■著者 おの りえん
■星 ★★★★
メメント・モーリ | |
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■説明
メメント・モリとはご存知の方も多いでしょうが、「死をおもえ」との意味。
すぐかっとなるたちと自分のことを言うお母さん、けれどお父さんが怒らないようにもくもくと家事をこなす画家のお母さん。なんでも自分のやることが一番で
「いいか。百人の人がいたら大切なのはたった一人の特別な者だけだ。あとの九十九人は自分の頭で考えたりできない。愚衆ってやつだ。トップは一人でいい。あとは、その一人についていけばいい。そしてお前は、その選ばれた一人の方だ。
わが家はそういう家系なんだ」
■感想
対象年齢は子どもに親のあらが見えてきて 「いやだな」と思うところが増えてくる頃だと思います。残念ながら私はそれをとうに通り越してしまったので、その辺の思いが薄れていてなかなか物語に入り込めませんでした。中盤くらいまでは、まるで「千と千尋の神隠し」のような展開です。なんとなく、面白いというよりも借りたから読みきりたいとおもう気持ちで読み進んでいた私ですが、残り三分の一くらいになり、突然一気に読み終えました。
読み終えての感想は、大人にも感じるところの多い本であるということです。
「守るものがあればあるほど、人の中には恐れがふくらむのよ。」友達になった水の鬼の叔母にあたる人がほほに言います。彼女はうまれつき目も良く見えなくて体も弱かったのです。 だから彼女は水の鬼から薬草の鬼になったのだということ。
「人はときどき、考え違いをするわ。弱さを取り払ったところに、本当の自分があるって。でもね。ほほ、弱さはその人の始まりよ。取り払うことはできないし、取り払う必要はない。その人の芯」
ほほの旅と一緒に、大人も時間をさかのぼり、子どものころ解決しないまま忘れ去っていた自分の思いを片付けることのできる本ではないかと思いました。
pon2さん、読みましたよ〜この本。深い話だった。「ほほ」という名が印象的。ぜったい怒っては呼べない名だなんて。やってみたらほんとにそう。窓の外にふらっと異次元につながる扉があるかも?と小さい頃は真剣に思ってたわね。鏡の中とかね。弱さに気づくことが始まりで、なにも恥じる事ではないと意地っ張りな(特に中坊!)子達に聞かせてやりたい。
Posted by: catseye at February 27, 2006 02:47 PMcatseyeさん、コメントありがとうございます。この本、読んだときよりも、後になってじわじわと思いが増すように感じます。 何気なく題と作者で気になって手にとった本だったのですが、読んでよかったと思いました。
別件ですが、教えていただいた探偵の本、とても楽しそうで息子の好みにもあいそうだったので、今度図書室にリクエストしてみようと思います。ありがとうございました。