■監督【著者】 ピーコ
■出版社 文春文庫PLUS
■星 ★★★★
片目を失って見えてきたもの 文春文庫PLUS
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■説明
おすぎとピーコのピーコ本人の 癌による眼球摘出にまつわる話。
■感想
おすぎとピーコの正直な物言いが気持ちよいと感じる人はこの本はオススメ。「辛らつで嫌い」という人には向いていないかもしれない。
私には、共感することが沢山な本であった。
ピーコが目を取り出したという話はちらっと聞いていて、ああ、義眼なんだな。というのはどこかで聞いたのだが、 メラノーマという癌が原因だったとのこと。
「縦糸の友達」とは永六輔さんがピーコにおっしゃった言葉だそうで、縦糸は一生の友、横糸は一過性の友というように六輔さんは捕らえているとのこと。
===本文より===
友達に何かしてもらいたいと思うのは「欲」だということを、私はこのときはっきりと認識したのです。<中略>
その人のためにしてあげたいことを、たくさんしてあげる。その人から、なんの見返りも望まない。
それが本当の友達なのだ...。
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===本文より===
自分がしにそうなほど悩んでいるときに「そうそう、あなたの言うとおり」といつも言うような友達がいたとしたら、最初はいい気持ちになれるかもしれませんが、<中略>しだいにその人を信じられなくなるかもしれません。
自分にとって居心地のいい人が、自分のことを本当に思ってくれているというわけではないのです。
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もっともっと書きたいけれど、このへんで。
私は、相手の悩みを真剣に受け取って考えたときに、素のままの自分の考えを言います。
もちろん相手を傷つけようとして言うつもりはなく、「自分だったら」と考えていることそのものです。 でも、これによって、私から離れていく人も居るかもしれない。それはそれでよいと思います。その人が私に求めているのは そういう言葉ではないのでしょう。
それを理解してくれる人もいるし、それを好まない人も世の中にはいると思う。
そんな風に私と似ていると思うところのあるピーコには 物凄く共感したのでした。
そうして、そういう生き方をしてきたピーコに しっかりとした縦糸の友達ができていることがうれしかった。 私のこの考えを理解してくれる人は きっと私の縦糸の友達になるんだろうな。と思ったのでした。