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February 14, 2007

博士の愛した数式

■著者 小川 洋子
■星   ★★★★

博士の愛した数式
博士の愛した数式小川 洋子 新潮社 2005-11-26売り上げランキング : 1810おすすめ平均 starstarそれから博士の切なかった恋も。 starゆっくりしたペースで読める本starベストセラーでもこの作品はイマイチかな…Amazonで詳しく見る by G-Tools

■説明
 家政婦をしながら息子(10歳)を育てている主人公の派遣先は、いままでに家政婦が替わった数をあらわすカードの裏の星の数の多さから、なにか問題がありそうなところだと予想できた。
 面接のときから、風変わりな様子が感じて取れたのだが。。

■感想
 映画になったり、ベストセラーになったりしたので、多くの人が名前は聞いたことがある本だと思う。私も今頃になって読んでみた。
 いままで数字というものは私にとって面倒で、現実的で、ロマンの一かけらも感じることがないもので、愛情をそそいだり賛美したりする対象ではなかったのだけれど、博士の言葉を追うにつれて、博士が数字に心酔している様子、数学の面白さというのをこの本を通して垣間見ることができたようにも思う。

 80分しか記憶を持たないエンドレスな博士の特殊な世界に飛び込んだ主人公たちが体験する小さななタイムスリップ感、異次元感。でも、その違和感をのりこえて、表面にみえていなかった博士の人間らしい感情や豊かな愛情に気づき、人と人との関わりが成立していく過程を通して、読者の私も一人の人(博士)の理解を進めることができたというやわらかな喜びを感じ、読後感は、ゆるやかな透明な水の中を流れていたような心地よいものだった。
 

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