■著者 中島らも
■星 ★★★★
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■こんな人におすすめ
雑学好きな人
ちょっとした時間をもてあまし、本で暇をつぶしたいと思うような人
■説明
「しりとり」からはじまって「るふらん」まで、見開き2ページの御題をしりとりで決めたエッセイ集。
軽いタッチでつづられている。 夕刊フジに連載されていたものをまとめたもの。
■感想
夕刊フジというと、多分タブロイド版の「おやじ新聞」だ。女性はほとんど読んでいるのは見かけないけれど、帰宅時の「おやじ」達には 夕刊フジ派・ゲンダイ派 などそれぞれ好みがあるようだ。向かいに座ったおじさんたちに必ず一人は読んでいるというような新聞。
話題の幅も広く、内容も気楽に読めるようなものが多い。連載されていたら楽しみにしている人も多かったろうとおもう。
コピーについて、物をかくことについての話は氏のこだわりや鋭い意見も見えて面白いだけでなく「なるほど」とうなるものがある。たとえば、面白いなと思ったのは、 韓国旅行のキャンペーンのコピー「初めてなのになつかしい」というものについて。 たしかに行ったことがない、生まれてからそのような情景はみたことがないはずなのになぜか懐かしい風景というのはあるような気がする。 別のエッセイで同じくらもさんがかいていらしたブレードランナーの街も、私にとってはなぜか懐かしい景色なのだ。たぶん、韓国に行ってもおなじような感覚に襲われることだろうなあと思いながら読んだ。
カルチャーセンターにある 「文章教室」についての疑問もおもしろかった。
「講座を受ける人の心境は、何者かを書いてみたいという衝動がある。ただそれは「人に見せる」ことを前提としているので、つたない文章では恥ずかしい。」 から文章教室へ通うということだろうけれども、
実際は 習うというよりも、実際モノになる人はすでにヘタであろうとなんであろうと自分のために物を作り始めているはずだという論。 なるほど!とうなる。
残念なことに、実は私は 文章教室出身のとても面白い作家さんを知っている。宮部みゆきさんだ。 小説家入門山村教室 (;−p)なんちゃってー。
たぶん宮部さんは 習う前から書きたいという衝動で書いていらしただろうと思うし、山村教室というのはたぶんカルチャーセンターの文章教室とは違うであろうとおもっているけれど。
なににせよ。面白い気楽なエッセイ集だ。