■監督【著者】 宮部みゆき
■出版社 新潮文庫
■星 ★★★★
淋しい狩人新潮文庫
■説明
田辺書店という古本屋にかかわる小さな事件の短編集だ。
イワさんは稔のおじいちゃんでこの本屋の店主。
この二人が主に登場して謎をときあかす。
実際にその場にでかけていくわけではなく、はなれたところで人の話を聞いたりして解き明かすタイプの
アームチェア デテクティヴ <っていうんでしたっけ
■感想
謎ときもそこそこ面白いのだが、イワさんと稔の関わりがおもしろい。
おじいちゃんと孫という設定だが、ある意味子供の成長にどうにかついていこうとする大人の視点というのはこういうものなのだろうか。と思って読んだ。可愛らしい稔が最後に近づくにしたがって、家族に心配をかけたりする。
下は大幅なネタバレ
稔は自分より十歳も年上の27歳のスナック勤めの劇団員の女性と知り合う。そうして、夢中になり、夜中に家をあけることが多くなる。 心配した両親の依頼により、イワさんが彼女と会うことになる。
「不純な動機で付き合ってるんじゃないわ」
「誰も不純だとは言うとらんですよ」「しかし室田さん、あなたは稔と違って、純粋ならなんでも正しくて、不純ならなんでもいけないんだと思うような子供ではないでしょう。わしらがあんじているのもそのへんのことなんです。」
「あたし、今まで、稔るさんほどあたしのことをすきになってくれたことありませんでした。今まで、そんないいこと、一度だってあったことなかったんです。だから、あたしにとって、とっても大切なことなんです。」
「きっとそうなんでしょう。」
「稔はあなたにとってそれくらい意味のある男の子なんでしょう。しかしね。室田淑美さん、あんたは大人だ。大人が子供を逃げ場にしちゃいけませんよ。」
「逃げ場...」
このあたり、うなってよみました。
じいさんになったときにコレくらい諭せるようになるとすごいな。<実際は私はバアサンにはなるけどじいさんにはなれない。