■原題 THE NET
■監督 アーウィン・ウィンクラー
■星 ★★★★
ザ・インターネット | |
マーク・アイシャム サンドラ・ブロック ジェレミー・ノーサム ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2005-06-22売り上げランキング : 58922おすすめ平均 相手役のジェレミー・ノーサムが、知的でクールで素敵ファイルをセーブするシーンが『ハラハラ』『ドキドキ』ネットの恐怖Amazonで詳しく見る by G-Tools |
■説明
アンジェラ(サンドラ ブロック)は、親しく付き合う友達もいないし、一人暮らし。コンピュータープログラムのバグとりの仕事をSOHOで請け負っている。 相手とも電話やメールとの付き合いが多い。 バグ取りとはいっても、最近はウィルス感染を発見することも多くなった。
■感想
公開当時(1995年)に映画館で見てとても面白かった記憶があったけれど、もう10年もたってしまっているからどうだろうといつも思っていた。でも、機会があったらもう一度見たいと思っていた映画だ。 当時私はコンピューター会社でシステム開発を担当していたし、ネットも身近だったから、この手の映画は大好きでいくつか見に行ったけれど、ほとんどは「オイオイ、そりゃないぜ」と仕事をしているものからみると 突っ込みを入れたくなるものが多かったなか、これは「ネットに情報をのせ、統合していくことにより、本当にこれに似通ったことって将来ありうるかも」と背筋が寒くなる思いがした。 サンドラ ブロックは 全体にごつくて男顔だし、あごもわれかけているので私にはあまりかわいらしいと思えず好みではないタイプ。でも、孤立無援になっても、あきらめずどうにかそこを抜け出そうとするたくましい役柄は彼女にピッタリで、好感をもった。
当初は もう10年もたってしまったから、どうだろう?という一抹の不安とともに観た。というのも、コンピューターやネットの世界は技術の移り変わりが速いので、当時おもしろくても数年たつと陳腐に感じられるものも多いからだ。
ところがこの映画は、相変わらずとても面白かった。たしかに出てくるゲーム画像はなんとなくチャチイし、パソコンも古めかしくはなっているけれども、最近増えた情報流出のニュースが示すようにネットの世界の情報の怖さはこの映画が公開された当時から変わらずにあるんだなあと思いながら観た。 オフィス(本当はセキュリティが厳しいのであんなに簡単に入れないはず)の空気も会社勤め時代を思い出して懐かしかった。(あれほど広いブースではなかったけれど。雰囲気は本当に良く出ている)
相手組織の黒幕が誰なのか、容易に想像がつくことから結末が予測できて、映画自体の評価が低い方もあるかもしれない。でも、確実にネット社会の問題を捉えている点で、あいかわらず面白い映画だったと思う。
他の映画評にかかれていたことで、機密文書のディスクと書かれていたのを読んで、それは違うんじゃないかな?!と思うことがあったので。。ネタバレを書いておきます。これは物語の最後の部分の謎解きなので、映画を見た方のみごらんになることをオススメします。
以下 大幅ネタバレマウスで反転してお読みください。
奪い合っているディスクの中には機密文書ではなく彼女がみつけたウイルスが入っているはず。ここには二つのウイルスが出てきます。一つは、πマークがアイコンになっていて、ネット経由でゲートキーパーというソフトを入り口として情報を入手できるウイルス。それからエスケープキーで全てを抹消してしまうウイルス。 奪い合いになっていたのは、πマークが入り口になるウイルスを含んだ モーツアルト ゴーストのソフトです。 そのソフトの存在自体が証拠になってしまうので、相手はばれそうになったらモーツアルトゴーストのプログラムを自分のパソコンから消せば良いはずなのですが、それがディスクにセーブされて他の人の手にあるということは、それが証拠となりうるから執拗に追われていたのです。 結局、サンドラは最後にそれを FBIに送りつけることで不正が暴かれるということになりますが、突っ込みどころといえば、「だったら最初からFBIに送りたまえ」かな?
もう一つの突っ込みどころは、エスケープキーで全ての情報を消してしまうウイルス。この影響範囲がどこまでか??この辺はナゾですけれど、書き換えられたサンドラの情報まで消えていたから ゲートキーパー経由で消えちゃった??ということかな?
たしかにπマークを押した後にたくさんのファイルがチカチカと移り変わるところは 演出としては古い感じは否めませんが、なんといっても10年前の映画ですから。
とはいえ、20年たっても、おもしろいかどうか??これはナゾです。(あの頃はこういう映画をおもしろがっていたんだよと歴史的価値が出てくるかな?)