■著者 田辺聖子
■星 ★★★
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■説明
6篇の物語が入っている。どれも、「男」と「女」の話。
■感想
これも、田辺聖子とはどんな感じ?と沢山買い込んだものの2冊目。ところがどうも、田辺聖子も私にはあまり合わないみたい。 なんといっても 今まで読んだ中に知らず知らずに自分が登場人物と同化していることがないのです。登場人物と共感する部分がないというか。 本を読んで入り込めないつらさ。
腐れ縁の男女が多く書かれている中で、一番楽しめたのは「ベッドと家霊」でした。元気の良い女どもに気持ちがついていけていない旦那さん。ずるずると彼女達のペースに引きずられていくその面白さは、その言葉とあいまって あまり見たことがないのですが、「吉本新喜劇ってこんな感じかな」というものでした。
読み終わってみると、そこそこそういう雰囲気の面白さがあることに気がつきました。 「四人目」にしても、設定がおかしい。 自分の物語として入り込めなくても 「ふーん。おかしな人達」と傍観者として楽しめばよいのかしらと。
人にしても、最初に「あわないかなあ」という印象を持っても、付き合っているうちにその人の良さやおもしろさがわかってきたり、その人と自分の付き合い方がわかってくるときがあると思います。
本も、最初は「これはダメかも」と思っても、読み進むうちに、その本との付き合い方がわかる。そんなものなのかもしれませんね。 例によって、まだまだ田辺聖子の本が積んどく状態の我が家です。