては常識派すぎるような気もしたし、教訓的な気もして。(あまりにもめちゃくちゃなストーリーだとそれはそれで心配になる親心なのですが) 。
最近気になることは、日本語訳にしたときに、日本語の文体がたくさんありすぎて同じことを言うにしてもしっくりこない場合があるんじゃないななあということです(私は英語は苦手で自信がないのですが)
たとえば、
「私は、狩りなんてだいきらいです。自分のたのしみだけのために、鳥やけものをうちころすなんて、良くないことだと思います。」 というのと、
「私は、狩りなんてだいきらい。自分の楽しみだけのために、鳥やけものをうちころすなんて良くないことだとおもうわ。」 と、読んだだけで読み手に話し手の人格設定がそれぞれ違う形でできてしまうような気がします。
この本の場合は、女の子をもう少しいたずらっ子のような語りにさせたほうがおもしろかったのではないかなあなどと、英語が苦手なりに思ったりしました。やっぱり翻訳本には訳者との相性というのがあるように思います。 「マチルダは小さな天才」を読んだときには面白く読めたので、訳者の問題ではないかもしれません。
マチルダは小さな大天才 ロアルド・ダールコレクション 16 | |
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以下ちょっとネタバレ
とはいえ、物語ぜんたいの流れではなくて、お隣の家族の一人一人の行動をみてみると面白いものがあります。大変なことになってしまうのに、あっという間にその環境になじんでしまうその姿をのぞき見ている楽しみというか。そういうのはありそうかも
たとえば、この物語が映画になったとしたら、おもしろいものになりそうな気もします。