■監督【著者】 宮部みゆき
■出版社 新潮文庫
■星 ★★★★
堪忍箱新潮文庫
■説明
これは時代物の短編集である。霊験お七シリーズとは違ってこれには あきらかな物の怪は出てこない。
■感想
ただ、ゆっくりとした時間と、長屋などで暮らしている人たちそれぞれの心の動きが見事にかかれている。こういう本を読んでほろっとしたりじんわりとした気持ちになったりするのは、きっと私たちが似たような感覚を味わったことがあるからだろうか。
この人は本当に守備範囲が広い。さらっと平易に読めながらも いつのまにか すっと物語に引き込まれ「ああ、そうだったのか」と「これ」と言葉や形にできないものが残る。
先日行った江戸東京博物館では 長屋の様子などの模型があった。読みながら一層はっきりと長屋の様子が頭に思い浮かんだ。