■監督【著者】 森茉莉
■出版社 筑摩書房
■星 ★★★★
ベスト・オブ・ドッキリチャ...ちくま文庫
■説明
中野翠により再編成されたエッセイ集
週刊新潮に連載されていたものの抜粋です。
1979〜1985年連載
■感想
売り出し中の田原俊彦を見て「軽薄と狡猾とがいくら出ても尽きぬことのない泉のように、彼の表情に溢れ出ている」
石野真子と松田聖子を比べて、「石野真子の(自分はかわいらしい)という自信の内容を
推察すると、それはかわいらしい心だ。・略・ それが松田聖子の(あたしは可愛いんだ)という心の裏側はいやらしさに繋がっている 」
等、かなり辛らつな評や、自分のことについて書き綴ったエッセイです。
内容が身の回りのことであることと、一つ一つが短い文のため、読みやすいのですが、ずっと
読んでいると疲れてくることもあるかな?と
★はひとつ少なめにしてみました。
彼女のなかには 尊敬する父への思いやら、評価されない自分への自尊心やら、
昔は裕福であったプライドやら、その生活を懐かしむ思いやらが混在しているようです。
たとえば、最初に読んで「なにもそこまで言わなくとも」と思ったとしても、でも納得してしまうような表現があちこちにちりばめられているのです。
この毒舌?ぶりは先日亡くなった ナンシー関さんにも似ているようでもあります。