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October 18, 2003

陰陽師

監督【著者】 滝田洋二郎
★★★
陰陽師
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説明
筋は文庫本とはかなり変っていて、複数の話をくっつけて、悪役の導尊(真田広之)と 晴明(野村萬斎)の対決 という体裁になっていました。

感想

狂言師 野村萬斎さん(今、NHK教育テレビ「にほんごであそぼ」でも 「でんでん むしむし」※1 「ややこしや」など 子供の間の流行語にもなりつつある 時の人です)は、原作の 夢枕獏さんのご指名ということ。

 原作者ご指名ということは、夢枕さんのイメージには 野村萬斎さんがピッタリということなのでしょうが、私としては、いまひとつイメージとは違っていました。

 本を読んだ感じでは、感情を表に出さない まさに、晴明の庭が表しているように 自然体でこの世のものではないような人を想像していたのですが、萬斎さんは 私にとっては目や顔つきが鋭すぎる。闘争心が目に出すぎるように感じました。 
 文庫本の中の晴明の魅力は達観にあるように思うのですが、映画の晴明は ギラギラと 導尊への感情が顔に表れていて 「少し違う。あまりにも闘争心が出すぎている」と思ったのでした。
 
 しかし、身のこなしはさすが。走る場面でも明らかですが、頭が上下しない すすすっつと すべるような動作、束帯(なのかな?)姿の袖さばき、姿勢など絵になることも多いです。さすがだなと思ったのは 束帯姿でくつろいでいる様子。まるで絵巻物でも見るような姿でした。

対する導尊(真田広之)も 舞台の経験が生かされているのか、さすが。※2 身のこなしに関しては 萬斎さんとは多少違う雰囲気はありますが貫禄でした。


しかし、小泉今日子。先日テレビでやっていた踊る大捜査線 をちらっと見てビックリ。
「この歯列矯正の恐ろしい人は もしや。。。。キョンキョン?」<昔キョンキョンと呼ばれていたのです。 あわてて新聞を確認して やはり。。。と。 陰陽師でも、「キョンキョン。。年とったなあ」と。 驚きました。

 こういう幅の広い役の選択は応援したいけれども、ちょっと映画やテレビを見なかった間に浦島太郎になってしまったような気持ちがしました。


 博雅(伊藤英明)も 女々しすぎ。 彼は 「おぬしは よい漢(おとこ)よのお」と晴明に言われているように 真っ直ぐでさほど物怖じしない性格と見ていたのだけれど。泣くわおびえてめろめろになるわ。言われたこともできないわ。「おぬしは頼りにならん!」と心のなかでつぶやきながら見ていました。

 ネットで検索してみると、セットや小道具について言及されていることも多いです。
 確かに 特殊メイク、セット、小道具がちゃちい。(「マトリックスと比べちゃイヤン。」という感じ)でも、「日本映画だからこの程度かも」と心のどこかで思っていたからか、それとも大王の番組の人形劇を見すぎたせいか あまり気にならずに見ることができました。

 この映画は 「安部晴明」という超人ヒーローと 「導尊」という悪役の対決の物語と見ると違和感がないとも思えます。(つまり 仮面ライダーの延長<そう見ること自体が違和感?)

■※
※1 ここの「でんでん むしむし」は 有名な歌の軽やかな「で〜んでんむ〜しむしか〜たつむり〜」とは全く違う発音で、腹の中から絞り出すように 声を多少割り気味に低めに おどろおどろしく 「でーんでーん む”−しむ”−し」というような発音です。
 にほんごであそぼ
http://www.nhk.or.jp/kids/nihongo/index.html

※2以前坂東玉三郎出演の 天主物語の配役でみたことがあります。

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