■著者 伊藤遊
■星 ★★★★★
鬼の橋 | |
伊藤 遊 福音館書店 1998-10売り上げランキング : 97,542おすすめ平均 思春期の頃の自分に読ませたい子どもより先に一気に読んじゃった油断してたら泣くぞ!!Amazonで詳しく見る by G-Tools |
■説明
貴族の息子小野篁は橋を渡ろうとしたところで、浮浪と思える身なりも汚い女の子に「橋にあやまれ」と頭ごなしに怒鳴られた。丁度1月前になくなった妹と同じ年頃の女の子だ。
橋の向こうは篁のつらい記憶のある場所。そこへ行こうとする途中だった。
■説明
息子の読書記録をつけている子ども用の本のブログlocusにcatseyeさんからコメントいただいた知った本です。すごい本でした。福音館の本で、子ども用の本だけれどこの本は大人用といわれればそれで通用する本です。小学上級以上となっているので、5,6年生から読めるのかな。
最初、数ページの導入部を過ぎてから主要な登場人物が出揃ったあたり。そのあたりから一気に憑かれたように読み進んでしまいました。何がすっきりとわかるわけでもありません。その見え隠れする何かを追い求めるように次へ次へとページをめくってしまいました。すごい本だと思います。
主人公の篁は、迷いの真っ只中。やることなすことうまくいかない思いを抱えています。彼にはそうなる理由があったのです。しかしその橋の上で声をかけた女の子とのかかわりから彼はさまざまなことを体験し考え始めます。 なによりも、私には鬼の存在が大きくてたくさんのことを考えさせられ、そうしてないてしまいました。ただ、感動したことをここで書いてしまっては読む方の楽しみをうばってしまいそうなので書きません。でも、読んで損しないとても面白い本だと思います。息子が小学校高学年になったら必ず読ませたいです。図書館で借りた本だったのですが、新しいものを自宅用に購入しました。