関東の梅雨明けはまだ宣言が出ないようで、今日はまた曇り空であるが、昨日は梅雨の晴れ間というか、本当に良い天気だった。
先週延期になった、pon1の友人家族とのバーベキューに参加。電車にのりつぎのりつぎ、2時間かけて家族で出かけた。朝出かけるときは 肌寒く、途中小雨も降りそうな空模様だったので、長袖のＴシャツや 雨合羽を大王の持ち物に追加して、前日までの雨での増水もありそうだし、寒くて泳ぐどころではないだろうから、水泳パンツは持っていかなかった。
さて、川原についてみると、良い天気。すっかり夏の日差しのようで暑いこと。
絶好のバーベキュー日よりで、皆とても楽しめた。水泳パンツに関しては持っていかなくて良かったかも。全身びしょぬれになって遊んでいた大王だが、洋服をぬらさないような深さまでしか行かなかったので、危険度も下がっていたようにも思う。川もやはり増水していたから。
お父さんたちも水や川で童心に戻って黙々と堰を作ったりとか 大きな石を落として水をはねさせたりと子供達と一緒になって遊んでいた。不思議なことにお母さんたちは水にはあまり興味がなかったようで、子供達（お父さん含む）の安全や、食べ物の方に注意が行っていたのかな。私もとても楽しかった。
■水
沢山の人たちが来ていたが中にはこちらが「はらはらドキドキ」するような人たちも何人かいた。
たぶん、雨の影響で多少水かさが増えているのではないかと思う川なのだが、若い男女が一緒に来ているグループでは 女性を抱え上げて流れの中に投げたり落としたりして流されるのを見て楽しむという悪ふざけをはじめたりしていたのだった。
川での事故を身近に知っている私からみるととんでもないことだった。
実は私は同年のクラブの友人を川で亡くしている。
その日も雨の後だった。
大きな川をゴムボートで下る速さを競う競技がある。川下りとかラフティングと呼ばれている。 夏場に大きな川や急流で大会が行われたりするのだが、その年は私たちも参加しようという予定をたてていた。近くの川で練習をしていたのだが、急流が近くにない環境にいたので、雨で増水した川ならば良いトレーニングになるのではないかという話しを誰からともなく実行に移すことになった。
急に決まったその練習だったが、私は講義と重なっていたので行けないことになり、講義をうけながらも「本当はさぼりたかったなあ」などと思っていたのであった。
ところが、部室に戻ると大変な騒ぎになっていた。事故があったというのだ。詳細が分からないままただ驚いている私たちの部室に 次から次に新聞社の記者という人たちがやってくる。
そうして、部室の写真をあさる。 この辺りの記憶は不鮮明だが、ただ現実感のないまま、とつぜんなにか大変な右も左も分からない中に放り込まれたような状態だった。
■水の怖さ
新聞に掲載された見出しは、想像通り「無謀」という文字が書かれた。
私たちからすると、単なる馬鹿騒ぎでボートを繰り出したつもりではなく、いっしょくたに「若者の無謀」と片付けられたことに 力の無い憤りを感じたりした。
亡くなった彼や自分達が 事情を知らない人たちに「無謀」のひとことで片付けられるのはやりきれなかった。そうして、その場にいなかった私からは、彼の死というのはあまりにも現実感がなかった。
たしかに、川下りの本を読んだり練習はしていたのだが、どれも真摯に「間違えば死んでしまうかもしれない」という思いを持ちながらのものではなかったかもしれない。今になってやはり「無謀」だったのかもしれないと思う。
私がどうして講義をさぼってまで練習に行きたいと思ったかというと、瀬を下るジェットコースターのようなスリルをただ味わいたかったのかもしれない。ただ、それに大義名分をつけていただけだったかもしれない。
子供の頃は近所に川があったことから夏はプール代わりによく川に泳ぎに行ったりしていた。そういう環境にあったので、川に対する恐怖心はあまり持ち合わせていなかった。
しかし、後から思い出せば、それでもいくつか襟を正す機会があったと思う。
別の場で練習をしたとき、腰よりも少し水位が上の川を歩いて渡ったのだが、流れに足をすくわれそうになり意外な水の威力に驚いたこともあったはず。
一般には膝くらいの深さのところでもおぼれることもあるとか。
■水の知識
私たちは日々川の流れに触れながら生活している人は希であると思う。
だからこそ、脱日常で川遊びはとてもよい気分転換になる。しかし、川や水の怖さを知ることも必要。昨日の若者達は、一人は背骨辺りにみみず腫れ（みみずというより5センチくらいの幅でぼっこり腫れていたけど）を作った程度で幸いにもなにごとも無かったようだ。
川に落とされた女性二人は よほど疲れたのだろう、あがって少しした頃全身びしょびしょになったまま川原でぐったりと横になって並んで寝ていた。
他にもオヤジの悪ふざけも見かけた。中年から高年という年代の男性が若い男女2,3人をつれてきていたのだが、どうも遠目にみると 若者達がうんざりした気の乗らない雰囲気でつきあっていて、オジサン一人がいきまいている。「お酒をのんで 語りに入ったのかなあ」と見た。
私たちが帰り支度を始めた頃、若者たちの悪ふざけを見てうらやましかったのだろうか。彼は嫌がる女性を川の中に引っ張っていっていると思ったら、どうやら勢いあまって携帯を落としてしまったようだ。 一気にすまなそうな顔をしながら戻っていっていた。
特に飲酒しての悪ふざけは大変危険。単なる遊びであったとしても、基本的な知識は必要だと思うのは、私が年をとったせいか、それとも慎重すぎるだろうか。皆、大事がなくて本当によかった。である。（でも、多分本人達は気づいてないんだろうなあ）
5ヶ月と3日。156日 |
