■著者 藤沢周平
■発行 新潮文庫
■星 ☆☆☆☆
たそがれ清兵衛新潮文庫

■説明
たそがれ清兵衛をはじめに、8人の下級武士の物語集。
映画は たそがれ清兵衛・祝い人助八・(もうひとつは失念) などをもとに別の物語としてつくられたものだとよくわかった。
■感想
周辺環境を淡々と説明文のように書くところから始まる文はとっつきにくいのだが、読み進むうちにその冷静さが静けさとなってすっきりとした味わいになるような文だと思った。
藤沢周平の本は今まであまり読んだことがなかった。
短編集のこの本は、通勤などでも読みやすいと思う。
このたそがれ清兵衛は、いうなれば NHKの プロジェクトX の感動と似ていると思える。
下級武士を襲ういろいろな軋轢は、現代のサラリーマン社会に良く似ている。
そうして、最初から表舞台にたっているわけではない普通の人である主人公が実は秘められた特技を持っていてそれで、何かをなしとげる。しかし、それで天下をとるような大きなことは起こらない。淡々とした物語が8つ。
サラリーマン社会に住んでいる人たちからは、共感する部分が多いのではないかと読み進んだ。
そう。サラリーマン生活が長かった私も、すっきりと読み終えることができた本。
話は、少しそれるが、実家近辺では「ほいとう(ほいと)」という言葉が昔聞かれたのだが、方言だと思っていた。祝い人と書くということと方言ではないというのは初めて知った。※広辞苑を引くと陪堂
方言には、時々昔の言葉が残っていておもいしろいものだ。